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ゲームで追体験する鉄道工学と鉄道史:自然な成り立ちの路線網をつくろう。(初版公開:2020年4月24日、最終更新:2023年12月1日)
[ 列車と路線(ルート) | 列車の運行制御(コントロール) ]
このページでは、ゲームのマップに路線網をつくり、そこに走らせる列車を決めるために必要な考え方を説明しています。ゲームでの「ダイヤ設定」に必要な考え方については「列車の運行制御(コントロール)」をご覧ください。
路線の考え方 | 列車の考え方 |
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鉄道が新しく通るルート(起点、終点と、その間の経由地)が決定し、線路の道のり(キロ程)がほぼ確定してから考えるのが「路線」(施設)である。用地取得や橋やトンネルの建設などは、すでにクリアされているものとする。どのような運行計画(ダイヤ)にしたいのかを踏まえて、沿線の最適な地点に駅を配置し、駅の規模や配線を決める工程である。
※「経由地を決める」ことと「中間駅の数と位置を確定する」ことは別のことである。前者は公共交通の公平性の担保としての国と都道府県による計画の決定や認可、後者は受益者負担の原則による鉄道事業者と市町村の間の協定である。このページでいう「路線(施設)」とは、これらを見通して最初から最後まで責任を持つ鉄道事業者の実務者のレベルを念頭にしたものである。実務者に決定権はなく、個人的な意見や希望を差し挟むことも許されない。だからといって何もかも指示通り(注文通り)にするだけかといえばそうではなく、最終的に安定輸送を実現できるようにする責任があり、どんな気まぐれな横やりが入ろうとも粛々と技術的に対応するものである。比ゆ的にいえば「職人」である。
路線マイスターレベル | どんな路線? | |
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キロ程と駅の数 | 中間駅の数と役割 | |
Lv.1 |
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Lv.2 『1/2』でつくる |
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Lv.3 『1/3』でつくる |
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Lv.4 『1/4』でつくる |
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Lv.5 『1/5』でつくる |
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『路線マイスターレベル』を使って路線の成り立ちと中間駅の役割を理解しよう。起点からの距離(営業キロ)や着工と完成の年代も調べてみよう。それらの理由を地形(山岳や地質など)と地勢(土地利用や都市計画)の両面から説明してみよう。
実際の路線は複合的にできている。1つの会社の全線や1つの運行系統の全部ということに固執せず、路線の考え方を学ぶために着目する区間はじぶんで決めよう。
「環状線」を特別視しないこと。法的な線路の区分や名称などに固執しないこと。わたしたちの目的は環状線の成り立ちを理解することであり、雑学王決定戦の類で敵を負かすことではない。
建設の端緒になった区間や、列車の運行を支えるコアとなっている区間に着目すれば、実質的な起点と終点を考えることができる。列車の運行を「起点より手前」と「終点より先」に延長して「環状運行」にしたものが「環状線」である。
※鉄道網は電報・電信・データ通信・鉄道電話・光ファイバーのルートにもなる。発電所を持ち電灯と電車の会社として発足した私鉄も多い。
どんな列車? | ゲームでの使い方 | ||
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ゲームでの「列車タイプ」 ※ゲーム画面では英語で表記 |
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長距離を高速で ~いわゆる列車~ | |||
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中距離を着席型で ~遜色なし~ | |||
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近距離で定員を多く ~いわゆる電車~ | |||
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└→ |
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【読み方】Super Express:スーぱぇく(す)ぷれっ(す)/Passenger:パーせんじゃ(ーっ)/High Speed Commuter:ハ~ぃすぴー(ど)っクゥオみゅ~たぁ/Underground:アンダャぐら~ん(ど)(※太字カタカナを強く発音、下線部は1音、括弧は子音のみ発音。ただしカタカナで覚えたり読み上げたりしないこと)
