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ゲームで追体験する鉄道工学と鉄道史:自然な成り立ちの路線網をつくろう。(初版公開:2020年4月24日、最終更新:2023年4月1日)
[ 列車と路線(ルート) | 列車の運行制御(コントロール) ]
列車と路線(ルート)
このページでは、ゲームのマップに路線網をつくり、そこに走らせる列車を決めるために必要な考え方を説明しています。ゲームでの「ダイヤ設定」に必要な考え方については「列車の運行制御(コントロール)」をご覧ください。
- Keywords
- A列車で行こう9, 特急, 自動発展
路線の考え方
鉄道が新しく通るルート(起点、終点と、その間の経由地)が決定し、線路の道のり(キロ程)がほぼ確定してから考えるのが「路線」(施設)である。用地取得や橋やトンネルの建設などは、すでにクリアされているものとする。どのような運行計画(ダイヤ)にしたいのかを踏まえて、沿線の最適な地点に駅を配置し、駅の規模や配線を決める工程である。
『路線マイスターレベル』
路線マイスターレベル |
どんな路線? |
キロ程と駅の数 |
中間駅の数と役割 |
Lv.1 |
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- 「0」(起点)
- 「1」(終点)
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- 「中間駅」なし
※ポイントのない「停留所」はあってよい
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Lv.2 『1/2』でつくる |
- 非常に長い路線でもよい
- 普通列車が折返し
特急・貨物列車が直通
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- 「0」
- 「1/2」
- 「1」
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Lv.3 『1/3』でつくる
| - 「1/3」で追い越し、
「2/3」から先は各駅停車 - 路線の中間に車庫があり
始終着(折返し) - 「2/3」で折返し
(運転本数に差がある)
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- 「0」
- 「1/3」
- 「2/3」
- 「1」
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Lv.4 『1/4』でつくる
| - 快速運転する通勤路線
(追い越しあり) - 車庫が郊外にある
(都心から遠い)
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- 「0」
- 「1/4」
- 「1/2」
- 「3/4」
- 「1」
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Lv.5 『1/5』でつくる
| - 下町を通り抜け、
「3/5」に大きな団地あり - 「4/5」で追い越す特急あり
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- 「0」
- 「1/5」
- 「2/5」
- 「3/5」
- 「4/5」
- 「1」
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- 「路線の中間の拠点駅」1つが
「中間地点ではない」位置にある
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路線の考え方がわかりやすい路線
『路線マイスターレベル』を使って路線の成り立ちと中間駅の役割を理解しよう。起点からの距離(営業キロ)や着工と完成の年代も調べてみよう。それらの理由を地形(山岳や地質など)と地勢(土地利用や都市計画)の両面から説明してみよう。
実際の路線は複合的にできている。1つの会社の全線や1つの運行系統の全部ということに固執せず、路線の考え方を学ぶために着目する区間はじぶんで決めよう。
環状線の考え方
「環状線」を特別視しないこと。法的な線路の区分や名称などに固執しないこと。わたしたちの目的は環状線の成り立ちを理解することであり、雑学王決定戦の類で敵を負かすことではない。
建設の端緒になった区間や、列車の運行を支えるコアとなっている区間に着目すれば、実質的な起点と終点を考えることができる。列車の運行を「起点より手前」と「終点より先」に延長して「環状運行」にしたものが「環状線」である。
環状線での快速運転
- 環状運行する列車は各駅停車が基本である。環状線の線路を共用して通り抜ける列車は快速運転する。
路線網(ネットワーク)の考え方
- 路線の成り立ちを理解しよう
- 路線の成り立ちを再現しよう
- 自然な成り立ちの路線網をつくろう
