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A列車ダイヤ作成(立案)の極意は「OuDiaを使わない」こと:小5算数「たろうじかん」で所要時間は計らない。十分な線路見学。車両の運用は箱ダイヤで作る。(最終更新:2025年7月7日)


OuDiaとA列車

分数

A列車のダイヤ作成(立案)にOuDiaは使わなくてOK。列車1本ずつ箱ダイヤで運用を決めます。A列車の機能だけでダイヤがあらかた完成してからOuDiaで清書しましょう。A列車で所要時間を計るのは最後に1度だけ、OuDiaでダイヤグラムを描く段階で初めて各駅の着発時刻を調べます。A列車を学校に持っていくことはできませんが、OuDiaで描いたダイヤグラムは持っていけます。休み時間にオフラインでA列車のダイヤを考える楽しみ。プライスレス

ダイヤの立案過程で順番に考える内容と図表

  1. 輸送計画:OD表
  2. 施設計画:配線略図
  3. 行路:箱ダイヤ
  4. 進路制御:ポイント分岐設定 ※ゲーム内の設定画面
  5. 運行管理:駅のダイヤ設定(発車時刻・折返) ※ゲーム内の設定画面
  6. 運行計画:ダイヤグラム

手順1・3は手書きのメモで十分。手順2・4・5はゲーム画面を操作するだけで完成します。(ゲーム内で線路を敷けばそれが配線略図ゲーム内でポイント分岐設定をすればそれが進路制御ゲーム内で駅のダイヤ設定をすればそれが運行管理です。)手順6つまりゲーム画面で各駅の詳細な着発時刻をすべて調べ上げてからOuDiaでダイヤグラムを描くことまではしなくてもゲームはきちんと遊べます。逆にいえば、いきなり市販の時刻表から着発時刻を丸写しして描いたダイヤグラムが完成してもA列車は走りません

もう少し補っていえば、ゲーム内で駅の種類を選んで建設すればそれがOD表プレーヤーは需要を想定して駅の大きさを決めている)です。ゲーム内で列車を単純に配置して単純に往復させるだけでもそれが行路です。マニュアル公式ガイドブックを読んで深夜の運行を止めるだけでも運行管理(初電と終電の時刻を決めたことになる)です。難しく考えず自然にプレーしていたのを「そういうことだったのか」と捉えなおすだけで大丈夫。自分のプレーを客観視するのが初心者卒業へのファーストステップです。



OuDiaとA列車の誤解の背景

「OuDiaを使えばA列車のダイヤが組める」という誤解がありますが、ダイヤ作成にはOuDia以前に小学校の算数が必要です。学校教育法に基づく「学校」である幼稚園を卒業しなくても小学校に入ることができ、小学校の算数ができなくても私立中学に受かることはでき大学まで進めてしまいますが、受験に出ないからといって馬鹿にしていた小学校の単元が思わぬ形で逆襲してきます。中学受験での無謀な先取り学習に起因すると思しき知識の偏り常識的な理解の欠落考える力の不足のもとで動画やブログを作っている人が非常に目立ちます。わたしたちは自分が通った学校のことしか知りませんが、例えば公立と私立とでは、想像もできないほど大きな違いがあるものです。日大の高校の同期が津田沼2丁目のマンションの1室に集まって作ったという事情を知らない人から見て「A列車で行こう9」というゲームのプレーヤーはこの程度なのかと思われてしまうことは非常に心外です。大多数の(ネットでは可視化されてこないサイレント・マジョリティの)ユーザーは本作を自力で楽しめているでしょうし、そうでなければそもそも購入に至らないでしょう。未だに応援団が相手チームを「おまえ」と呼んだり、けなしたりする掛け声をだめと思っていない時代錯誤な文章を書いてしまう会社乱暴な言動をする人見て見ぬふりをすることもできますが、それは結局すべての人の立場を危うくする危険なことです。まっとうな楽しみ方で本作を楽しんでいるプレーヤーとすべての鉄道ファンの名誉のために、そして、本作をこれから新しく遊び始める人のために本日はありがとうございました。

※「A列車で行こう9」は雑誌「鉄道ファン」と鉄道博物館駅広告を出しているゲームです。多数の鉄道会社から許諾を受けての発売でもあり、本作はゲーマーのためのゲームである前に鉄道ファンのためのゲームになっています。メジャーとフォーマル(パブリック)はイコールの場合が多いですが、マイナーなら必ずインフォーマル(プライベート)だというわけではありません。いわば「A列車で行こう9」はマイナーながら極めてフォーマルな発売のされ方をしている製品です。鉄道会社のアセットの社会通念に反する態様での利用が続けば鉄道会社からの許諾の取り消しもあり得ます。じゅうぶんに注意してください

「恵まれない家庭では奨学金のハードルを必要以上に高く見積もる」といった意識や認知、情報のバイアスがあるという指摘がありますが、A列車というゲームのハードルを必要以上に高く見積もるというバイアスも存在しているように思われます。A列車というゲームがとてつもなく難しく感じられるのは、正しい方法と手順を知らないまま、あれもこれも同時に手を付けているからでしょう。正しい方法と手順を知れば、A列車というゲームは驚くほど簡単です。もちろん、簡単だからつまらないということもなく、簡単だからこそのびのびと思い通りのプレーを堪能していけるのです。職場の自己評価シートで「自分は難しいものに挑戦し続ける健気な人間です」とアピールするがごとく「A列車は難しい」と大の大人が言い続けるのには感心しません。

任天堂のSwitchというゲーム機では、ほぼゲーム機(本体)と同数を売り上げている「どうぶつの森」と「マリオ」を筆頭に、「モンハン」と「ポケモン」、「スマブラ」と「スプラトゥーン」といったヒット作が続き、140位くらいに「A列車」があり、以下その他の特殊なゲームがたくさんあるといった状況にあると聞きます。ある時点での集計では、「あつ森」が約700万、「モンハン」が200万超、「はじまるA列車」が2万本といった累計販売本数になっていたようです。Switchというコミュニティにあっては「A列車」は「モンハン」の1%、「あつ森」の0.2%。仮に1学年360人の全員がSwitchで遊んでいても「はじまるA列車」のプレーヤーは1人いるかいないか(4校に1校は1人もいない)といったところ。この小ささを客観視してみましょう。はい