※列車の「愛称」はスポンサーシップや補助金を示唆するものである。花火大会や空港アクセス列車など。
※つり革があれば「電車」である。
※「地下鉄」は、建設主体が自治体であるものを指す。
※営団地下鉄の新線の一部には国鉄のバイパス線という性格がある。
物心もつかないうちから東京近郊に暮らす者としては、何も考えずに「通勤型」の10両編成をじゃんじゃん配置してしまうが、ちょっと待ってほしい。1列車でおよそ3000人も乗車させてしまう「通勤型」の10両編成は、このゲームの中ではよほど熟慮の上で使わないといけない。マップ内の各駅での単位時間あたり「乗客発生」の最大は6553人くらいと見受けられる。どんなに駅周辺を発展させても、その駅から乗車する客の数が実数で増えるわけではないようだ。しかも、「乗客発生」が6553人くらいという最大に達するのは特定の時間帯の一瞬だけで、ほとんどの時間帯には最大までは達しない。このメカニズムの是非はともかくとして、マップ内の駅から乗車させる場合、1列車でおよそ3000人も乗車させてしまう「通勤型」の10両編成が必要になる場面はほとんどないと思ってよい。それでも1列車でおよそ3000人も乗車させてしまう「通勤型」の10両編成があるのはなぜか。マップの「人口」が非常に多くなったときに「隣町」から乗車させて戻ってこさせるために使うのだ。マップ内の駅からの乗車が少なくても「隣町」からは非常に多くの乗車がある。マップ内の駅だけで考えるのでなく「隣町」を忘れないようにしよう。武蔵野線は武蔵野市を通らず、山手線の乗客の大多数は、山手線の沿線には住んでいない。
物心もつかないうちから近畿地方の私鉄沿線に暮らす者としては、「JR」といえば「大阪環状線」であり、「大阪環状線」のことを単に「環状線」と呼んだり案内図などで『JR環状線』と表記されているのを目にすることも多いが、ちょっと待ってほしい。大阪以外の地域では「環状線」という言葉に「大阪環状線」を指す固有名詞としての働きはない。わざわざ「環状線」と言ったり表記したりするのは、お役所の文書や鉄道業界の技報で路線のトポロジーについて幾何学的に述べる文脈に限られる。これは大阪以外の地域では誰も不思議には思わない常識である。何の断りもなく「環状線」と書いてあれば、それは路線のトポロジーについて幾何学的に述べているのだという理解をしなくてはいけない。「環状線」には武蔵野線・南武線・横浜線と愛知環状鉄道それに大阪の「おおさか東線」を含むのだ。大阪以外の者が「環状線」という言葉を使ったとき、それは決してよそ者のくせに馴れ馴れしく「大阪環状線」を呼び捨てにしているというわけではないのだ。
物心もつかないうちから路面電車を指で指さして「電車」と呼んできた者としては、頭ではわかっていても「電車」という言葉からは真っ先に地元の路面電車を思い浮かべるだろうし、そのこと自体はかけがえのないことで大切なことではあるのだが、ちょっと待ってほしい。路面電車が走っている都市は非常に限定的だ。全国の多くの人にとって路面電車はよくわからないもので、あるいは4両編成の江ノ電を路面電車だと思っていたりすることに注意してほしい。では、物心もつかないうちから路面電車を指で指さして「電車」と呼んできた者が路面電車の特徴を的確に説明できるかというと、それもまた難しい。路面電車は大きな川や急な坂を克服するために、自動車交通が発達するより前の時代に導入された交通機関である。同じことが実現できるなら路面電車でなくてもよい。東京の地下鉄の一部には、路面電車のルートを踏襲したものがある。ほとんどの地下鉄は地上の在来線と直通運転できるよう大型化したが、リニアモーターを使用したミニ地下鉄は、地下鉄ではあるが路面電車に近い感覚を取り戻した交通機関であるともいえる。
就職するまで東京・大阪で暮らしたことがなかった者としては、東京・大阪の圧倒的な電車に圧倒される(「これはすごい」と「いやでしかたない」の両極端に大きく振れた感想を抱きがち)だろうが、ちょっと待ってほしい。電車という交通機関には、路面電車が大きくなったものと、汽車が電化されたものとがある。これはおおむね私鉄とJRの違いや、JRの国電(「E電」や「アーバンネットワーク」)とそれ以外との違いと対応する。そのような区別を何もしないまま「電車」という言葉だけで片づけてしまうことには躊躇してもらいたい。物心もつかないうちから東京・大阪で電車を利用してきた者としては、電車というものを特にどうとも思っていないもの。また、あくまでじぶんが利用する路線しか知らないということもある。東京・大阪の電車の全体像を見るから圧倒されるだけのことで、1つ1つの路線を見ていけば、そこにはちゃんと地に足の着いた鉄道の光景があるものだ。むやみに東京・大阪の電車の規模などの大きさばかりを強調する言われかたをすると、東京・大阪で電車を利用してきた者としては頭ごなしの雑で乱暴な話(興味も愛着もないくせに勝手なことを言ってる)という印象を受け、端的にいえばハルヒ球場問題むっとする。
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