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小一時間で初心者卒業。大人のA列車。ゲームならではのデフォルメを楽しむ。(最終更新:2024年3月19日)


マップコンストラクション

マップは何度でもつくる。何個でもつくる。Googleサジェスト「A列車で行こう9 マップ ダウンロード」への答えは「じぶんでつくる」です。

PCゲーム「A列車こう9」が誇る至高の「マップコンストラクション」での線路の引き方(路線網の作り方)。いきなり路線図を描いてはいけません。いきなり私鉄をつくってはいけません。地形データとじっくり対峙しよう。
※「マップコンストラクション」は、Windows版だけでなくPS4「A列車で行こうExp.」にもあります

サンドボックスとは

ファンサイトやゲーム攻略情報サイトの代名詞的存在「ウィキ」でもおなじみの「サンドボックス」。幼児が遊ぶ砂場のことで、安心して練習やお試しができる場(何をしても「いい意味でその場限り」で跡形もなく「リセット」できて何度でも遊べる場)のことをいいます。本来のカウンセリング幼児教育でいう「箱庭」は、砂を入れた箱を使うものです。形を残す「作品づくり」とは違って接着剤で固めたりはしませんので、何をしても元通りの砂を入れただけの箱に戻るのです。

※カウンセリングのための「箱庭」という道具立てを用意しなくても、幼児はじぶんから箱庭のような遊びをします。それを観察すれば言語に頼らず心情を探ることができてしまいます。他人の子どもが遊んでいるところを臨床心理士でも保育士でもない一般の大人がまじまじと観察してはいけません。「A列車で行こう」というゲームにも、それを遊ぶと「箱庭」になってしまうという側面があります。遊び手の心情や発達状況などを如実に反映してしまうので、むやみにセーブデータなどを他人に見せてはいけません。データなどを見せるよう他人に迫るのもNGです。これは、どこの大学にもあるふつうの(学部生の卒論にも適用される)「倫理審査」の説明やチェックリストを参考にして、じぶんのこととして考えてください。大げさな話だとは思わないでください。

歴代の「A列車で行こうシリーズ」の「マップコンストラクション」は、ゲームに最初から用意されているマップ(ステージ)を遊び終えた人が、さらに難しいマップを自作して楽しむという方向性がありましたが、「A列車で行こう9」の「マップコンストラクションモード」ではそのような「おおきなかぶのつづきばなし」のようなテイストは薄れ、最初から「マップコンストラクションモード」で資金を気にせず遊ぼうというムードがつくられてきています。

とはいえ「A列車で行こう9」はゲームです。じぶんは「A列車で行こう9」をゲームとしてしっかり遊べたと自信を持って言えるようにもなりたいもの。「サンドボックス」と「箱庭」は『イコール』ではありません。わけもわからぬまま、あるいはわけがわからないからこそ最初から「マップコンストラクションモード」しかしないというのでなく、公式ガイドブック(全4冊)を片手にじっくり取り組んでみてからでも遅くはないでしょう。A9V1に収録された11個のマップが実質的なチュートリアルになっていますので、いまさらとは言わず、ぜひA9V1のニューゲーム(シナリオマップ)を最初から順にプレーしてみることをおすすめします。わけもわからぬまま遊んでいるだけでは「箱庭」で、『わけ』をわかるために能動的に試行錯誤していくのが「サンドボックス」だという言いかたもできるでしょう。

お知らせ

このサイトでは、ゲームシステムと直結する話については、この「マップコンストラクション」のページで、ゲームシステムと直結しない地形データや名前のつけ方などについては「マップの作り方」のページで説明しています。あわせてお読みください。このサイトには120を超すページがありますので、検索で見つけた1ページしか読まないまま、このサイトにはたいしたことが書いてなかったと誤解してしまうことのないようお願いいたします。秋の夜長にひとり静かにじっくり楽しむ「A列車で行こう9」というゲームのプレーヤーたるもの、120ページくらいあるサイト(※目次だけのページなどを除いた数)をじっくり腰を据えて読もうという時間や気構えがないはずはありませんので、一般には敬遠されるほど(わざと)文章を多くしています。ゲームといえば学生街の喫茶店で秋の夜長わかって下さいなので、季節にかかわらず通年で秋の夜長と申しますけれども、これはもちろん、一晩でぜんぶ読もうというものではなく、大学の半期の科目のようなペースで15週かけて読み進めていただきたく思います。わからないことがあっても、決して短気を起こしてはなりません。同じページを何度でも読み返してください。120もあるページをどのような順番で読むとわかりやすいのかは人によります。いきなり読んでもわからないが他のページを読んだ後であればすーっとわかるといったこともよくあるものです。あしからず。

