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ゲームの上にも10年:エバーグリーンなヒントとテクニック。(最終更新:2024年4月20日)


マップ外接続(隣町)の楽しみ

マップ外接続(隣町)とは

「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)では、マップからマップの外に向かって線路や道路をつなぎ、列車や自動車を行き来させることができる。このことをマップ外接続といい、マップの外のことを「隣町」と呼ぶ。なお、「隣町」はゲームの画面ではただのまっくらやみだ。何かグラフィックが表示されるとか、画面が切り替わるというようなことはない。「舞台袖に消える」という表現なのだと思えばよい。

マップ外接続の線路・道路の注意点
線路・道路の向きマップの辺に対して直角
地平・高架の線路・道路そのまま接続できる
水面に架けた線路・道路接続できる
トンネル(地下や山の中)の線路・道路マップの端で地平・高架にしてから接続
線路・道路のトラス橋や道路のアーチ橋は使えない
鉄道道路併用橋・立体交差(特殊建設接続には使えない
複線の高速線路マップ外接続に最適
単線の線路列車同士の競合に注意
曲線・勾配の線路・道路接続地点の直前では使わないほうがよい


A列車で行こう9 JR東海パック」(2015年12月発売)で追加された「高速線路」を使うと、マップの外から戻ってくる列車とぶつからずに別の列車をマップの外に送り出すことができ、「隣町」との間の行き来を大幅に増やすことができる。これで過密路線の再現も楽々だ。機関車けん引列車の場合、必ず機関車が先頭になる向きで戻ってきてくれるので便利だ。「高速線路」は高架だけでなく地面にも敷ける。「高速線路」を使ってマップ外接続すると、線路のパーツがマップの外に突き出すかたちになり、マップ外接続ができたことが見た目でわかりやすいのでおすすめだ。なお「高速線路」は、PS4版「A列車で行こうExp.」の全バージョンとPC版のA9V5でも使える。(A9V3以前のバージョンと、「JR東海パック」を入れていないA9V4では使えない。)

鉄道道路併用橋などの特殊な橋を使ってかっこよく列車を隣町に向かわせたい場合、マップの端より少し手前までの位置に橋をつくり、その先で「高速線路」を使ってマップ外接続すればよい。

隣町とのつなぎ方

  1. マップ外接続したい地点にカメラ(視点)を移動する
  2. 「Rail」メニューから線路の敷設を開始する
  3. マップ内からマップ外に向かって直角に刺さる向きで線路の予定線(黄色で表示される線路)を引く(カーソルをマップ外まで動かすつもりで)
  4. 終端に車止めのない特別な線路になったことを確認する
  5. 予定線を確定する

マップ外接続の線路・道路をうまく敷設するコツは、マップ外接続したい地点に移動してから敷設すること。あまり離れたところから長い線路・道路を引こうとすると、思わぬ線形になって、思い通りに引けなかったり、斜めになってマップ外接続できなかったりする。また、マップの端や外側からマップ内に向かって敷設することはできない。マップ外接続したい線路・道路は、必ずマップの内側から外側に向かって引く必要があるカーソルをマップ外まで動かすつもりで、操作しやすい、見やすい向きに視点を変えてから敷設しよう。車止めのない線路になったことを確認するのが鉄則だ。

うまくできないときの確認事項

線路敷設の全般的なコツや注意点は、公式のオンラインマニュアル、公式の動画ガイド、公式ガイドブック、こちらのページこちらのウィキを見れば理解できるはずである。「マウスの使い方」のコツや注意点は『それ以前』の話である。最近の学校ではマウスを使わずにPCを使うという信じられない光景が広がっており、「PCを使っている人ならマウスも使えるはずだ」という前提が崩れてきている。

「隣町」と『隣接』を混同するな

A列車で行こう9 プロフェッショナル公式ガイドブック」(068ページ)には、マップの四方の外に、じぶんのマップと同じ大きさ・形の「隣町」が、じぶんのマップの4辺と接して隣り合うイメージ(下図左)が掲載されている。しかし、このイメージでは、じぶんのマップの4隅から斜めに外のところには行けないのかな、といった無用な心配を読者に抱かせてしまう。「隣町」とは抽象的な概念である。じぶんの都市以外の都市ぜんぶを包括的に指す、論理演算の「NOT」である。「隣町」が具体的にいくつあるといったことにはフォーカスしない言いかたである。一般の国語辞典の「隣町」の語釈は大幅に不足している。じぶんの住む村や町には大きな病院や花火大会のできる河川敷あるいは駅弁大会のあるデパートもしくは清掃工場などがないので、(それがある)じぶんの村や町より大きな町や市に出向いて用事を済ませることを「隣町へ行く」と言う。じぶんの住むところから外へ出向く必要があるということを言っており、「隣接」しているかどうかということよりも「越境」しないと用事が済まないことにフォーカスした言いかたになっているのだ。そのような国語上の直感にも素直に従えば、じぶんの都市接する都市だけでなく、どこまでも遠くのすべての都市を含む言いかたが「隣町」である。別の言いかたを探せば、「隣町」とは『お隣さん』という意味ではない。マニュアルに「隣町」と書いてあるからといって、鉄道模型の「モジュールレイアウト」のような『隣接マップ』というイメージを持ってしまうのでは、「隣町」という抽象的な概念を理解していないと言われても反論できまい。

