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ゲームで追体験する鉄道工学と鉄道史:自然な成り立ちの路線網をつくろう。(初版公開:2020年4月24日、最終更新:2024年5月28日)


[ 列車と路線(ルート) | 列車の運行制御(コントロール) ]

列車と路線(ルート)

(おいっちにー

このページでは、ゲームのマップに路線網をつくり、そこに走らせる列車を決めるために必要な考え方を説明しています。ゲームでの「ダイヤ設定」に必要な考え方については「列車の運行制御(コントロール)」をご覧ください。

路線の考え方 列車の考え方
地下鉄の考え方
Keywords
A列車で行こう9, 特急, 自動発展

路線の考え方

鉄道が新しく通るルート(起点、終点と、その間の経由地)が決定し、線路の道のり(キロ程)がほぼ確定してから考えるのが「路線」(施設)である。用地取得や橋やトンネルの建設などは、すでにクリアされているものとする。どのような運行計画(ダイヤ)にしたいのかを踏まえて、沿線の最適な地点に駅を配置し、駅の規模や配線を決める工程である。

※「経由地を決める」ことと「中間駅の数と位置を確定する」ことは別のことである。前者は公共交通の公平性の担保としての国と都道府県による計画の決定や認可、後者は受益者負担の原則による鉄道事業者と市町村の間の協定である。このページでいう「路線(施設)」とは、これらを見通して最初から最後まで責任を持つ鉄道事業者(建設主体)の実務者のレベルを念頭にしたものである。実務者に決定権はなく、個人的な意見や希望を差し挟むことも許されない。だからといって何もかも指示通り(注文通り)にするだけかといえばそうではなく、最終的に安定輸送を実現できるようにする責任があり、どんな気まぐれな横やりが入ろうとも粛々と技術的に対応するものである。比ゆ的にいえば「職人」である。

『路線マイスターレベル』

路線マイスターレベル どんな路線?
キロ程と駅の数 中間駅の数と役割
Lv.1
  • 工場の専用線など(短い)
  • 各駅停車のみの路線
  1. 「0」(起点)
  2. 「1」(終点)
  • 「中間駅」なし
    ※ポイントのない「停留所」はあってよい
Lv.2 『1/2』でつくる
  • 非常に長い路線でもよい
  • 普通列車が折返し
    特急・貨物列車が直通
  1. 「0」
  2. 「1/2」
  3. 「1」
  • 「中間駅」が1つ
    • 単線の「行き違い施設」
    • 2路線の直通など
    • 県境など
Lv.3 『1/3』でつくる
  • 「1/3」で追い越し、
    「2/3」から先は各駅停車
  • 路線の中間に車庫があり
    始終着(折返し)
  • 「2/3」で折返し
    (運転本数に差がある)
  1. 「0」
  2. 「1/3」
  3. 「2/3」
  4. 「1」
  • 「中間駅」が2つ
Lv.4 『1/4』でつくる
  • 快速運転する通勤路線
    (追い越しあり)
  • 車庫が郊外にある
    (都心から遠い)
  1. 「0」
  2. 「1/4」
  3. 「1/2」
  4. 「3/4」
  5. 「1」
  • 「路線の中間地点に拠点駅」が1つ
    • そのまた中間に
      「中間駅」が1つずつ
Lv.5 『1/5』でつくる
  • 下町を通り抜け、
    「3/5」に大きな団地あり
  • 「4/5」で追い越す特急あり
  1. 「0」
  2. 「1/5」
  3. 「2/5」
  4. 「3/5」
  5. 「4/5」
  6. 「1」
  • 「路線の中間の拠点駅」1つが
    「中間地点ではない」位置にある

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路線の考え方がわかりやすい路線

『路線マイスターレベル』を使って路線の成り立ちと中間駅の役割を理解しよう。起点からの距離(営業キロ)や着工と完成の年代も調べてみよう。それらの理由を地形(山岳や地質など)と地勢(土地利用や都市計画)の両面から説明してみよう。


実際の路線は複合的にできている。1つの会社の全線や1つの運行系統の全部ということに固執せず、路線の考え方を学ぶために着目する区間はじぶんで決めよう。

環状線の考え方

環状線」を特別視しないこと。法的な線路の区分や名称などに固執しないこと。わたしたちの目的は環状線の成り立ちを理解することであり、雑学王決定戦の類で敵を負かすことではない。