※PS4版「A列車で行こうExp.+(エクスプレス プラス)」の初回版に同梱された「攻略サポートガイド」では「経営」と「箱庭」という『2種類の遊び方』を対等に並べて紹介されています。実際にはプレーヤーの年齢やシミュレーションゲームへの習熟度が低いと「箱庭」しかできないということにほかならないのですが、PS4というプラットフォームは少しニッチでマニアックなので、年齢は確かに低くてもPC版と負けず劣らずのマニアックさを追求するムードがもっとあってよいとも思います。PC版に比べて価格面でアピールするPS4版で、プレーヤーに多くを期待しないような、最初からあきらめたような説明になっているのは残念に感じます。

※PS版「A列車で行こう5」(A5)の公式ガイドブック「エキスパート編」で、その名も「箱庭」というタイトルのマップが紹介されています。A5ではマップごとにマップの広さが変えてあったので、マップが狭いということを「箱庭」というタイトルで表わしていたようです。現在の「A列車で行こう9」のように一律に広いマップが与えられる中で「箱庭」と言われても、途方に暮れてしまうでしょう。ただし、上述のように「箱庭」という言葉に「狭い」という意味は希薄です(「狭い」ということをいうための言葉ではありません)。言葉尻だけで「坪庭」「狭いながらも楽しい我が家」といった言葉との混同があったのかもしれません。知っている言葉でも油断せず辞書を引きましょう。

マップコンストラクションでの「自動発展」

「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)のマップコンストラクションモードで「街の自動発展」を有効にすると、発展」によって建物が増えるとは限らず、それまでにあなたが手動で建てた建物の一部(「売却」した物件と、マップコンストラクションモードでしか建てられない「住宅」「雑居ビル」などの建物)が衰退」によって消えることがあります。「街の自動発展」をうまく進めるためには、マップコンストラクションモードであっても、ゲームモードと同様に本作のゲームシステムをよく理解することが必須となります。マップコンストラクションモードのことを『資金無限モード』と呼ぶ人もいますが、「資金を一切気にせず都市作りに専念できる」とは、逆に言えば「資金」以外のすべてを気にする必要があるということ。A9V5に収録された「A列車紀行」のマップはゲームシステムに則っていない見せかけだけのはりぼてマップで、ゲームモードで開始すると建物がどんどん衰退してしまうのには唖然とさせられました。わたしたちがマップコンストラクション(マプコン)でつくるマップ(「創作ゲーム」)は、そうならないようにしたいものです。

A9の自動発展による発展と衰退の条件
発展と衰退の判定調整区域(320mグリッド)単位
自動発展で建つ建物の種類その時点の都市のタイプによる
自動発展で建つ建物の規模その地点の地価(用地費用)による
自動発展による発展資材・電力列車の運賃収入(降車客)が必要
自動発展による衰退(局所)駅の列車の運賃収入(降車客)の不足により発生
自動発展による衰退(大域)都市の電力不足により発生

大手繊維メーカー「帝人ダケジャナイ!」が「TPO」という言葉を使って新しいファッションを提案したといいますが、A9の自動発展は時と場所を選ばないことが知られています。冷蔵庫のプリンには名前を書いておきましょう



Googleサジェスト「A列車で行こうExp. 街の作り方」への答えは「自動発展に委ねて費用をかけずに他社物件を増やす」です。『マプコン』の「コン」とは「システム」「メカニズム」を活かす「骨組み」「仕組み」を「組み立て」「構成」すること。自動発展がスムーズに無駄なく進むための『お膳立て』をしてあげましょう。

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「A列車」を特殊なゲームとは思わないで、いたってふつうのウォーシミュレーションゲームの用語や概念を獲得しておきましょう。兵站仕入れと在庫の概念で「子会社」(自社物件)は速やかに売却しましょう。

これぞ『RT』
リアルタイム・シミュレーション

「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)は「RT」こと「リアルタイム・シミュレーション」を掲げるゲーム。すべてのゲーム要素が同時進行でダイナミックに動き続けるゲームです。ゲームシステムのすべてを理解するまでは、何1つとしてうまくいかないという難しさがあります。このゲームの上達に必要なのは鉄道に詳しくなることではなく、経済学のエッセンス(ミクロだけでもマクロだけでもなく総合して)よく理解することでしょう。