※1学年900人以上の「いわゆるマンモス校」では「はじまるA列車」のプレーヤーが学年に2人いておかしくない計算。中学校だけで6人いて、もし卒業生を追跡するなら(分母と割合は同じとして)、高校生になっている人も含めて12人、大学生になっている人まで含めると最大20人の集団となり、ちょっとした『縦割り活動』に。しかし、そんな活動が他校(特に公立)でも普通だなどと思わないでください。自分たちの特殊性を自覚してください。くれぐれも魑魅魍魎薔薇薔薇事件「凡人には理解できない高尚なゲームをやすやすとプレーできる俺ら」といった感じに難しい漢字ばかり使った路線図を振りかざすなど他人を見下すことのないように保護者や教員、それに地域の大人などが注意してください。そして、ニュースで報じられる「迷惑な撮り鉄」という最大20名くらいの集団も、おそらくそのようにして1つの学校の関係者が集まってできているのでしょう。何がどうという前に、そもそもあいまいもこもこ徒党を組むこと自体が迷惑なのです。シングルプレイのゲームを1人で遊ぶこともできない未熟者には厳しい目を向けざるを得ません。

「ダイヤグラム」は小学校6年の算数で習います。習うより前に知っていて「知ってるー!!」と叫ぶばかりで授業を聞こうとしない子どもにつける薬はありません。6年生で「ダイヤグラム」を習う前には、5年生で「単位量あたりの大きさ」を習います。算数セットのおはじき1つ1つに名前を書くことから始まり、理科の実験もあれば、調理実習もあります。調理実習の前にはエプロンを作ります。初等教育ではすべての科目のすべての単元の間に明確な順番があり、好きなときに好きな単元をつまみ食いしてよいものでは絶対にありません。小6算数の「ダイヤグラム」を習っても、それは与えられた問題を解く方法を与えられただけの状態。「ダイヤグラム」を使って解く問題を作成して出題する側に立てるものではありません。

A列車というゲームには『正解』というものが定められていません。これが入試なら『出題ミス』といって大々的に報道される大事件ですが、A列車というゲームに『正解』がないからといって怒る人はいません。A列車というゲームで、何もないところから自力で「ダイヤ」というものを作成(立案)していくのは本当に難しいことです。高校生はおろか、そんじょそこらの大学生でも「ダイヤ」をゼロから自力で作るのは難しいので、実在路線の『再現』でお茶を濁す人がほとんどでしょう。しかし、『再現』しかしていないのに『作品』と自称してよいのでしょうか。「ダイヤ」を作るのは「スジ屋」と呼ばれるその道のプロたちだから、のびのびと思い通りに「ダイヤ」を作ることは素人には絶対できないのでしょうか。

いいえ。3歳までに鉄道に親しみ、幼稚園を2年で卒業し、7歳までに鉄道模型の入門セットとカタログを与えられ、小6算数の「ダイヤグラム」をきちんと6年生で習い、A列車というゲームには中学生になってから出会った人が、大学で卒業論文を書いて合格したなら、何も難しいことはありません。往々にして正しい方法と手順とは、それが正しいとも知られていないもの。偶然にも正しい方法と手順に従って進んできた人だけが、特別なことだとも思わずに使いこなして、のびのびと思い通りにA列車というゲームをプレーできる、そんな嘘のような話が、実はあるんです。いろいろなバイアスにとらわれたままこのページを読むと、何もかもが嘘としか思えないでしょうけれども、それはそもそもバイアスのせいなのです。

小学校のうちに「算数」として習う単元の中には、大学で専門科目を学ぶときに非常に重要な基礎となるものがいくつもあります。あくまで小学校の「算数」の単元としては「比と比の利用」や「資料の整理(二次元の表)」といった名称であるため、重要さが伝わらず軽視されがちです。そして、小学校や中学校でのテスト(考査)では、直前の授業で習った方法を使って解く問題しか出題されません。日常生活の中で、あるいは探究学習の中で、はたまた大人になってから仕事の中で、目の前の問題にはどの方法を使えばいいのかを自分で見つけること(俗に言う「問題解決」)がなかなか鍛えられません。前提が異なるのにトヨタ自動車やパナソニックの猿真似しかしない会社は無数にあるでしょう。A列車というゲームに臨んでも、ただひたすら「本物っぽいダイヤグラム」を描くことにばかりこだわり、ゲーム内の問題を解くことがまったくできていない場合すらあるのではないでしょうか。インフルエンザで出席停止でもない限り、小学校の算数の単元「ダイヤグラム」を必ず習っています。できないはずがありません。

※大学生になっただけで威張り散らしてはいけません。卒業論文が合格しない限り、大学生は『大きな学生』という名の完全な子どもです。卒業論文を書かずに卒業ましてや中退した人の中には非常に威張り散らす人が少なくありませんが、その原因はまさに卒業論文を書いていないからということに尽きます。その点、鉄道ライターの杉山淳一氏は大学院を出ているので非常に確かなものがあります。知識は自分の物にするばかりでなく、他者が持つ知識を使いこなしてこそ。鉄道そのものを自分の責任で論じるには博士号が必要ですが、せめて修士号を持っていれば、博士を相手にするインタビュアーが務まります。

※Windows版「A列車で行こう9」の客層は「大学生・一般」で「私物のPCを所有しPCゲームをプレーする人」という母集団でとらえるもので、1学年に何人といった狭い枠でとらえられるものではありません。PS4のコミュニティについてはよくわかりませんが、ゲーム機としては高価格帯に属すPS4を所有するまでのハードルは低くありません。5号車は4号車です2台目や3台目のゲーム機をいくらでも買ってもらえる裕福な家庭あるいは兄弟が多くゲーム機が複数台ないと喧嘩になる家庭の子どものほかには、大学生であるにもかかわらず私物のPCを購入するには至らず(三大都市圏では大阪だけパソコン保有率が低い)PS4というゲーム機を(鬼という漢字の酒受験生の親が売り払った)中古で手に入れて遊ぶ感じの人と、そういう感じの人を身の周りで見たことのある高校生が同じように振る舞うといった狭い範囲にしか「A列車で行こうExp.」のプレーヤーはいないのかもしれません。大阪はPS4の台所PS4は天下の回り物とはよく言ったものです。なお、「大学生・一般」という区分は出版社新聞社で言うもので、本も読まず新聞も読まない人は客ではないことから、一般に「大学生・一般」という区分に「大学を出ていない人」は含みません。もちろん、大学を出ていない人が本を読んで新聞を読んでよいのですが、その場合にどのような扱いがなされるかというと、本を読むことも新聞を読むことも仕事ではないのにがんばって読みました(自己研鑽に励んでいますね)と、ほめられるわけです。本も新聞も読むのがあたりまえの「大学生・一般」では、読んだだけでほめられるなどありえません。