建設の端緒になった区間や、列車の運行を支えるコアとなっている区間に着目すれば、実質的な起点と終点を考えることができる。列車の運行を「起点より手前」と「終点より先」に延長して「環状運行」にしたものが「環状線」である。

環状線での快速運転

路線網(ネットワーク)の考え方

  1. 路線の成り立ちを理解しよう
  2. 路線の成り立ちを再現しよう
  3. 自然な成り立ちの路線網をつくろう

※鉄道網は電報・電信・データ通信・鉄道電話・光ファイバーのルートにもなる。発電所を持ち電灯と電車の会社として発足した私鉄も多い。


路線網構築上の制約条件についてはこちら


ほかの人のマップを見てみよう

見立てはかどるランダム地名

地形の特徴・地形の複雑度


列車の考え方

「列車タイプ」という概念

「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)では、ゲーム独自の概念として「列車タイプ」というものが登場します。ゲームの中で走らせる列車は1つの「列車タイプ」に属し、「列車タイプ」ごとに定められている「最大乗車率」「運賃収入の係数」が適用されます。「連結」した列車については、「連結」する前の列車ごとに「列車タイプ」に応じた挙動をします。「カスタム」で作成した列車については、先頭車両の「列車タイプ」が編成中の全車両に適用されます。

ゲーム画面の「Train」リストでは「列車タイプ」が英語で表示されます。小学生や中学生の人は、英語で表示されているものは目に入らず完全に無視してしまいますが、このサイトが想定する読者(高校生以上)のあなたは英語で表示されているものをきちんと読むべきです。このことは、英語圏のゲームが多いPS4のプレーヤーでは心配ないでしょう。英語は飾りではありません。英語で書かれていることも情報として受け取る必要があります。日本語化されているゲームでも翻訳が中途半端なものはたくさんあります。結局は英語を読んだほうが早かったり正確だったりすることをPS4のプレーヤーならよく知っているはずです。ソ○ーはだてにグローバルではありません。

「Train」リストの「Train」という単語を、即物的なイメージではなく抽象的な概念として理解しましょう。「Train」は「車両」という意味ではありません。「列車」は「車両」と同義ではありません。どのような運賃や速度でどのようなサービスを提供するのかという抽象的なことを「列車」という言葉で表わします。ただ、日本語でいう「列車」を「Train」に直訳してしまうと、「列車」という言葉が持っていた抽象的な部分がそぎ落とされて、『機関車に引きずられた車列』という即物的なイメージしか表現できなくなってしまいます。専門的な翻訳では「列車」を「輸送サービス」と言い換えてから英訳するかもしれません。

ゲームの「列車タイプ」は、日本語でいう「タイプ」(類型)という言葉のせいで、てんでばらばらの特性いわゆる『個性』だと誤解されるかもしれません。しかし、「A列車で行こう9」の「列車タイプ」は、そんなにふわふわしたものではありません。「最大乗車率」「運賃収入の係数」という数字が厳密に変わりますし、これらの数字がはっきり大きな差をつけられて「列車タイプ」に与えられています。「列車タイプ」は「輸送サービスの水準」の「低い(低廉で日常的)」から「高い(高級で非日常的)」まで、数直線の上にリニアに整列して並んだ状態をイメージしていただくのが正確でしょう。これは数字の話です。旅行気分や風情といった話ではないのです。高速な列車を実現するには割高なコストがかかるものです。リニアにはシートベルトがほしいですね。

A列車で行こう9・Exp.の運賃計算は
「二次関数」と「小数の指数」で理解する

「最大乗車率」は見ての通りの数字なのでわかりやすいですが、「運賃収入の係数」は直接には表示されないので、かなりわかりにくいと思います。公式ガイドブックに「基本運賃」が掲載されていますが、これとは別です。「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)の「列車」は、発駅と着駅の直線距離に比例して運賃収入が増減しますが、この比例の式に累乗の指数を乗せる(要するに二次関数)ものです。中学校の数学で習う範囲では「2乗」止まりですが、ここを「0.3乗」だの「1.1乗」だのといったことにするのが「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)の「列車タイプ」であり、運賃収入の計算式なのです。こういうことになっているので本作は高校生以上でないと意味がわからないゲームだと思います。