自動発展で建つ建物の種類は、都市の「産業構成比」と、それによって決まる都市の「タイプ」に応じて決まります。「A列車で行こう9」の各建物は、複数の産業に確率的に所属します。1つの建物が建つことが「産業構成比」に影響を与え、その後の都市の自動発展や駅の乗客発生を左右していきます。大学で「産業連関表」を習った方には、ピンと来るものがあるかと思います。これは数学の行列を使うもので、グラフ理論になじみのある方であれば「重み付き有向グラフ」と呼んだほうがピンと来るかもしれません。何も知らずに遊ぶこともできますが、知れば知るほど「A列車で行こう9」の経済のシミュレーションは(鉄道はそっちのけで)なかなか骨太だなあという印象が出てくるのではないでしょうか。

「エッ!?」と驚かれるでしょうが、道路を碁盤目状にするのは「A列車で行こう9」では御法度。資材置場こそが街の中心になるので、街づくりしたいエリアの外周に資材置場を並べるのもNG。とんだ『ひっかけ問題』もあったものです。ゲームシステムの要(かなめ)である自動発展に逆らわず道路や建物を増やし、鉄の盆栽生け垣をつくるように刈り込むことで自然な仕上がりを目指しましょう。畝を作って支柱を立て鉄道施設(線路と駅)と資材置場で自動発展をコントロールしましょう。水と肥料と日当たりに注意しマップの地形を活かした路線網を築き上げましょう。鉄道150年の歴史を体現する奥深い表現を追求しましょう。

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※「いきなり路線図を描いてはいけません(お絵かきではありません)」とは、ゲームシステムに即して効果的に自動発展させることのできる路線網を築く必要があるという意味です。
※「いきなり私鉄をつくってはいけません」とは、自動発展は都市全体で同時進行するので、私鉄のようにそれぞれが独立した路線を1つずつ順番につくろうとしてもうまくいかない乗客数が大幅に変動して思い通りにはならない)という意味です。
※「地形データとじっくり対峙しよう」とは、マップコンストラクションだからといって地形編集を手作業で延々と続けるのでなく、最初に「地形の自動生成」で用意した地形データを『お題』として据えて判断や決定の基準にするのがよい地形に対して『従』となるプレーをしていくとよい)という意味です。


目次

  1. マップコンストラクションでの「自動発展」
    これぞ『RT』リアルタイム・シミュレーションサンドボックスとは。いきなり路線図を描いてはいけません。いきなり私鉄をつくってはいけません。地形データとじっくり対峙しよう。

  2. マップコンストラクションとは
    「創作ゲーム」として配布するつもりで、ゲームモードを意識してつくろう。「デフォルメ」「ゲームの仕様」「地形」について解説。

  3. ランドマークとは
    「ランドマーク」と「シンボル」の違い。ケヴィン・リンチの「都市のイメージ」。

  4. 上を北に固定「サテライト」
    ゲームの中で道に迷っていませんか? マップの平面図を正しく使うための基本的な考え方を紹介。

  5. シナリオマップでの線路の直し方
    運輸政策研究所ほかの資料に基づき「路線網」「施設」「旅客と貨物」について解説。路線網構築上の制約条件を「地形」「都市」「鉄道」に即して考えます。

  6. リアルに見せるコツ『架空のJR線』
    国鉄・JRと私鉄の違いを路線網のトポロジーに着目して徹底理解。マップの骨格となる「架空のJR線」の作り方から愛知環状鉄道まで。

  7. 複数の『架空の私鉄』をリアルに作り分ける
    走らせる車両をとっかえひっかえするだけで満足していませんか。私鉄の情景を論理的につくる方法を紹介&高度経済成長期の地下鉄建設と複々線化を概観。

  8. 公団『架空の国鉄新線』で奥深さを
    「新線とは」「鉄建公団」「電算化」「光ファイバー網」などを解説。路線の建設の経緯や事業主体の違いをゲームの中でも表現してみましょう。

  9. リアルに見せるカギ「実在の車両」の使い方
    地形や路線網は「架空」にしても、ゲームに登場する車両は実在のもの。どんな情景が描けるのか、最新の「車両キット」「車両キット2nd」を含めて展望します。

(このページの初版公開:2020年10月6日、「連絡設備費」の初出:2019年3月1日、『架空のJR線』の初出:2019年10月18日)


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