[ DATT-A9D > マップの作り方 ]
DATT-A9Dは、A列車で行こう9で理数探究が楽しめる世界初のサイトです。理数探究に必須のツール「R」(入手は無料)に親しみます。特異値分解から駅名のつけ方まで、創作ゲームに不可欠の再現性を確保したアルゴリズミックな地形データの取扱いを学ぶ。地理的分野に関する読む・聞く・書く・話すの4技能をバランスよく育みます。理数探究基礎で学ぶ「研究倫理」に対応する知的財産の種類とコンプライアンスあり。(最終更新:2024年11月21日)
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マップの準備 | 地形の自動生成を使おう |
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マップの命名 | 地形に合った地名にする |
マップの都市計画 | 土地利用を定めよう |
マップの交通網 | 正確に作図しよう |
オリジナルのマップを自作するのがA列車の醍醐味の1つ。狭義の「マップコンストラクション」に限定せず、ゲームモード(「創作ゲーム」の制作・配布)にも通用する「マップの作り方」に迫ります。ここでは、ゲームの舞台(ステージ)となる「マップ」(地形・地勢)に焦点をあてます。うわべのストーリーやシナリオ(筋書き・ト書き)だけで強引に展開するのでなく、まずはきちんとした舞台をつくろう。自作マップを非常に自然な地形にしてくれる「A列車で行こう9」の「地形の自動生成」を詳説。マップの「お題」は言葉だけで考えず、生成された地形の中から見い出そう。マップのタイトルやゲームの中の会社名や駅名も、地形に即して自然に決めていこう。ちなみに酪農が盛んな千葉県の学校では「醍醐味」という言葉を少し詳しく教わるものです。何かにつけて醍醐味と言ったり、醍醐味という言葉を持ち出すだけで満足するきらいがあるのは、千葉(習志野・稲毛海岸・海浜幕張)で生まれた「A列車で行こう」シリーズならではといえるでしょう。
ここで、「A列車で行こう9」の最初のリリース(のちにいうA9V1)のトレーラー(予告編)を振り返ってみましょう。字幕の1字1句を正確に読んでみてください。「A列車で行こう9」とは、どんなゲームでしょうか。この映像で説明されることがすべてではないでしょうか。使い放題の素材とでもいわんばかりに「A列車で行こう9」を単に鉄道の3DCGを描き出すソフトとして使うだけでは、「A列車で行こう9」とはどんなゲームであるかということを忘れていってしまいます。PCゲームとしての「A列車で行こう9」は2010年2月に発売されて13年目になりますが、ソニーの家庭用ゲーム機「PS4」に移植された「A列車で行こうExp.」の発売は2017年で、そんなに古いわけではありません。PC版よりもいくらかは安価なPS4版は中高生にも手の届きやすいもので、毎年、新しいプレーヤーを“A列車ワールド”に迎え入れる役割を果たしています。このゲームを、これから新しくプレーする人のために。2022年度からの高校生は理数探究基礎を学び、いよいよ理数探究に取り組んでいきます。三丁目の角のネクスト・ジェネレーション。世界が、変わります。なお、本作に「ネオツリー」の名前で登場する「東京スカイツリー」が完成したのは2012年2月です。
(説明)
※さらにお求めやすく小学生に人気と見受けられる3DS版「A列車で行こう3D」(2014年2月13日)では「地域設定」という機能がある。「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)にはそのような機能はないが、ここで、機能がないから何もしない、あるいはどうしたらよいかわからないから何もしないというのでなく、3DS版と同じようにしてみよう(正確性)、もっとよいやり方でやってみよう(新規性)、アルゴリズムで自動でできないか(再現性)、と順を追って考えていくことが大事。Switch版「A列車で行こう はじまる観光計画」(2021年3月12日)では、よく勉強されて制作されているのはわかるが、「先輩のノートのコピー」を丸暗記するだけのようになってしまっていて、もともとの教科書の内容や先生の教え方をぜんぶ無視した非常に自分勝手で横柄な印象の実装になってしまっている。参考文献をまったく挙げず、いきなり自分の感想だけを書くエッセーのような状態といえる。いくらゲームソフトとはいえ、鉄道という工学ど真ん中の題材を取り上げる限りは、高専や工学部の卒研と同じように取り組んでほしい。できることなら工学部の先生の監修を受けてほしい。ゲームのプランナーとしてはプロだろうがベテランだろうが、自分の専門外の専門を無視または軽視して自分勝手なことをしてしまうのはたいへんよろしくない。
「A列車で理数探究」とは、学校での理数探究の取り組みを補完する家庭での独習です。上述の「マップの「お題」は言葉だけで考えず生成された地形の中から見い出しましょう」とは、理数探究での「テーマの決め方」というトピックに呼応するものです。ニュースで聞きかじったキーワードをただ並べただけのようなテーマやタイトルにするのでなく、まずデータがあり、そのデータにふさわしい研究方法があって、研究が成り立つのです。もともとコンピューターゲームは理工系の研究室での遊びとして生まれました。特に「A列車で行こう」シリーズのような「シミュレーションゲーム」と呼ばれるジャンルのゲームは、もともと研究室でコンピューターを使って行なっていたシミュレーションという研究方法を遊びに転じたものです。シミュレーションとは、本物そっくりにすることではなく、条件を変えながら何度も繰り返し試すことをいいます。デートのプランを練りながら何度も繰り返し試す「恋愛シミュレーション」は、まさにシミュレーションであります。