※もしかするともっと複雑な実装分布関数あるいは場合分け)になっているかもしれませんが、そこまでは突き止めきれていません。

(ごはんたかなきゃ)

実車の知識に惑わされず
ゲームではゲームのルールでゲームせよ

本作の公式ガイドブックでは歴史的に『ドル箱路線』という表現が使われてきましたが、ゲームの中で本当に『ドル箱路線』になるようにするには「列車タイプ」と「発駅から着駅までの距離」をよく計画して使うことが必要です。『ドル箱路線』という言葉のイメージだけで、例えば山手線の車両を満員で走らせさえすればゲーム内で可能な最大の利益をたたき出せる(≒このゲームは簡単すぎる)などと思ってはいけません。同様に、現実の東急線はかなりの『ドル箱路線』だと思いますが、本作に登場する東急線の車両乗り入れてくる地下鉄の車両を使っても、このゲームの中では『ドル箱路線』にはなってくれないことに注意しましょう。

※『ドル箱路線』という表現は、設備投資や安全対策などの不備を指摘したり、行き過ぎた利益追求に走る経営陣を非難するときに使うもの。よいイメージはありません。
※昔の東急線には「安かろう」「ごみごみした」「なりふり構わない」というイメージが強く、間違っても『おしゃれ』なイメージはありませんでした。

さて、いまここで「列車タイプ」という概念について説明する文章を読んでもなお、「要するに特急だろ」「速ければ速いほど儲かるんだろ?」と早合点してしまう人がいます。「カスタム」を使えば、どの車両も速度を引き上げることができます。速度さえ上げれば特急だといわんばかり。「特に急ぐ」と書いて『特急』。もうおわかりですね。言葉のイメージだけで考えてはだめ。このゲームの中で意味のある「特急」とは、「列車タイプ」の「特急列車」を使うこと。逆にいえば「列車タイプ」の「特急列車」の速度を下げて使っても、運賃収入の計算上の優位性はまったく揺らぎません。遅くても「特急列車」は儲かります。逆のことを試してみながら理解するとよく理解できる人もいます。なんとなくわかるだけで終わらせず、明示的に逆のことを考えてみてください。

(むしゃぶるい)

ここまで「特急」の話ばかりになりましたが、そうするとこんどは「列車タイプ」の「特急列車」さえ使えば今朝も絶好調『最強』といわんばかり。自分が気に入った特急の車両1つをあとさき考えずすべての場面で使う人が出てきそうです。「列車タイプ」の「特急列車」にも車種はいろいろあり、「列車タイプ」にも「特急列車」より上位の「超特急」と下位の「急行列車」があります。

あくまで「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)の中で与えられているパラメータとしての話になりますが、旧型の特急列車や定員が少ない特急列車では思ったように運賃収入を上げられないこともあります。この場合、「列車タイプ」としては下位になる「急行列車」には定員の多い車両もありますし、そもそも「最大乗車率」も「特急列車」より高く設定されていますので有利な場合があります。あるいはどうにもこうにも乗客数が少ないときはむしろ「列車タイプ」の「超特急」にしたほうがよいかもしれません。ゲームの中の「列車タイプ」や、そこに属する種々の車両は、どれか1つを『最強』と決めつけてそれだけを使うというのではなく、適材適所で使っていくためにあるのです。まだ使ったことのない車種があれば、ぜひ試しに使ってみてください。


ゲームに用意された「列車タイプ」を使いこなせ

どんな列車? ゲームでの使い方
ゲームでの「列車タイプ」
※ゲーム画面では英語で表記
  長距離を高速で ~いわゆる列車~
└→
  • 最大乗車率が低い着席型列車は
    編成両数を長くしよう
  • 長距離の列車は高速運転しよう
└→
  • Passenger(旅客列車)
  中距離を着席型で ~遜色なし~
  • 資産税が高くつく新型車両
  • 収支を見て慎重に決めよう
└→
  • High Speed Commuter
    (高速通勤型)
  近距離で定員を多く ~いわゆる電車~
  • 大混雑に耐える「電車」で
    各駅の乗客を運びきろう
  • 資産税が低く抑えられる
    旧型車両を活用しよう
└→