※鉄道網は電報・電信・データ通信・鉄道電話・光ファイバーのルートにもなる。発電所を持ち電灯と電車の会社として発足した私鉄も多い。
ほかの人のマップを見てみよう
列車の考え方
ゲームに用意された「列車タイプ」を使いこなせ
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どんな列車? |
ゲームでの使い方 |
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ゲームでの「列車タイプ」 ※ゲーム画面では英語で表記 |
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長距離を高速で ~いわゆる列車~ |
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└→ |
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- 最大乗車率が低い着席型列車は
編成両数を長くしよう - 長距離の列車は高速運転しよう
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└→ |
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中距離を着席型で ~遜色なし~ |
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└→ |
- High Speed Commuter
(高速通勤型)
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近距離で定員を多く ~いわゆる電車~ |
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- 大混雑に耐える「電車」で
各駅の乗客を運びきろう - 資産税が低く抑えられる
旧型車両を活用しよう
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└→ |
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【読み方】Super Express:スーぱぇく(す)ぷれっ(す)/Passenger:パーせんじゃ(ーっ)/High Speed Commuter:ハ~ぃすぴー(ど)っクゥオみゅ~たぁ/Underground:アンダャぐら~ん(ど)(※太字カタカナを強く発音、下線部は1音、括弧は子音のみ発音。ただしカタカナで覚えたり読み上げたりしないこと)
※列車の「愛称」はスポンサーシップや補助金を示唆するものである。花火大会や空港アクセス列車など。
※つり革があれば「電車」である。
※「地下鉄」は、建設主体が自治体であるものを指す。
※営団地下鉄の新線の一部には国鉄のバイパス線という性格がある。
速度より距離を先に考えよ
- ここでいう「乗車率」とは、ゲーム内で発車させた列車の「乗客数」を、その列車の「定員×最大乗車率」で除したもの。(0~1の値をとる。)
- 列車タイプ「特急列車」の乗車率が「往路0%・復路70%」(または「往復とも35%」)のとき、発駅と着駅の直線距離が「3,000m」以下では赤字になる。
- 列車タイプ「通勤型」に乗せた客を長い距離(途中で降ろさずに)運んでも利益は上積みされない。(短い距離で乗り降りさせることを繰返すほうが利益が増える。)
- 無計画に走らせず、駅と駅の(あるいは「隣町」との)直線距離を確かめて、適切な列車タイプを選ぼう。
- いくら「特急列車」が莫大な黒字だからといって「通勤型」が要らないわけではない。「特急列車」だけでは列車の定員が少なすぎる。駅の「乗降客数」の数字を大幅に上積みするため、定員が多い(※それに加えて最大乗車率が高い)「通勤型」もしっかり走らせよう。その際、「特急列車」と「通勤型」という両極端を考えるばかりでなく、収支が有利な「高速通勤型」を走らせられるような距離にする(ある程度、長くする)ことも同時に考えよう。だからといって、ぜんぶ「高速通勤型」にしなければならないと考えてしまうのも行き過ぎだ。「高速通勤型」と「通勤型」も適材適所、距離に応じて両方ともうまく使おう。
- 列車タイプの「通勤型」と「地下鉄」で、「最大乗車率」のほかに何か違いがつけてあるのかないのかは、マニュアルでも公式ガイドブックでも説明がない。駅の種類にも「地下駅」ではなく「地下鉄駅」という名前で分類があることからは、企画段階では「地下鉄駅」には「地下鉄」だけが停車できるというような凝った仕様にするつもりだったのかなと思っておこう。列車タイプ「通勤型」の中には、(現実に)地下鉄に乗り入れている車両もある。(ゲームの中で)「地下鉄」というものを車両の形式と1対1で対応させて定義できるものではないということに、企画担当者もすぐに気づいたのだろう。分類ではなく属性として「地下線への乗り入れが可能」というフラグを持たせるべきであった。