「OuDia」に値を入力してダイヤグラムが書けても「A列車で行こう」に入力できなければ意味がない 理数探究基礎とOuDia
実験計画法とダイヤ作成(A列車で理数探究)
施策の狙いを明確にしよう シンプルな施設計画。標準こそノーマル。これ則ちリアルの法則。(※縦に誤読)

OuDiaとは

OuDia」は、take-okmさん作のダイヤグラム描画ツールです。鉄道ライターの杉山淳一氏が執筆(カナ入力)した「A列車で行こう9 公式エキスパートガイドブック」で「OuDia」を使った「A列車」の楽しみ方が詳しく解説されています。しかし「ダイヤグラムを描く」ことはゲームの攻略に不可欠ではなく、本書の大部分(ページ数にして87.5%)は「ダイヤグラムを描く」こと以外重要な知識の紹介に割かれています。その上で本書では「OuDia」より前に「Microsoft Excel」と「Microsoft PowerPoint」を使って「ダイヤグラム」を描いてみせています。そもそも「ダイヤグラム」は小学校の算数で習うもので、定規さえあれば描けるもの。「ダイヤグラムを描く」方法が「OuDia」だけではないことを再確認してください。

スマホとPS4

PS4版「A列車で行こうExp.」のプレーヤーに多いようですが、わけもわからぬままOuDiaを使おうとして、OuDiaがWindows以外のPCやスマホでは使えないことを知ると途方に暮れる人がいるようです。

ドローイング(描画)の方法デジタイズ(デジタル化)の方法を分けて考えよう

  1. ダイヤグラムを紙に手書きしてスマホで撮影する方法
  2. ダイヤグラムを表計算ソフトの「線」のツールで描いて画面を保存(スクリーンショット)する方法

スマホで画像ファイルとして送信や共有したいからといって、ダイヤグラムをスマホで描かなければいけないという決まりはありません。1つの目的を達成するために複数の道具を段階ごとに使い分けましょう。

長年Windowsを使ってきた歴戦の鉄道ファンやゲーマーの間ではOuDiaがデファクトスタンダード(お互いに見慣れているので話が早い)になっています。Windows版「A列車で行こう9」をプレーしているのにOuDia以外の道具(※OuDiaの改造版を含む)でダイヤグラムを描いていると、この業界の常識を知らないという幼稚な感じや、知っていてわざと逆らおうとする反抗的な感じに見えてしまう場合がありますので、じゅうぶんにご注意ください。

「スタンダード」という言葉に「これだけが正しい(これ以外は正しくない)」という意味はありません

アプリとフリーソフトの違い

のことを知らないスマホ世代(※学校でパソコンをやっていない中高年を含む)が「OuDia」を正しく理解するには、かなり広範に昔話を知っておく必要があります。

「OuDia」(※前身の同種のフリーソフトを含む)は、あたかもみどりの窓口マルス端末郵便局の窓口の端末を係員が見事なタッチで高速に操作する、あの感じ自分でもやってみたいという変な欲求を発していると思います。紙の時刻表左手で押さえながら右手でテンキーを高速に叩いて「OuDia」の入力が行なえるわけです。小学校中学年からの「辞書早引き大会」の要領で、小6算数の単元「ダイヤグラム」が高速に作成できるソフト。それが「OuDia」です。

※諸説あります。

なお、「OuDia」の作者のサイトはSSL化されておらず、閲覧環境によっては警告が表示されてびっくりしてしまうかもしれません。また、学校や家庭でのパソコンの管理のポリシー上、得体の知れないプログラムをインストールすることが許可されない場合もあります。「OuDia」はベクターからも入手できます。ベクターのサイトはSSL化されています。ベクターは長年にわたりフリーソフトの流通を支えてきた信頼できるプラットフォームです。ベクターからダウンロードできるプログラムはすべて、ベクターによるチェックを受けています。「OuDia」をインストールすることについて管理者への説明が必要な場合はベクターを利用するとよいでしょう。

※逆にいえば、そのような信頼が何もない改造版のソフトをむやみにインストールすることは控えましょう。Googleの検索結果でオリジナルの「OuDia」よりも改造版のほうが上位に出てきてしまう状況があるとすれば、それは単に「OuDia」の作者のサイトがSSL化されていないせいです。それはさておくとしても、「こたつから出ずにミカンを引き寄せる方法」を追求しただけのようにしか見えない改造版をわざわざ選ぶ理由はありません。

「COSMOS」読み方(発音)は不明ですがっぽく「こ」と発音することも許容されると思うし、許容されたいとも思います。ちなみに「cosmos」の対義語は「chaos」なのが趣深い。
※Googleレンズを使うと画像内のテキストを認識して翻訳できる。(上掲画像の英語への翻訳結果は確認済み)

(京急)

10歳前後の小学生を対象にしたイベントでは、6年生で習う「ダイヤグラム」をまだ習っていないことから「ダイヤグラムって何?」という問いかけ(学習課題の提示)をしますが、これを中学生以上の人に向かって言うと非常に失礼です。10歳前後の小学生だけが対象のコンテンツ以外で「ダイヤグラムって何?」という問いかけをするのはやめましょう。

(秩父鉄道)

「ダイヤ案」の「下書き」から「清書」へ。ここでいう「ダイヤ案」とは、ある列車1本をだいたい何時ごろにどこ往復させたいという「箱ダイヤ」です。これを、それ以外の1日の列車のスジがすべて引かれている「ダイヤ」の中に、どう割り込ませるかということ。うまく収まるメドが立ってから「清書」するわけです。


動くダイヤグラムと「手戻り」

Googleでは「A列車で行こう ダイヤ作成 ツール」という検索をするひとが多いといいます。そんなものはありません「ダイヤ作成」は知識であり技能であります。「ツール」さえあればできる、逆にいえば、じぶんがうまくできないのは「よいツール」がないからだ、といった言い分で「ツールのせい」にしてしまうきらいがありませんか。「OuDia」は、take-okmさん作のダイヤグラム描画ツールです。OuDiaは「描画」のツールですから、「作成」ということについては何も手助けしてくれません。どのようなダイヤを「作成」するのかは、あなた自身の知識と技能、それに、そもそもあなたは何をどうしたいのかということにかかっています。