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【読み方】Super Express:スーぱぇく(す)ぷれっ(す)/Passenger:パーせんじゃ(ーっ)/High Speed Commuter:~ぃすぴー(ど)っクゥオみゅ~たぁ/Underground:アンダャぐら~ん(ど)(※太字カタカナを強く発音、下線部は1音、括弧は子音のみ発音。ただしカタカナで覚えたり読み上げたりしないこと)

※列車の「愛称」はスポンサーシップや補助金を示唆するものである。花火大会空港アクセス列車など。
※つり革があれば「電車」である。
※「地下鉄」は、建設主体が自治体であるものを指す。
※営団地下鉄の新線の一部には国鉄のバイパス線という性格がある。

速度より距離を先に考えよ



考えた通りの乗客数や収支にならなかったとき

広域(都市間)の輸送を先に考えよ

実感を持とう

東京人の盲点

物心もつかないうちから東京近郊に暮らす者としては、何も考えずに「通勤型」の10両編成をじゃんじゃん配置してしまうが、ちょっと待ってほしい。1列車でおよそ3000人も乗車させてしまう「通勤型」の10両編成は、このゲームの中ではよほど熟慮の上で使わないといけない。マップ内の各駅での単位時間あたり「乗客発生」の最大は6553人くらいと見受けられる。どんなに駅周辺を発展させても、その駅から乗車する客の数が実数で増えるわけではないようだ。しかも、「乗客発生」が6553人くらいという最大に達するのは特定の時間帯の一瞬だけで、ほとんどの時間帯には最大までは達しない。このメカニズムの是非はともかくとして、マップ内の駅から乗車させる場合、1列車でおよそ3000人も乗車させてしまう「通勤型」の10両編成が必要になる場面はほとんどないと思ってよい。それでも1列車でおよそ3000人も乗車させてしまう「通勤型」の10両編成があるのはなぜか。マップの「人口」が非常に多くなったときに「隣町」から乗車させて戻ってこさせるために使うのだ。マップ内の駅からの乗車が少なくても「隣町」からは非常に多くの乗車がある。マップ内の駅だけで考えるのでなく「隣町」を忘れないようにしよう。武蔵野線は武蔵野市を通らず山手線の乗客の大多数は、山手線の沿線には住んでいない

大阪人の盲点

物心もつかないうちから近畿地方の私鉄沿線に暮らす者としては、「JR」といえば「大阪環状線」であり、「大阪環状線」のことを単に「環状線」と呼んだり案内図などで『JR環状線』と表記されているのを目にすることも多いが、ちょっと待ってほしい。大阪以外の地域では「環状線」という言葉に「大阪環状線」を指す固有名詞としての働きはない。わざわざ「環状線」と言ったり表記したりするのは、お役所の文書や鉄道業界の技報で路線のトポロジーについて幾何学的に述べる文脈に限られる。これは大阪以外の地域では誰も不思議には思わない常識である。何の断りもなく「環状線」と書いてあれば、それは路線のトポロジーについて幾何学的に述べているのだという理解をしなくてはいけない。「環状線」には武蔵野線・南武線・横浜線と愛知環状鉄道それに大阪の「おおさか東線」を含むのだ大阪以外の者が「環状線」という言葉を使ったとき、それは決してよそ者のくせに馴れ馴れしく「大阪環状線」を呼び捨てにしているというわけではないのだ。

路面電車のある地方都市で育った人の盲点

物心もつかないうちから路面電車を指で指さして「電車」と呼んできた者としては、頭ではわかっていても「電車」という言葉からは真っ先に地元の路面電車を思い浮かべるだろうし、そのこと自体はかけがえのないことで大切なことではあるのだが、ちょっと待ってほしい。路面電車が走っている都市は非常に限定的だ。全国の多くの人にとって路面電車はよくわからないもので、あるいは4両編成の江ノ電を路面電車だと思っていたりすることに注意してほしい。では、物心もつかないうちから路面電車を指で指さして「電車」と呼んできた者が路面電車の特徴を的確に説明できるかというと、それもまた難しい。路面電車は大きな川急な坂を克服するために、自動車交通が発達するより前の時代に導入された交通機関である。同じことが実現できるなら路面電車でなくてもよい。東京の地下鉄の一部には、路面電車のルートを踏襲したものがある。ほとんどの地下鉄は地上の在来線と直通運転できるよう大型化したが、リニアモーターを使用したミニ地下鉄は、地下鉄ではあるが路面電車に近い感覚を取り戻した交通機関であるともいえる。