※「隣町」という呼びかたは説明のためのもので、ゲーム画面の中に「隣町」といったメニューやボタンやウィンドウが出てくるわけではない。マニュアルをまったく読まずにプレーしていたら「マップ外接続(隣町)」という仕様があること自体に気がつかない恐れがある

「A列車で行こう9」におけるマップ外接続という実地の仕様実装)の挙動に基づいて理解しなおせば、下図右のイメージになる。マップ外に出た列車は一定の時間で戻ってくる。マップの外の比較的近いところに仮想的な駅があるというイメージだ。その駅にも「半径400m」くらいの「影響範囲」があるものとすれば、じぶんのマップの4隅から斜めに外のところも、その「影響範囲」には含まれるイメージになり、不自然な感じは特にない。成田空港から海外旅行するために前日の夜に成田空港周辺のホテルに宿泊する人もいます

※念のために改めて書き添えるが、複数のマップをつなげて大きくして遊べるということではない

このサイトでも、ダイヤ設定の説明などの中で便宜的に「東の隣町」「西の隣町」という呼びかたをしているが、この場合にいう方角は、マップの中心から見ての方角である。じぶんのマップの東隣や西隣に(辺を共有して)隣接するという見かたをしてしまうと、各辺が隣町との境界線のように感じられて硬直的かつ窮屈である。なお、日本では東海道本線や東海道新幹線を念頭に、鉄道は東西に長いものという感覚を持つ人が多いと思われるので、「隣町」の例として東と西を挙げた。仮に、現実の鉄道から離れて独自のストーリーを構想する場合でも、わたしたちの顔には右目と左目があり、視界の中で上下方向よりも水平方向のほうに細かい注意が向くという特性があるので、長い路線を見せたいときはやはり横方向(上が北の地図でいえば東西方向)で見せるのが妥当であろう。

今作ではマップは正方形だが、マップは円形でもよかったのかもしれない正方形の内接円(いわば国電区間)と外接円もしくはもう少し大きめの円(いわば近郊区間)を考えればよい。あくまで見かけ上、マップは正方形だが、厳密にその形の(正方形の)じぶんの都市があるというイメージでなく、じぶんの管轄が及ぶ範囲を便宜的に表わしていると考えるほうが自然である。(そもそも「A列車で行こうシリーズ」は「シムシティシリーズ」とは違って、都市を舞台に市長を演じるゲームではない。ゲームのマップ1つが1つの都市だという思い込みはしないように。)「A列車で行こう9」の正方形のマップの中で、中心部(都心にはじぶんの都市(いわば本拠地=本社所在地)があるものとして、その周辺部(外郭には「隣町」がすぐにある、マップ内でも端のほうには「隣町」が見えているという感覚でマップをつくっていくほうが柔軟に楽しめるだろう。じぶんの都市よほど大きいというストーリーなら、マップの外にもはみ出した部分があるという見かたをしてもよい。なお、描画可能な範囲は視点から「5km」先まで。マップの中心から「半径5kmの円」の内側は見通せるが、マップの4隅は霞んで見えないという表現になっている。これが、ここでいう正方形の内接円が持つゲーム上の意味だ。そもそもマップの4隅という重箱の隅のような場所は気にしないで遊んでほしいという作者からのメッセージなのだと思っておこう。

位相幾何学では正方形と円の区別はない

マップ外接続は、何ヶ所でもつくることができ、どの列車・自動車でも送り込むことができる。同時に多数の旅客列車を送り込んでも、マップに戻ってくる列車の乗客数が減ることはない。貨物列車やトラックでは、「隣町」には無限の資材があり、生産を待つことなくいつでもいくつでも運んでくることができる。こちらから資材を運ぶときも、「隣町」が受け入れる資材の上限はない。「隣町」が具体的にいくつあるかをあえて考えてプレーしたい場合は、マップ外接続の地点をつくった数だけ「隣町」があると思えばよいだろう。