※ここではGISには深入りしません。GISというものがどのようにできているかを素朴に追体験するような学びができればと思います。クラスターの色分けはランダムで、色に意味はありません。
論文の査読は「ブラインド」(匿名)で行なうのが主流です。論文の採否は名前でも肩書きでもなく、その内容そのもので決まるのです。このサイトの全体を通じても、先行研究の調べ方(必ずじゅうぶんにサーベイを尽くす必要があるということ)や参考文献の挙げ方(必ず参考文献を挙げる必要があるということ)、試作品のデモンストレーションのしかた(産業的な諸権利の適切な取扱い)、サイエンスや工学の文章の正確な読み書きのしかた(ただし特許を除く)など、学校での理数探究と、その先にある研究や開発という活動を念頭にした考え方や方法(やり方)を提示しています。こうしたものをその場限りのものとはせず、着実にじぶんのものにしていってください。数学で習う「行列」は、例えば「A列車で行こう9」の地形データの解析にも使えるのです。
PCゲームは大学生の遊び
レトロゲームでは画面の解像度が低く、ゲーム内ではマップの全景を表示することが困難だったので、ゲーム雑誌の紙面では画面写真をつなぎあわせた「マップ全景」の類が好評を博していた。実は「A列車で行こう9」でも、ゲーム内ではマップの全景は表示できない。このサイトでは往年のゲーム雑誌のはるか上をゆくインテリジェントでエレガントな「マップ全景」描画方法を考案し「スーパーカタクリコR」と命名したので
ゆっくりして楽しんでいってほしい(同じ方法を誰でもどんどん使ってください)。なお、このように自作のものを自画自賛してみせるのも往年のゲーム雑誌に倣ったもの。自画自賛とはいうけれど、理工系の論文でじぶんたちの提案手法を正しく自画自賛するのは必要なことだ。ビデオゲーム黎明期の雑誌ではコンピューターに詳しい理工系の大学生がアルバイトとして重宝されていて、ほかのジャンルよりは理工系っぽい表現が紙面に多かったのだ。(ただし漫画誌に由来するゲーム雑誌を除く。編集部の「社員さん」がゲーム雑誌の前に何を担当していたかで、かなりカラーが異なる。)ページが余ったからなんか書けと言われれば、大学に提出したレポートの焼き直しを送り付けるのである。レポートが課されるのは一般教養の文系の科目だから、いかにも理工系の大学生が必要以上に高尚そうに書いた文章になるものだ。ゲーム雑誌のくせに唐突に高尚そうな記事が混ざるのはこのためである。長閑な時代であった。当時の大学生は、いまや60代。さらに、当時の編集部でアルバイトの大学生たちをマネージしていた人たちは70代以上である。若者が素朴に思うよりはるかに高い年齢層にまで、ビデオゲームを深く理解する人たちは存在するのだ。
- ユナイテッドシネマ豊洲での発表会(2009年12月10日)
- 「開発や発表会で用いられた推奨モデル」(2010年2月8日)
- 最初の1プレーに12万円かかるゲーム(2018年9月13日)
- 別名「ミセス・合い見積もり」(2019年11月1日)
- アーケード「A列車で行こう9」への道(2020年9月16日)
- 徹夜のスズメ「サブマリン浮上せよ」と「メタゲーム(ゲーム外ゲーム)」(2021年3月1日)
- 副詞はむずかしい!!(2021年5月31日)
- 無名の川越と渡辺と中村と「読んでいない本について堂々と語る方法」(2022年1月1日)
- 北原白秋の甥の玄光社とイチローさん(2022年5月1日)
- 「PCとSwitchは全然別物なんでしょうか??」とPS2「プラレール ~夢がいっぱい! プラレールで行こう!~」(2022年10月1日)
- 図書館ツアーという名の『隠し単位』(2023年3月3日)
- 千葉大学生協「単位おにぎり」(2016年10月27日)
- 愛知県公立大学生活協同組合「大学から提供されているOfficeライセンスは卒業すると使用できなくなります。」
- 内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」(2010年3月)
【おことわり】このサイトの文章は大学入試相当の文章を正確に読めることを前提にして書いています。四谷学院によりますと「目・手を速く動かせるということと、速く読めるということは全く別の問題である」ということです。このサイトのアクセスログを見ても、まったくもって四谷学院のいうとおり「ものすごく処理が速いように見えますが、残念な」「せわしなく何回も冊子を前後に往復」という感じのユーザーがたいへん目につきます。何をどうやっても長い文章は長い。どっしりと腰を据えて読解に取り組んでください。これは受験生だけでなく大人も同じです。
(このサイトの初版公開:2018年8月1日、地域の土地利用の初出:2018年9月28日、地形が気に入らないときはの初出:2019年7月1日、駅名のつけ方の初出:2020年2月10日)
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