A列車のダイヤ設定に所要時間の計測は不要です A列車のダイヤ設定で全駅全列車全時刻の入力は不要です

「A列車で行こう」というゲームでプレーヤーがやりたいのは、(市販の時刻表を入手して)あらかじめわかっている位置と時刻を入力すると線を描いてくれる「OuDia」とは逆向きの作業です。そもそも、ダイヤグラムの線の傾きは速度を表わします。列車の速度、つまり線の傾きを決めて線を描けば、描いた線から時刻と位置を読み取ることができるのがダイヤグラムです。「A列車で行こう」というゲームでは、プレーヤーが列車の速度を決めて、ゲーム内の線路にいきなり配置して、いきなり走らせることができます。これは、大きな紙にいきなり直線を引くがごとく直感的な作業です。「手戻り」を避けるのは工程管理の鉄則「A列車で行こう9」のダイヤ設定動くダイヤグラムと呼べるほど直感的ですから、みだりに「OuDia」を使うと二度手間になってしまいます。初心者を自認するプレーヤーこそ基本に忠実に、ゴールから逆算して手順を決めましょう。

「たろう」が1往復するのにかかった「じかん」を「1たろうじかん」とする物理の運動、数学の微分積分の説明では「(軸上の点としての)時刻」ではなく「(量としての)時間」ですが、ここではダイヤグラムの話なので「時刻」にしました。



「A列車で行こう9」はゲームです。ゲームソフトを起動して、3Dグラフィックで列車が走り回るのをぼーっと眺めて日が暮れるアクアリウムの休日なのです。「時刻表」の形式で書き下して何がうれしいでしょうか。

「ダイヤ作成 ツール」という検索で、このサイトの「ツール」のページを訪れた挙句、「座標」と「作図」という用語の意味を正しく理解しないまま、このサイトが提供しているツールの使い方がまったく理解できないまま怒って帰っていく人がいるようです。このサイトは高校生以上を対象にしています。中学生ではないのですから「座標」を「数学の時間に出てくる『マス目(?)』のこと」あるいは「数学の時間に描かされる『グラフの線(?)』のこと」などと誤解していてはいけませんし、「作図」といえば「数学の時間にコンパスや定規で『図形やグラフ(?)』を描くこと」以外は考えられないというのもいけません。大人ならなおさらです。このサイト(neorail.jp)の「NMPC-L64」を使えば距離と乗客数を勘案した「ダイヤ作成」ができますが「ダイヤグラム」が描けるツールではありませんし、ダイヤそのもの(運行計画)を作成するツールでもありません。「PAL8-CNV」はマップのセーブデータ(のバイナリ)を読み込ませるツールではありませんし、ましてやマップのデータから自動的に「NMPC-L64」や「箱ダイヤ計算機EX(EW72-TPR)」のデータに変換することなどできません。その「箱ダイヤ計算機EX(EW72-TPR)」が運行計画そのものや列車運行図表(ダイヤグラム)を作成するツールではないのも、もちろんです。ひどい場合には、全角と半角の区別すらわかっていない人がフォームに全角で入力して途方に暮れているようすがあります。いきなり「ダイヤ作成 ツール」を探してしまう前に、用語と概念を正しく理解してください。単に言葉として聞いたことがあるとか覚えているというだけではだめです。「知っている(だけ)」と「理解している」は別のことです。数学の問題は解けていても理解はできておらず説明ができない人がいます。こういう人は目の前で使い方を実演してもらうまで使い方を理解することができず、説明だけを読んで理解するということがまったくできません。まさに「座標」と「作図」という用語を中学校の数学の時間に聞いて「知っている」だけでは、このサイトのツールは使いこなせないのです。その上で、このサイトのツールは考え方を理解するまでの自転車の補助輪のようなもの。考え方が理解できたなら、実際に使う「ツール」は表計算ソフトでもグラフィックソフトでも、なんでもよいのです。このサイトのツールだけを見ると、中高生くらいの年齢の人(14歳や17歳の人)にとっては何か馬鹿にされたような気がして腹が立つかもしれませんが、これは考え方を確実に理解するために、あえて自転車の補助輪のようなことをしているのです。自転車に乗れるようになるまでの間には自転車の補助輪がどれほど大事なものだったかをあなたも知っているはずです。内輪差の概念は児童交通公園のゴーカートで体得しておかないと手遅れです。運転免許を持っているのに台車で荷物を運ぶときにうまく曲がれず縁石に乗り上げたり壁に接触したりする人がいます。

Googleで「A列車で行こう ダイヤ作成 ツール」と検索するほどにも「ダイヤ作成」に興味を持ったのであれば、よい機会です。このページ「ダイヤグラム総合」の目次から順番に読み進み、1つでも多くの知識を獲得し、着実な技能として鍛え上げていってください。そうして体得された技能と確かな知識(繰り返しの経験に裏付けられた実感をともなう知識=「耳学問」ではない)は、ゲーム「A列車で行こう」の些細なバージョンの違いやゲーム機の種類といった表面的なことには左右されない、ずっと楽しめる趣味の礎になるでしょう。自転車の補助輪ではないですが、いつしかGoogleでの検索からも「A列車で行こう」と「ツール」が外れて、「ダイヤ作成」そのものについて検索していけるようになることでしょう。

NIEとは

NIE(Newspaper in Education)は、日本では「教育に新聞を」と呼ばれて知られています。A列車とOuDiaを楽しむための知識を学ぶには、NIEの方法が応用できます。

全国紙の読み比べJR時刻表JTB時刻表の読み比べ
ブロック紙・県紙を見るMY LINE(マイライン)東京時刻表を見る
業界紙を知る貨物時刻表を知る
灰色文献を集めるポケット時刻表を集める
そんなことより競馬の予想だそんなことより臨時列車と車両基地公開だ

新聞を使った学びの集大成が「新聞を作ること」であるなら、時刻表を使った学びの集大成として「時刻表を作る」ことになるでしょうか。新聞を読むにも書くにも辞書と事典が必要です。OuDiaとA列車に関しては、鉄道模型のカタログにある読み物や用語解説地図帳の巻末の理科年表、それにウィキペディアが、その役割をよく果たしてくれるでしょう。なお、辞書や事典(それに新聞も)は通常、参考文献には含めません。簡便な方法で容易に学ぶことができる基本的なことがらについて、じぶんで学ぼうとしないまま安易に他人に質問してはいけません。学ぶ機会を奪うようなかたちで事細かな指示だけを出すのもよくないことです。どんどん「考えない人」にされてしまいます。…手遅れかもしれませんが。

※鉄道模型は、小学校低学年のうちにカタログと入門セットから始めるものです。中学生になってから車両セットだけをいきなり買い、カタログもリレーラーも持っていないのでは、鉄道模型に入門したとは言えません。