※「プロフェッショナル公式ガイドブック」に『隣接マップ』とは書かれていないが、マニュアルにはない「隣町と接続」という字面がある。マニュアルでは「接続」という具体的な操作を言うときは「マップ外」とだけ呼ぶ。「隣町と接続」を斜めに読んで『隣接』と混同する読者が出ないように「接続」という言葉と「隣町」という言葉を並べないほうが親切な紙面といえるだろう。なお、「マップ外接続」という呼びかたの初出は確認できなかったが、多くのプレーヤーが「マップ外接続」という呼びかたで了解していることは、Googleで検索するだけですぐにわかる。「高速線路」を含む「JR東海パック」の発表直前に「マップ外接続」という呼びかたとともに「JR東海パック」がほしくなるようなプロモーションとしてニコニコ動画で「マップ外接続」がアピールされた気配があるほか、A9V4の「JR東海パック」発売後のアップデートパッチ(「Version 4.00 Build 2522」)の説明に出てくる「マップ外の隣町へ接続」の文言が短縮されたものとも思われる。「マップ外接続」という呼びかたは、2015年9月のニコニコ動画に頻出している。「JR東海パック」発売予定の発表の、ちょうど1ヶ月ほど前。なんともタイムリーである

マップ外接続と高速線路・道路に関する既知の問題

道路・「高速線路」を使ったマップ外接続では、その直前に曲線区間や勾配(坂道)があると、マップの外に出て行く自動車・列車の速度制御の動作(曲線や勾配で減速していたものが最高速度まで加速する)と隣町に消える動作との不整合があるようで、自動車・列車が詰まってしまう問題がある。詰まってしまったときは「撤去」して、別の場所に「配置」し直すしかない。(「撤去」だけでは車両の座標が更新されず、別の場所に「配置」し直して、車両の座標を更新させる必要がある。)この問題は、マップ外接続の直前の位置に曲線や勾配をつくらない(マップの端から、列車の編成全体の長さの平坦な直線区間を確保する)ことによって回避できる。(「高速線路」を使うのは(マップの端の)マップ外接続に必要な部分だけにしてもよく、その手前にトラス橋や地平の線路、踏切などをつくってもよいが、曲線と勾配をつくらないということ。ポイントもだめで、位置や複線間隔がずれた線路をつなぐ特殊な線路もだめ。)

「詳細ダイヤグラム」の「乗客対応」の「乗車」を使って、複数の駅から乗客を集めた列車を「隣町」に送ると、定員×最大乗車率を超える乗客数になってマップに戻ってくる場合がある。このようになった列車がに到着すると「マイナスの収入」が計上される(それまでにあった列車の収入が減る)バグがある。「隣町」に送る列車の「乗客対応」は、よく考えて設定しよう。途中駅を通過させるなどして、空の列車に乗客を乗せて最初に出発した駅(「乗り降り」に設定した駅)からの乗客だけにしてあれば問題は起きないはずだ。あくまで複数の駅から乗客を集めて走らせるなら、マップの外に出る直前に駅を設けて「降車」させてもよい。


マップ外接続と複々線



【豆知識】過去作の「A列車で行こう4」(A.IVえーふぉー)では、隣町とつながる線路をプレーヤーが自由に設置することはできなかった。マップに最初から用意されている特定の線路だけが隣町との行き来を可能にしていた。古参のプレーヤーには未だにA.IV(A4)の記憶がこびりついているので、「A列車で行こう9」でマップ外接続(隣町)が自由にできるようになっても、それを使うのはズルだとか、そもそもどう使えばいいかわからないとか、単にわからないから使えないだけなのに、わからないという恥ずかしさを隠そうとしてか、使わないほうがよい理由をでっちあげてしまうといった、そういう残念なことが起きているように思う。このゲームを新しく始める若いひとには、変な先入観なしで、マップ外接続(隣町)を自由な想像のもと、のびのびと使ってほしい。本作のシリーズとしては派生版になるが、Nintendo Switch対応の「A列車で行こう はじまる観光計画」では、むしろ隣町からの「流入(インバウンド)」(「観光入込客(かんこういりこみきゃく)」)をさばくという、隣町とつながることが大前提というゲーム性に刷新されている。そのように考えたほうが想像力が刺激されて楽しいということに異論はないだろう。なお、GoogleサジェストによればSwitch版「A列車」が「わからない」「難しい」「できない」という検索が多いという。このような訴えをする(おそらく)子どものプレーヤーにとっては、ゲームの内容がどうこうという以前に「まだ習ってないこと」「まだ知らないこと」が多過ぎるのである。小学生に「隣町」という概念を正確に実感を伴って理解せよというのは無謀であるし、そんなことを気にせずわたしたちのまちわたしたちのがっこうの中だけでのびのびと成長できることこそが貴重なことだ。「全年齢対象」という表示はうそではないが大うそである。知らない大人と話してはいけない。観光地の地元の子どもにとって「観光入込客」など、まるで鬼が徘徊しているも同然であろう。