- 最大乗車率が高い列車タイプの列車を使えば、むやみにホームの長さを長くしなくてもじゅうぶんな「乗降客数」をさばくことができる。駅にかかる資産税を見ながら、ベストなバランスを追求しよう。
- 乗客は、列車によって運ばれて初めて乗客になるのだ。列車がなければ、駅に「発生」した乗客が何の効果も発揮せず無駄になってしまう。「通勤型」の列車の利益は(「特急列車」が生み出す利益の大きさと見比べてしまうと)ほとんどゼロだと思えても、より多くの乗客を運ぼう。黒字でありさえすればよいというものではないのだ。
考えた通りの乗客数や収支にならなかったとき
- 同時発車をうまく使え
- ある駅から同時に発車する列車の「乗客数」が決まる仕組みを知っておこう
- 1番線から順に(番線が若い順に)「定員×最大乗車率」まで単純に詰め込まれる
- 列車タイプや定員の違いは考慮されない(複数の列車間で平均化はされない)
- 例えば毎時0分に特急列車をなるべく満員で発車させ、ほかの列車はその数分後に発車させればよい
- 12分(?)で「乗客発生」がリセット(?)されるらしい
(「資材工場」の資材の生産と同じように「乗客発生」が起きていると思えばよさそう)
- 駅は、ラッシュ時(住宅地なら朝、オフィス街なら夜)に列車を満員で発車させたいほうを1番線になるようにして設置する
- 駅の影響範囲を確かめよ
- 乗客は、マップ内のすべての建物に一定の計算方法で与えられる(「乗客発生」)
- そのうち、駅の中心から半径400m以内の建物に発生した乗客だけが、その駅から発車する列車の「乗客数」となる
- 距離に応じて減る:駅の中心から200m離れた建物からは、その建物に発生した乗客の50%しか列車に乗らない(400m離れるとゼロ)

- 「乗客発生」が非常に多い超高層ビルなどが、ほかの駅の影響範囲やどの駅の影響範囲でもない場所に建つと、既存の駅では「乗客数」が減る
(実際の人数の積算ではなく比で計算されるため?:分子が変わらないまま分母が非常に大きくなれば値は非常に小さくなってしまうが、分母を対数で圧縮するという発想はないらしい)
- 「人口」の数字を気にするあまり過度に「自動発展」させ、どの駅の影響範囲でもない場所に建物を増やしすぎるのは禁物
- 超高層ビルが乱立した場所では、例え駅を設けても、到底運びきれないほど乗客が集中してしまう(そもそも乱立を避けよ)
広域(都市間)の輸送を先に考えよ
- 貨物列車の迂回路が確保された路線網をつくろう
- 「県境の駅」の特徴をつかみ、ゲーム内で表現してみよう
- 旅客列車の運行計画(ダイヤ)を60分(1時間)サイクルで考えるとき、貨物列車については4320分(72時間)サイクルで考えよう
- このゲームが持つユニークな仕様の1つである「隣町」を活かして、マップの広さ(見た目)以上の「広域」(の交通を考えている感じ)を感じさせよう
- 「隣町」に乗客を運ぶことは「流出」ではない:「隣町」で降ろした客の効果(降車客の「パワー」に応じた「自動発展」)は発駅にもたらされる(効果が消えるのでなく、発駅に効果が出る)
- 安心して満員の列車を「隣町」に送ろう(戻ってくる列車の乗客がゼロでも問題ない)
- 「隣町」から乗ってくる客の数は、(こちらの)マップの「人口」のみに比例する(「隣町」に乗客をたくさん送れば向こうからもたくさん乗ってくるという仕組みにはなっていない)
- マップ内の駅での乗客数(「乗客発生」)は「人口」ではなく「産業」(駅の有効範囲にある建物の種類と規模/マップ全体での比)による(「人口」の数字とは直結していない)
(「産業」ごとの規模の値も、「産業構成比」という形で比として扱われ、思うようには調整できず、一定に保つのも困難)
実感を持とう
東京近郊に暮らす者としては、何も考えずに「通勤型」の10両編成をじゃんじゃん配置してしまうが、ちょっと待ってほしい。1列車でおよそ3000人も乗車させてしまう「通勤型」の10両編成は、このゲームの中ではよほど熟慮の上で使わないといけない。マップ内の各駅での単位時間あたり「乗客発生」の最大は6553人くらいと見受けられる。どんなに駅周辺を発展させても、その駅から乗車する客の数が実数で増えるわけではないようだ。しかも、「乗客発生」が6553人くらいという最大に達するのは特定の時間帯の一瞬だけで、ほとんどの時間帯には最大までは達しない。このメカニズムの是非はともかくとして、マップ内の駅から乗車させる場合、1列車でおよそ3000人も乗車させてしまう「通勤型」の10両編成が必要になる場面はほとんどないと思ってよい。それでも1列車でおよそ3000人も乗車させてしまう「通勤型」の10両編成があるのはなぜか。マップの「人口」が非常に多くなったときに「隣町」から乗車させて戻ってこさせるために使うのだ。マップ内の駅からの乗車が少なくても「隣町」からは非常に多くの乗車がある。マップ内の駅だけで考えるのでなく「隣町」を忘れないようにしよう。武蔵野線は武蔵野市を通らず、山手線の乗客の大多数は、山手線の沿線には住んでいない。
References
Descriptions and More
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