業界を知る

この業界ではどんな言葉を使うのか。どんなジョークは許されて、どんなジョークは許されないのか。習うより慣れろといいます。

県庁所在地の『駅前大学』と「画材屋」

ピンクのうさぎの「駅前留学」は、言わずと知れた『駅前大学』のもじり。県庁所在地には国立大学があり、国立大学があると中古パソコン屋があり、そして画材屋があります。家庭へのパソコンの普及はいまでも県庁所在地に偏っているのではないでしょうか。「ダイヤグラム」は手書きできるということを考えもせず、「A列車といえばOuDia!」「A列車といえばOuDia!」と1つ覚えしてしまう人が出てくる背景には、実は県庁所在地とその他の地域における何らかの格差があるのではないかと思えてきます。

例えばこんなものがあります

そんなヘンテコなものは通販で買うか、100円ショップにあったらラッキー、などと思っている人のほうが多いだろうと思いますが、県庁所在地の国立大学からせいぜい2km圏では駅前に画材屋があって、こうしたものをふらっと行ってすぐに買えるのでした。こうした環境を前提に、いわゆる学習塾以外の「習い事」もさかんです。消耗品を子ども自身が徒歩や自転車で買いに行けるというのは、なんと恵まれたことでしょう

パソコンというものをいわゆる家電量販店で買う時代になる前は、どこでどうやって買っていたでしょうか。NECなどのメーカーに(工場でも営業でもなんでもよいので)勤めている人が「社員価格」で買う(あるいはノルマ未達成の分を自腹で買って親類縁者に配って回る)、農家が農協を通じて買う(個人の買い物ではなく設備投資)、大学生が大学生協を通じて買う(気持ち程度には学割で買える)、ダイエーで山積みされた8万円のコンパックを割賦で買ってマイカーで持ち帰るなど、いろいろなようすがあったようです。これらはあくまで昔話ですが、いまはかえって(私物の)パソコンがなくても生活できるようになり、(私物の)パソコンをどこでどうやって買うのかということが再び、知らない人はまったく知らないという状況に戻っていっているということはないでしょうか。

Windows版の「A列車で行こう9」は、Windows版であることと定価が16,800円もすることによって、客層が非常に限られます。そもそも電車になじみがないと興味すら持たれないはずのものです。そうした要求のほとんどは、実は県庁所在地に生まれてからずっと住んでいれば難なく満たすもの。生まれる前から電車に乗り生まれてからずっと県庁所在地に住んでいるならきっと知っているはずだということを知らない、「ダイヤグラム」は手書きできるということを考えもせず、「A列車といえばOuDia!」「A列車といえばOuDia!」と1つ覚えしてしまう人が出てくるのは不可解なことで、「A列車で行こう9」というゲームに向き合う準備のできていない未熟な態度であるように思います。

※沖縄県を除く。
※客層は限られるが人口の集中を考慮すれば実数は多く効率的にリーチ可能。

小5算数「たろうじかん」とは

いわゆる「たろうじかん」「旅人算」などの呼びかたは指導上の工夫に過ぎないもので、学習指導要領での正式な単元としては小学校5年生に配当された「単位量あたりの大きさ(2)」です。

この「単位量あたりの大きさ(2)」を理解させることに力点を置く公立小学校の正規の授業と、中学受験で頻出の「旅人算」の解法を特訓するばかりの塾とは、完全に対立します。学校に上乗せで塾にも通わせて『うちの子は最強!』と思いこむ保護者がいるのだとは思いますが、塾と学校で違うことを言われた子どもは塾で言われたことばかりを優先してしまいます。それでは中学受験よりあとの学習が散々なものになってしまいます。

実際、A列車で行こうシリーズの動画やブログは、小学生のうちから1人で電車に乗って塾に通って中学受験した(もしかすると合格して私立中学に進んだ)人が作っているのかなと感じさせられることが多くあります。その一つが、小学校の正規の授業での「単位量あたりの大きさ(2)」をきちんと理解しないまま「旅人算」だけを得意になったのかなといったふうに「A列車といえばOuDia!」と、まるで何も考えずにいきなりOuDiaを使ってしまう(そしてうまくいかない)ことなのです。

塾は商売で、親子とも「お客さま」ですから、いくらでも耳障りの良いことを言います。A列車で行こうシリーズの動画やブログを作る人は「叱られ慣れていない」とでも言いましょうか、何か指摘を受けると非常にふてくされたり、いきなり逆上したりするように見えますが、それも塾のせいなのかもしれません。うまくいく方法を教えてもらえてあたりまえ、うまくいかなかったときに自分で考える力が育っていないのでしょう。時間がかかりそうな問題はパスしてしまいます。A列車で行こう9では「P+Bキー押下」で「座標」を表示できるにもかかわらず、「座標」というものをまるで理解していないかのように無視する態度も、中学受験のための塾での無理な先取り学習の副作用として起きていることなのではないかと思います。

少子化は公立学校の質の向上(少人数学級や放送と通信の活用など)の絶好の契機なのに、無償化などと称して公金をかすめ取ってまで有象無象の私立学校が延命されてしまうのは、まったく子どものためにならないと思います。社会をわざと壊してみせてから大げさに直してみせる白々しいマッチポンプなどすべきではありません。学校のプールの蛇口を閉め忘れた話もありましたが、「子ども食堂を子どもが運営」というニュースを美談のように伝えるなど、開いた口が塞がりません。

実は、県庁所在地以外の市町村では公立中学校で給食がないところが多く、食べ盛りの中学生の子どもの弁当を用意する余裕のない家庭ほど、食堂を完備した私立中学に子どもを入れようとする傾向があるそうです。なお、横浜市は県庁所在地でありながら公立中学校の給食がなかった特殊なケースです。特殊とはいえ横浜市の人口は非常に多いので、実数としてはかなりの多数派として「弁当回避のためだけに私立中学に行かせる」という家庭が存在しているわけです。まさにこうした人々がA列車で行こう9・Exp.の潜在的な顧客ではあるというのが泣かせます。

給食といえば、ほとんどの人が「給食当番」を思い浮かべ、給食は教室で食べるものと思っていますが、この方式での給食の新たな実施は許可されず、必ず専用の部屋(ランチルーム)を設置せよということになっているようです。ならば、中学校の体育館やプールの建て替えと一体でランチルームを整備する(避難所も兼ねることにして防災の予算をかすめ取り、授業で使わないときは公共の厚生施設として開放し管理者は民間から公募する!)とか、食堂のある私立中学の建物を市が借り上げて公立中学校にしてしまえ(学校法人は解散して財産としての建物を管理する法人だけ残せばよい!)といった考えもできるのですが、どうも時代はそこまでテンポよくは進んでくれないようです。大人はもっと頭を使わなくてはいけません。


