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ゲームで追体験する鉄道工学と鉄道史:列車の運行制御を体系的に知ろう。(初版公開:2020年3月28日、最終更新:2024年4月27日)


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列車の運行制御(コントロール)

このページでは、ゲームでの「ダイヤ設定」に必要な考え方を、駅とポイントに着目して説明しています。路線網のつくり方と列車については「列車と路線(ルート)」をご覧ください。

運行制御の考え方ゲームでの「ダイヤ設定」
Keywords
A列車で行こう9, 攻略, ダイヤ, 絶対信号機, 連動装置

運行制御の考え方

列車の運行制御を体系的に知ろう。必ず実際の鉄道を参考にしよう。“正解”(お手本)が必ずある。「自分流」で勝手な表現(※ゲーム内での操作や設定)をしてはいけない。

※パッケージ版「A列車で行こう9」は「For Sale In Japan Only」であることから、このページでの説明は日本国内の事情に限る。

「線路」とは

車両を運行するための軌道を「線路」と呼ぶ。静態保存の車両の展示場所に敷かれたレールは「線路」ではない。完成検査を受ける前の軌道と廃止後に放置されたものも「線路」ではない。

「複線」で「左側通行」

線路は「複線」が基本で、「単線」は特殊な場合と考える。列車は「左側通行」である。1本の線路に着目した場合、その線路を走る列車の進行方向をある1方向だけにする(逆向きには走らせない)ということである。

「駅構内」と「本線(駅間)」

すべての線路は「駅構内」と「本線(駅間)」のどちらかに属する。

駅構内本線(駅間)
連動駅その他の駅(停留所)駅間
ポイント(分岐器)置いてよい
(ポイントを置いたら
 「連動駅」)
← →置いてはいけない
(ポイントを置きたい場所は
 必ず駅か「信号場」にする)
発車時刻必ず定める
(「採時駅」)
定めなくてもよい
(路線が長い・
 途中の駅が多いときは
 「採時駅」)
(駅ではないところで
 停車してはいけない)
通過
※停車せず  
通り抜けること
原則として禁止
(⇒「通過線」)
してよい
折返ししてよい原則としてしない
(逆線走行しない)
(駅ではないところで
 停車してはいけない)
車止め
(行き止まりの線路)
つくってよいつくってはいけない
(駅ではないところで
 行き止まりにしない)

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この文脈でいう「駅構内」は、利用客のための「駅構内図」という用語でいう「構内」とは別の概念である。信号についていうときは「場内」と呼ぶ。「場内」という意味で「駅構内」という場合があり、そのときは「連動駅」の「場内」を指している。なお、かつてポイントがあった駅で、現在はポイントがなくても「場内信号機」がある場合もある。卑近な話をするなら、駅のホームでカメラを構えれば出発信号機を撮れるが、場内信号機を撮るためには改札を出てかなり歩かなければならないし、必ずしもカメラを構えられるような場所とも限らない。こうした事情から、なぜか出発信号機と閉そく信号機については詳しく知っていても、場内信号機についてはほとんど何も考えていない(存在すら忘れている)ような鉄道ファンが少なくないことを指摘しておく。

「ポイントの切り換え」


「連動駅」と「発車時刻」

「採時駅」

「信号場」

「通過線」と「通過禁止」


「定刻通過」と「到着時刻」


ゲームでの「ダイヤ設定」

先に、(実際の鉄道での)列車の運行制御を理解した。次に、ゲームでの「ダイヤ設定」への落とし込み方を考えてみよう。

おすすめ手順

  1. 駅とポイントを“正しく配置”する
  2. 「ポイント分岐設定」のデフォルトをじぶんで決めて「全列車に適用」する
  3. 始発駅(折返し駅)での「発車間隔時間」を先に決めて「全列車に適用」する
  4. ポイントのない駅(途中の駅)の「停車時間」を「5分」などにして「全列車に適用」する