東京・大阪以外の地域で学生時代を過ごした人の盲点

就職するまで東京・大阪で暮らしたことがなかった者としては、東京・大阪の圧倒的な電車に圧倒される(「これはすごい」と「いやでしかたない」の両極端に大きく振れた感想を抱きがち)だろうが、ちょっと待ってほしい。電車という交通機関には、路面電車が大きくなったものと、汽車が電化されたものとがある。これはおおむね私鉄とJRの違いや、JRの国電「E電」や「アーバンネットワーク」)とそれ以外との違いと対応する。そのような区別を何もしないまま「電車」という言葉だけで片づけてしまうことには躊躇してもらいたい。物心もつかないうちから東京・大阪で電車を利用してきた者としては、電車というものを特にどうとも思っていないもの。また、あくまでじぶんが利用する路線しか知らないということもある。東京・大阪の電車の全体像を見るから圧倒されるだけのことで、1つ1つの路線を見ていけば、そこにはちゃんと地に足の着いた鉄道の光景があるものだ。むやみに東京・大阪の電車の規模などの大きさばかりを強調する言われかたをすると、東京・大阪で電車を利用してきた者としては頭ごなしの雑で乱暴な話(興味も愛着もないくせに勝手なことを言ってる)という印象を受け、端的にいえばハルヒ球場問題むっとする。


地下鉄の考え方

地下鉄については、ここまでに述べた「路線の考え方」と「列車の考え方」を組み合わせた複合的で応用的なものととらえてほしい。

「路線の考え方」としては、すでに地上の土地が開発されつくされ新しい線路は地下に通すしかない都心部で、既存の鉄道へのアクセスを向上することが目的となる。新たな用地取得の必要がない道路の地下を活用したり、新たな道路を建設する際に同時に地下鉄(もしくはモノレールや新交通システム)を整備するといった手法がある。既存の路面電車を地下化した路線もある。また、この文脈でいう「地下鉄」とは、整備(建設・費用負担)のスキームを言うものであるので、地上や高架の区間があっても「地下鉄」である。民間が主体のものとしては神戸高速鉄道の事例があり、防空壕を兼ねたものとしては京成上野駅などの事例がある。地方都市での例としては水戸京成百貨店とその周辺の地下駐車場や長野電鉄の地下化と地下で直結するながの東急百貨店が挙げられる。公営の地下鉄では車庫を地下に建設し、その地上部を公営アパートや公園とした事例も多い。なお、地下鉄には換気塔も必要となる。これも公園の一角を利用して設置したり、庁舎の建物と一体化したりする例がある。変電所の設置間隔も在来線と変わらない。単に線路を通せるというだけでなく、そのような施設のための地上の用地を確保できる場所を点々とたどるようなルートになっていく。

「列車の考え方」としては、ある路線の地上(高架)区間と地下区間とで事業(営業・運行・駅の設置)のスキームが異なることから、運行の有り方に違いが出るということがある。地上区間では快速運転を行なうが地下区間ではすべて各駅停車になる路線も多い。取得可能な用地が非常に限られたところに造られる地下駅ではホームなどが狭くならざるを得ず、人流をさばくために各駅停車のみにせざるを得ないことがある。避難誘導のために全列車が必ずホームに入れることを保証しようとすれば地上区間よりも運転間隔が開かざるを得ないことも各駅停車のみにする理由の1つである。なお、詳細は割愛するが消防としては500メートルという距離を基準にして地下駅の防災を考えるようである。