OuDiaは「描画」のソフト

ここでは「ダイヤグラム」と呼ばれる図表の描き方についての注意やコツを中心に見ていこうと思います。ダイヤの中身ではなく、ダイヤグラムというデータ表現について理解するのが目的です。ここで例示するダイヤがかっこいいかどうかは不問とします。また、ダイヤグラムを描くために使う定番のフリーソフト「OuDia」の使い方は説明しません。「OuDia」の作者が用意している説明を読んで、あらかじめばっちり使えるようになっておいてください。紙の時刻表も手元に何冊かある、できれば貨物時刻表もあるという状況にみなさんがあることを期待します。

ダイヤグラムの描画には「OuDia」を使用しましたが、このような運行を考える作業は(概ね)ゲームの中だけで行ないました。ゲーム内でできたものを「OuDia」で清書しただけです。「OuDia」を使うと何か自動でかっこよい運行ができるというものではないのです。(あたりまえですが念のため。)

ダイヤグラムという図の形式は、一覧性の高さ(1度に全体が見えること)こそが利点です。解像度が低いノートPCなどでスクロールしながら「OuDia」を使うのでは、まったく台無しです。そんな残念なことをするくらいなら、どこのご家庭にもある広い机に大きな紙を広げて手書きしようではありませんか。あるいは外付けのフルHDのモニターをなんとしてでも入手(9,990円~)しましょう。ビバ! マルチモニター。

OuDiaとA列車の誤解

  1. 『OuDiaを使いながらダイヤを作成する』 ⇒ 大きな紙に手書きするのには敵いません(OuDiaは市販の時刻表を効率よく入力することに特化したソフト)
  2. 『A列車のダイヤはOuDiaを使わないと作成できない』 ⇒ ゲーム内の機能だけでじゅうぶんできます(ゲームの操作を理解できない言い訳にOuDiaを出してくるのはいけません)
  3. 『OuDiaを使えばA列車で優等ダイヤが組める』 ⇒ OuDiaとは関係なく自分でポイント分岐設定を完遂できないといけません

OuDiaとA列車の誤解には、A列車の誤解OuDiaの誤解、それにOuDiaとA列車の誤解があります。

こちらもお読みください

「A列車で行こう ダイヤ 組み方」とは

A列車というゲームの中でどのようなダイヤを組みたいか自分で考えて自分で決めることです。自分では何も考えず現実のダイヤを『完全再現』しようとして、それがA列車の機能ではできないとわかると、途端にA列車というゲームを見下すようになってしまう人がいるようですが、これは適切な態度でしょうか。そもそもあなたは何がしたいのでしょうか。したいこともないのに無理にしようとする必要などありません。ゲームの動画を無理やり作らされるなど、やりたくもないのにやらされているというのは他人の目にははっきりわかるものです。

実験計画法とダイヤ作成(A列車で理数探究) 鉄道運営を評価する「鉄道スコア」を考える

本物の鉄道には、鉄道以前の技術の集大成として鉄道ができているという面があります。ゲームでも、マップやダイヤを作ることには、プレーヤー自身のそれまでの学習の集大成となる面があります。幼稚園・小学校・中学校・高等学校での学習の集大成として大学入学共通テストに挑む高校生なら問題ないでしょう。A列車のマップやダイヤには、おおげさにいえばプレーヤーの生き方、ひかえめにいってもその人となりが如実に反映されます。給食と昼寝のある認定こども園や保育所に入れられてしまった人には相当の不利がありますので全力で挽回してください

赤色で示した路線

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※筆者は千葉県人なので、やたら詳しく教わった印旛沼手賀沼、そこを渡らないとよそへ行けない江戸川と利根川を大きな存在と感じ、A列車でもそのような地形を無意識に選び取るようすがおわかりいただけるでしょう。千葉の鉄道は県内をぐるぐるするばかりでどこへも行かないことから、まっすぐ遠くまで行く東海道線中央本線には何らかのあこがれがあるわけです。


説明説明
4つの意味がある「始発駅」とは

A列車でダイヤを組むときは、ロボットにでもなったつもりで無心に手を動かします。とはいえ無駄な作業はしません。ポイント分岐設定は、線路を敷いた時点で決まりきった設定というものが自然に決まりますから、これを設定して「全列車に適用」しておきます。ダイヤ設定は車両(編成)ごとに1つずつ設定するのではなく、「発車間隔時間」と「停車時間」を使って、その時刻に実際に発着する車両がどの車両でもよいように設定(いわばワイルドカード化)しておき、「全列車に適用」あるいは必要な数(や種類)の車両(編成)に「コピー」します。「Train」のリストからの「コピー」では駅のダイヤ設定とポイント分岐設定の両方が一度にコピーされます。(折り返しも追い越しもない)途中駅に発車時刻は設定しませんし、ましてや「個別発車」の設定は使いません。これは、設定が面倒だから手抜きするという消極的な意味ではなく、途中駅ではどんな時刻に列車が来ても一定の停車時間で発車もしくは通過するように設定(いわばワイルドカード化)しておくという積極的な意味があります。ダイヤを修正・変更するときは始発駅で「発車間隔時間」を動かすだけでぜんぶ動きます。最初に「全列車に適用」しておいたポイント分岐設定だけでは足りないくらい列車を増やしていくときには、例外的に(英:exceptionally)変則的に(英:anomalistically)ポイント分岐設定を変更した車両(編成)を用意し、設定値を混同しないよう細心の注意を払って追加的に(英:additionally)都合よく(英:conveniently)走らせます。

ゲームの中で自分が行なう操作について、英語の副詞を使って客観的に認識しながら操作を行なっていくことは、英語の学習が佳境を迎えた高校2年生からは、じゅうぶんにできることでしょう。高校の英語科の教員がそのようなことを明示的に教えるわけではありませんが、英語科の教員が英語そして日本語をどのように運用しているのかというメタな部分を観察する余力が生徒に出てくるということです。日本語の母語話者にとって、母語である日本語のまま客観的な認識をするのはかなり難しいことなので、ここは英語を借りると格段に楽です。文系でも理系でも英語ができないと大学入学共通テストを突破できません。大学入学共通テストを突破していない大学生(※3年次編入を含む)をただちに全否定するものではありませんが、鉄道会社『で』ダイヤを作成しているのは英語も数学もできて大学を出た人たちであり、鉄道会社『に』どのようにダイヤを作成させるかを決めているのは国語もできて博士号を取った工学博士たちなのです。この意味では、ダイヤ作成に必要なのは英語そして国語だということができます。…いわないかもしれませんが。