「デフォルト」:ほとんどの場合にそのまま使える「ふつう」の設定値。
「じぶんで決めて」:最初から決まっているわけでなく、ゲームソフトが決めてくれるわけでもないという意味。
「先に決めて」:決めたら変えない(固める)という意味。

駅とポイントを“正しく配置”する

「A列車で行こう9」のシナリオマップ(ニューゲーム)には、ポイントが1個もないものが多い。そうした中では「夕日町計画」「砂浜とウォーターフロント」でのポイントの使い方は参考になるだろう。

「左側通行」と「特殊なポイント」

ゲームの中で「連動装置」を組むつもりで

実際の鉄道では、駅構内のポイントと信号機を“正しく切り換え”ることで、列車と列車が衝突しないようにしている。ポイントと信号機の切り換え方の組合せを辞書式で列挙し、この切り換え方は許可する、それ以外の切り換え方は禁止するということを事前に決め、「真理値表」という形式で表現する。この「真理値表」を電気的な論理回路で実装し、“正しい”切り換え方しかできないようにすることで安全を守るのが「連動装置」である。

本作では複数のポイントと列車の動きを連動させてコントロールするしかけは用意されていない(※特に、信号機を赤にして他の列車を待たせるというしかけがない)が、実際の鉄道の「連動装置」の考え方を学び、これを仮想的に模擬するつもりでポイントを設置し「ダイヤ設定」「ポイント分岐設定」を完成させていこう。

「時間指定分岐」と「発車間隔時間」を組み合わせよう

ポイント分岐設定駅のダイヤ設定
駅への進入
(到着)
  • 「どの番線に進入させたいのか」
    という意味

  • 複雑な運行をするときも
    なるべくシンプルに:
    時間指定分岐」をうまく使おう
    (「個別分岐」の機能は
     なるべく使わない)
  • デフォルトの番線
    =「主本線」
    (※単に「本線」とも)
  • 特別な場合に入れる番線
    =「副本線」
    (折返し、待避、回送など)
駅からの進出
(出発)
  • 合流する向きのポイントは
    設定不要
    左側通行にする)

  • 路線が分岐する駅では:
    「どの路線に進出させたいのか」
    という意味
    (車庫に入るための線路も)
  • ポイントのある駅では
    「発車時刻」を先に決める
    (「発車間隔時間」を
     「30分」以上にする)
  • 折返しする列車しない列車
    混ぜるとき:
    「折返」は「副本線」で
  • 同じ列車を時間帯によって
    折返ししたりしなかったり:
    「ポイント分岐設定」の
    「時間指定分岐」で
    別の番線に入れよう
    (「個別発車」の機能は
     なるべく使わない)
  • 車庫に入れる列車は
    「下車」にする
    (「ポイント分岐設定」の
     「時間指定分岐」と
     組み合わせよう)

「ダイヤ設定」を完成させる


Glossary

2022年10月14日、日本の鉄道は150周年を迎えました。鉄道に関する用語には独特の古臭さがあって日常生活の中では使わないようなものが多いですが、よく確かめてみれば、さほど難しいことは言っていないことがよくあります。鉄道に関する用語は、鉄道に関する法令などに基づく正式なものから、現場で呼びならわされてきたもの、趣味の雑誌(趣味誌)やオンラインのコミュニティ(※パソコン通信や掲示板)で独自に発達したもの、マスメディアで使われるもの(※新聞独特の短縮や言い換えを含む)など、さまざまなものが入り混じっています。意味がわかればどの言いかたでもいいというのでなく、その場にあわせることが重要です。

どのような言葉をどのように使うかは、あなた自身が責任を持つことですが、その指針になるよう、ここに簡単な用語集を用意しました。


A列車で行こう9・Exp.の信号機

A列車で行こう9・Exp.のダイヤ設定

列車と路線(ルート)

マップの作り方

路線図とマップコンストラクション

マニュアル対照表

公式ガイドブック対照表


References


Descriptions and More

  • このページのもとになった記事(※ただし口語で長文です)がフォーラムで読めますので、詳しいことが知りたいときは参照してください。

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