すべての地下鉄は公的な審議会等の答申を経て公的な決定により建設される。実地の事業者は分かれているが、事業者の違いは本質的なものではない。地下鉄について述べるときは事業者名は記さずに路線名だけを記す慣行がある。また、計画中や建設中の路線については、東京の何号線といった呼び方をする。逆に、地下鉄という方式になるかも含め、まだ答申や決定に至っていないものについては、請願や働きかけなどの運動を行なう地元の期成同盟などが、運動の目的がよくわかるよう自主的に定めた「エイトライナー」「メトロセブン」といった愛称を用いる。これはあくまで運動のスローガンに過ぎないので、この愛称のままで実際に開業するとは思わないほうがよい。開業後の運行事業者は、列車無線の割り当てや関係する路線バスの営業エリアなどを勘案して決定される(ようである)。また、インフラ部分は完全に公共事業であるため、開業後の路線名に事業者の宣伝のような名称(自社の住宅地やレジャー施設の名称など)はつけられない。相鉄・東急直通線の路線名も「相鉄新横浜線」と「東急新横浜線」になった。なお、相鉄・東急直通線は神奈川東部方面線の機能を有する路線である。

「地下鉄」ではないが「成田スカイアクセス線」の「アクセス」という名称も、何らかの根拠法に基づいて国の負担分を示すものである(はずである)。文字数が負担割合を反映しているとすれば、成田市(市内に途中駅を造る分)が「2」、空港会社(の通勤輸送や、飛行機に搭乗しないが空港を訪れる見送りや出迎えの客の輸送)が「3」、国の空港事業の一部(搭乗客の輸送と都心からの速達性のための高速化にかかる費用)としての負担が「4」という割合なのだろう。「地下鉄」について理解するということは、このようなお役所の論理を完全に理解することにほかならないと知っておいてほしい。必ずしも「地下鉄」を題材にするとは限らないが、小学校と中学校の社会科でも「社会資本」についての単元があるので、必ず習っているはずである。忘れていたら、軽くおさらいしておいてほしい。

A列車で行こう9・Exp.の地下鉄

「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)の「列車タイプ」には「地下鉄」があるが「通勤型」と同じ挙動しかしないようで、いまのところゲームの中で特別な効果は持たされていないようである。「地下に線路を敷設する場合でも地上と同じ用地費用がかかる」という実装は、現実にも騒音や振動の対策あるいは対策しきれない場合の補償といった費用を模した支出と思えば生々しくてリアルである。

「A列車で行こう9」で「地下鉄」というニーズは高く、このサイトやフォーラムへのアクセスでも検索語として頻出する。動画でも人気の題材のようである。ただ、地下に敷設する線路のトンネルの形状が1種類しかなく、それもリアルとは言い難い。何をやってもあまりリアルには見えないというあきらめがある。そのような残念な事情からも、ここは見た目のことよりも、そもそも「地下鉄」とは何ぞやという学習に重きを置いたほうが身のためだろう。

【豆知識】「A列車で行こう2001」に収録された都電荒川線の説明文では「乗ってみると」乗り合わせた「私以外の」乗客が「下町くさい」といわんばかり。本作は超高層の上層階から見下ろす視点で制作されている。地下鉄にも一般の路線バスにも乗ったことがなさそうである。受験生にとって都電は早稲田の受験の記念に乗る乗り物いわゆるアトラクションである。また、私立のマンモス校ではスクールバスを出すところが多く、およそ一般とはかけ離れた精神になりやすい。一般の路線バスにも地下鉄にも何らかの思い入れがある一般的なわたしたちの感覚を、おそらく制作者らは理解していない(ように見える)。