箱ダイヤ

箱ダイヤは、ダイヤグラムの中の1本の線つまり1本の列車の行路(仕業)を抜き出して、1枚の紙に書いたもの。逆に、ダイヤグラムはすべての列車の箱ダイヤを1枚の図面にまとめて描いたものといえます。ここでは説明のためにわざわざ箱ダイヤを書いていますが、ゲームの中の機能だけできちんとダイヤ(運行計画)は組めて列車は走りますので、ゲームを楽しむために箱ダイヤを書かないといけないという関係にはないことを理解してください。「鉄道ダイヤ情報」という非常にマニアックで現場的な雑誌には、甲種輸送などの特別な列車の運行予定が文字だけで延々と書かれています。このような雑誌が商業ベースで成り立つとは、つくづく日本という国は不思議な国です。

運行計画策定の流れ

Googleでは「A列車で行こう ダイヤ 組み方」という検索が多いといいます。この「組み方」という言い方は、どのようなニュアンスやイメージでしょうか。「組む」という言葉は「(野球チームの)打線を組んでみた」「(カードゲームの)デッキを組んでみた」といったことにも使います。「箱ダイヤ」は、まさに野球の打者やカードゲームのカードのイメージです。「箱ダイヤ」というかたちの打者やカードを「組んでみた」という感覚が「ダイヤ 組み方」という言い方のイメージそのものでしょう。このことは「箱ダイヤ」を知ることで初めて理解できるもので、「箱ダイヤ」を知らないままダイヤグラムだけをいくら眺めていても、わかることのないことだとわかります。


説明

(作成:2013年2月14日)


OuDiaは「清書」に使う

ダケジャナイ! OuDia

もっと語ろう自作ダイヤ

ゲーム「A列車で行こう」の中でプレーヤーが作成したダイヤ(自作ダイヤ)は、自分ではよくわかりおもしろく満足ですが、その「みどころ」を他人に伝えるのはなかなか至難の業。いわゆるゼロ年代(2000~2009年)のホームページやウェブ日記(ブログの前身)では、サーバーの容量が小さかったことや家庭までの回線も遅かったことなどから、ゲームのプレーを動画で紹介することは困難でした。そこでプレーヤーたちが考え出したのが「OuDia」で自作ダイヤを描いてネットに載せることでした。もともと「OuDia」の界隈では実在の鉄道路線の「改善ダイヤ」の「私案」といったものを思い思いに描いてネットに載せるという楽しみが広まっていました。社会のことに関心を持ち、社会とつながろうという欲求はわたしたちの誰もが自然に持つものです。

2011年3月11日、東日本大震災が起きるとネットの空気は一変。携帯電話が通じず公衆電話も減り、地デジ(地上波デジタル放送)のせいで「停電時は総合テレビの音声を乾電池のFMラジオで聞く」という方法は使えないと認識されるようになっていっていた中で、パニック的に「ツイッター」が持ち上げられ、「ツイッター」を使いさえすれば情報が得られるという過大な期待が社会に蔓延してしまったように思います。NTTは発災前から綿密な計画を作成しており、東日本大震災でも避難所などに臨時の公衆電話を用意するなど万全の対応を取っていたのに、わたしたちはあろうことか「公衆電話の列に並ぶ」ということが我慢ならず「いますぐ待たずに使えるツイッター」に飛びつくということが起きていたように思います。

もともと「ツイッター」は「SNS」いわゆる「出会い系」のサービスです。「転職」がさかんな「西海岸」のエンジニアたちが作り、そのうち「新卒」の人も職探し(コネづくり)に使うようになりました。その後の「インスタグラム」ほどではありませんが、職探しという目的ゆえ「自分を飾り立てる」投稿が増えていきました。日本では、2009年にもなると大学生の就活ツールの1つという認識になっていたと思います。2011年3月11日に「ツイッター」に飛びついたのは、そもそも「ツイッター」を(も)使って2010年4月に放送局や新聞社に就職したばかりの、あまりにもよちよち歩きの人たちではなかったでしょうか。いまにして思えば、なんてことをしてくれたのだとしか思えません。

「年寄り」が安易に「あとは若い者にまかせて」などと言い放って若手の指導と監督を放棄するようなことは、どうしても起きてしまいがち。東日本大震災での「ツイッター」には、そういう背景があったと思います。「OuDia」の界隈でも、家庭でのパソコンの普及率がピークだった2005年を過ぎると「年寄り」の姿はめっきり減りました。「パソコン通信」や「掲示板」で「新人」が鍛えられるというシステムが崩れ、いきなり「OuDia」というフリーソフトだけが目の前にあるという状態に置かれた子どもが何をするかといえば、社会への関心をまったく持たないかのような「架空鉄道」をでっち上げて、まったく社会とつながろうとせず自分だけで自分勝手に「架空鉄道」を巨大にしていく、そんなことになっていたと思います。

鉄道ライターの杉山淳一氏が執筆(※カナ入力)した公式エキスパートガイドブックでは「OuDia」について「ユーザーが集う掲示板」を参照せよとしていますが、それが可能だったのは2005年ごろまで。2005年にはかろうじて1997年くらいから大人気を博した「最大手」の「レンタル掲示板」がそのまま動いていましたが、その後、ネットからは完全に消えてしまっています。2011年4月13日に刊行された同書は、その6年前の知識で書かれていたのでした。いまや「ユーザーが集う掲示板」で「OuDia」について「年寄り」から厳しく指導してもらうことは、かなわないのです。同じことはこれからも起きるでしょう。いまある「攻略ウィキ」も、いずれは消え去るのです。

それでも、誰からも何の指導も監督も受けられない状況に追いやられた子どもであってなお、誰しも社会のことに関心を持ち、社会とつながろうという欲求は必ずあるもの。ゲーム「A列車で行こう」のプレー動画でも「架空鉄道」でも、ニュースで聞いた言葉を不謹慎なまでに脈絡なく混ぜたものや、同じ「タグ」をつけることで仲間意識を持とうとするようすなどが見られます。わたしたち「大人」は何をすべきでしょうか。そもそも「わたしたち」は「大人」なのでしょうか。少なくとも「架空鉄道」(※「地図」「路線図」を含む)に没頭する子どもを面白半分でからかい気味に紹介するテレビ番組など放送してはいけないと思います。

※ほめ称えるならよいということではなく取り上げること自体が適切でない。

1995年1月17日、発災直後は何もわからなかったのです。まだGPSがついていなかったテレビ局の空撮のヘリは、地上の目印が(崩れたり焼けたりして)何もなく「どこを飛んでいるのかわからない」状態に陥ったといいます。「震度の情報が入っていない」地点があるというニュースを聞くと、高速道路が倒壊しているのではと思うようになっています。新作の浪曲「震災カメラマン」では「カメラが3台でサンテレビ」だの「ムーミン」だのといいますが、まさにその段階では何もわかっていないので、そういう「震災カメラマン」になるわけです。これ以来、消防車などの緊急車両の屋根や学校の屋上などに大きく文字で情報(車両の識別番号や学校名)を描いておくことになりました。

ゲーム「A列車で行こう」の自作ダイヤも、まさにプレーの最中には手に取るようにわかるものですが、時間が経つと自分でもわからなくなります。下の図はゲーム画面だけを見てマップをつくり、ゲーム画面だけを見て列車を走らせていった結果を、あとから「OuDia」でダイヤグラムに起こしたもの。このあとも何かいろいろ変えて、もはやこのダイヤグラムの通りには走っていないと思います。

このダイヤグラムの下のほうが、なぜそんなスジになっているのかというと、稲毛駅の快速ホームを通過する回送列車をずっとうらめしく見てきたからだと思います。夢に出てきそうなほど見続けたものが「A列車で行こう9」の中でも無意識のうちに『再現』されてきてしまうものだと思いますし、それでこそ『再現』だとも感じます。「A列車で行こう9」のゲーム画面に向かって小手先で『再現』してやろうと思って容易にできてくるようなものは、きっとたいしたものではないのです。「A列車で行こう9」の中で『再現』と呼べるものができるまでには、本物のそれ夢に出てきそうなほど見続ける非常に長い期間が必要なのです。うら若い中高生(ひいては小学生)のみなさんには、あまり「A列車で行こう9」にハマりすぎないで、本物のそれを少しでも多く見ることに時間を使ってほしいと思います。20歳までに見たものは本当によく覚えているもの。趣味から離れても『熟成』が進みます。27歳以上になってからが趣味として本物ではありませんか。小中学生が本物を見ないで『架空鉄道』に没頭してしまうのは本当に感心しません。本物はよくできています。本物をしっかり見る目を養うことが最優先です。ずっとうらめしく見てきた回送列車ですが、これにはちゃんとした理由があります。

市進学院京葉学院

ダイヤグラムという図面として美しい(『幾何学的に美しい』)とか精緻な感じがするといったことを、ゲーム画面を見ずに「OuDia」の画面上だけで追求してしまうのでは本末転倒です。ゲーム画面で列車がそれっぽくかっこよく走り、なおかつオンザライスゲームも進む(「自動発展」がきちんと進み、きちんとした乗客数があり、列車が黒字になる)というのが大前提です。どんなに“すばらしい”ダイヤグラムが描けても実際に運行できないのではだめ。『絵に描いた餅』にならないようにしようではありませんか。

「ダイヤホール」とは

「A列車とOuDia」7つの約束

  1. 「OuDia」を「考える道具」として使いましょう(現状を可視化して問題点を抽出・考察するのに使いましょう=ダイヤグラムを描くより前にダイヤは完成しているようにしましょう)
  2. 「考える道具」として使うのに「OuDia」がベストなのかはよく考えましょう(図形として移動や拡大縮小それに反転や回転ができるドロー系のグラフィックソフトやExcel・PowerPointも使えます=「OuDia」でなければだめとは思いこまないように)
  3. いろいろな道具を使うのはよいですが、紙と鉛筆(黒板とチョークまたは地面と木の枝)という最低限の道具でも同じことができる技量を獲得・維持しましょう(道具のせいにしない・道具の自慢をしない)
  4. 実際に運行されている列車や駅場面を見るだけで頭の中にダイヤグラムが浮かぶようになりましょう(1日分ぜんぶという意味ではありません
  5. ダイヤグラムを見るだけで実際の施設や列車が思い浮かぶようにしておきましょう(地図や地形図を見て風景が思い浮かぶのと同じことがダイヤグラムという図面でもできるようになっておきましょう)
  6. 白紙の状態の「OuDia」を開いて始発(初電)から線を引き始めるのはだめです(データイムのパターンダイヤ、あるいは最混雑時間帯のダイヤを先に作成しましょう)
  7. ゲーム内で貨物列車を運行するのであれば(貨物列車は使わずにトラックだけでもゲームを進めることはできますが)貨物線として別線にするばかりでなく旅客列車と同じ線路での運行にチャレンジしてみましょう(回送列車と貨物列車も入力しましょう)

こちらもお読みください

理数探究基礎とOuDia

このサイトのテーマは「A列車で理数探究」ですが、ダイヤグラムに関して本格的なこと(数理最適化など)をするのはすごく難しいです。ただ、理数探究基礎で学ぶ基本的なことがらは、「OuDia」を使おうとするときにも通用するものです。考察の段階に進んでから実験をやり直してはいけません(※実験データの改ざんにあたります)。実験より前に仮説が必要です。このことを「OuDia」を使う場面に即して言い換えれば、「OuDia」でダイヤグラムを描きながらダイヤを作成しないこと(「OuDia」は「考察」のために使う)、このゲームならではの「自動発展」は理科の実験のような意味合いで観察することができるので、「自動発展」なすがままというのでなく仮説を立てましょう(開発の段取りや目標を決めましょう)といったことになるでしょう。箱ダイヤという形式でいろいろなことを考えながら過程を記録に残すのは、野帳(実験ノート)と同様のはたらきといえます。ゲームの動画はポスター(や口頭発表)と同じで、動画そのものが成果物になるわけではありません。動画とは別に、主論文に相当する文章での詳しい説明が必要です。まさに理科室でするだけが理数探究なのではありません。実際には実験をせずにポスターや口頭発表をでっちあげることは絶対に許されません。文章による詳しい説明がないまま動画や「OuDia」で描いたダイヤグラムだけが妙に立派なのでは、そのような疑いを持たれると思ってください。自作のダイヤについて自分の言葉で説明を尽くしてください


[ ダイヤ設定のヒントとテクニック ]


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