映像としてリアルに見せるには、現実と同様に本当に道路の直下だけを通るようにして線路を敷設し、その線形の悪さに見合った厳しい速度制限をかけ、非常にのろのろと走行するようにする。速度制限がかかる時間が短くなるよう、短めの編成にするのも手だ。ひいては、駅間でのろのろと走るようすを強調するため、駅にさしかかると速度制限が解除され、停車の寸前だというのに加速するようにすればリアルだ。本作には丸ノ内線と銀座線の車両が登場するので、同一ホームでの対面乗換ができると見せかけていざ乗り換えようとすると目の前で発車してしまい待ち時間が長く感じられる赤坂見附を再現してみるのもよいだろう。千代田線や三田線のように1面1線のホームを上下2層に建設するのも、現実の地下鉄にあっては非常に腹立たしい施設ではあるが、あくまでゲームの中では見せ場になってくれるだろう。ただし、いまのところ本作には都営地下鉄の車両は登場しない地下鉄に乗り入れる私鉄の普通電車の収録も貧弱で、3セクといえば並行在来線といわんばかり。どちらかといえば都会の電車の情景を描く本作において、収録の優先度は並行在来線よりも埼玉高速鉄道や北総鉄道のほうが圧倒的に高いだろう。ニューヨーク市の地下鉄を唄った「A列車で行こう」をタイトルにそのまま使っていながら(しかもそのことをことあるごとに自慢げに披露してきていながら)、概して「地下鉄」というものをちゃんと考えたといえるレベルには届いていない作品である。今後に期待したい。「今後」とは、いつ?

※公営の地下鉄や3セクの事業者では、ゲームに車両を登場させるための許諾を得る手続きの書類で使われている言葉が難解であったり、担当者との会話が(むこうはお役所言葉で超早口でしゃべるので上京してきた田舎者の技術者あるいは芸術家肌でのほほんとしゃべる若者などが到底ついていけるものではなく)通じなかったり、手続きそのもの(事前の問い合わせ先や書類の提出先など)が複雑怪奇であったり書類の角を三角に黒く塗りつぶせという謎の指示があったりすることも、本作にその種の車両が登場しにくい遠因になっている(ようである)。許諾を得た後も販売数を正確に報告し続ける必要があるが、その方法もまた事業者によっては厳格すぎる(イベントで限定数を売り切って終了という簡単なものしか想定されておらず、市場に出荷して長期間にわたって販売を続ける場合については「要相談」などとなり、その「相談」の会話がうまくできない!)のを敬遠したりといったこともあるのだろう。費用の問題でもなく、許諾が得られないというものでもないのに、ゲームソフトを作る側のあまりにも基本的な資質という部分の問題のせいであるとしたら、まったくもって嘆くしかない。そして、公金で動くお役所としては当然ながら、民間の商売に手を貸すだけの「許諾」という業務は本来の業務ではない。いたずらやひやかしの申請など絶対に来ないよう厳格な態度をとるのである。申請する側の本気度を測っているのである。お役所のせいにしてはいけない。

【豆知識】PS4「A列車で行こうExp.」に関して「国際空港 赤字」という検索が非常に多い。キミはいったい何をしているのか。「A列車で行こう」という鉄道のゲームで、なぜ空港にこだわるのか。…この人は羽毛布団やツボを買っちゃう人です!プレーヤーの年齢を勘案して学校の事情に即していえば、人数が多過ぎる私立校と新設の公立校では修学旅行の(伝統的な・定番の)宿と列車が確保できず、やむを得ず航空機を利用して沖縄もしくは北海道へ行くことになる。しつけ指導が厳しめの私立校では(そもそも自腹で旅行しているのだということも忘れさせ)生徒や保護者が旅行の豪華さに目を奪われるようにしてガス抜きをするゲームの動画などでわざわざ空港にこだわってみせるのには、本人がそのような学校を出た(あまりよい学校を出たとは言えない)ということや、そのような学校にいる人(あまりよい学校にいるとは言えない)を見つけよう(足元を見て商売に利用しよう!)といったことが隠れていると思っておいたほうが身のためである東京は甘くないSNSの類でプロフィールに本当か嘘かわからない病歴のようなもの(自分がいかに『少数派』で『生きづらさ』を感じているのかを切々と訴えるような)を(おそらくプログラムで機械的に)書き連ねたアカウントがあふれているのは悪辣としか言えない。「左利き」を自称するとアクセス数が伸びるんですって! あたしも明日から「左利き」になろうかしら。「左利き」になるための届け出の窓口はどこかしら。


ダイヤグラム総合

列車の運行制御(コントロール)

マニュアル対照表

公式ガイドブック対照表

路線図とマップコンストラクション

駅の種類で情景を描き分けよう

マップ外接続(隣町)の楽しみ


References


Descriptions and More

  • このページのもとになった記事(※ただし口語で長文です)がフォーラムで読めますので、詳しいことが知りたいときは参照してください。

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