情景はアイデアしだい



マップ外接続の実用性

マップ内につくった複線の路線は、両端の終点の駅でポイントの設定をしないとうまく運行できない。これが面倒なら、両端とも「高速線路」で「隣町」につなげてしまうのも手だ。ポイントの設定が一切不要で複線の路線で高密度な運行ができる。あまりダイヤにこだわらない、いわば遠景のような(雰囲気だけつくる)路線を増やしたいときに手間が省ける。詳しくは「施設を直そう」を参照のこと。

このことはゲームならではの突飛な方法ということでも手抜きということでもなく、実際に新宿駅や東京駅では国電(緩行線)の折り返しをしないで、折り返しは郊外の駅に任せるという運行管理(列車制御)になっている。

マップ外接続を自然に見せるコツ

【豆知識】「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)では、「隣町」のほうから勝手に列車が来ることはない。プレーヤーがマップ内からマップ外へ送り出した列車が、一定の時間(※実時間で60秒ほど)マップ外で消えていて、その後、再び現れて、マップ内に戻ってくるという表現になっている。途中駅をすべて通過する特急列車や貨物列車の運転時刻を調整したいときは、マップ内に設置した駅や操車場で「乗客対応」の「なし」を使って「運転停車」させよう。こうすれば、停車させて時間調整をしても運賃は長距離で通しの計算となる。

マップ外接続(隣町)を活かす情景とは


時間拡張「30倍」のとき「30分」で戻ってくる

「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)では、マップ外(隣町)に出た列車・自動車は、ゲーム内の時計で(時間拡張「30倍」のとき)およそ30分ほど(※実時間で60秒ほど)でマップ内に戻ってくる。複線の「高速線路」を使う場合に限っては、戻ってこないうちにさらに別の列車・自動車を同じ接続地点から送り出しても問題ない。送り出した順番に戻ってきてくれる。例えば、マップ内の駅から(時間拡張「30倍」のとき)15分間隔で発車させてマップ外接続の線路に送り出せば、マップ外(隣町)からも15分間隔で列車が戻ってくる。あまり時隔(ダイヤグラム上のスジとスジの間隔)を詰めすぎると思わぬところで詰まってしまうかもしれないから、(時間拡張「30倍」のとき)15分間隔くらいが限度だろう。

※時間拡張にかかわらず実時間で60秒ほどという一定の時間で戻ってくるようだ。列車の速度(「巡航速度」あるいは速度制限標識による速度)によって多少の差がつくが、実時間で数秒もの差がつくわけではない(速度を上げても半分の時間で戻ってきたりはしない)ので、駅のダイヤ設定で吸収できるだろう。

このとき、同じ種類の車両を立て続けに送り出していると、見た目だけではどの車両がいつ戻ってきたのかをわからなくすることができる。ダイヤを工夫すれば、手持ちの車両数(編成数)より非常に多くの車両が走っているような錯覚を得ることもできる。同じ種類の車両を立て続けに送り出す場合、(時間拡張「30倍」のとき)15分間隔では列車が多過ぎる印象が出てしまうので(時間拡張「30倍」のとき)20分間隔くらいにするとよいだろう。あくまで(時間拡張「30倍」のとき)15分間隔まで詰めたい(せわしなくしたい)という場合は、種類の違う列車が交互に走るようにすると実感的だ。10両編成に5両の付属編成を連結させた湘南新宿ラインと10両編成の相鉄線直通列車埼京線)を交互に走らせれば満点である。湘南新宿ラインは何両編成ですか週末のグリーン車は忙しいですか。まさに乾杯とは杯を乾かすことである列をなして走るクルマと書いて『列車』。12両編成の新快速と6両と3両に3両を増結した特急でもよい。このようなせわしない線区という情景にするために、実際の路線網と同様、複数の路線合流させてからマップ外接続するとよいだろう。このような使い方を前提にすると、「A列車で行こう9」のマップ外接続というものが街はずれや県境の山奥ではなく、大都会の情景になるのだ。マップ外接続した先には、じぶんの都市よりも大きな都会があるという想像ができてくる。

※「隣町」に行って戻ってくるのにかかる時間から、そういう長さの線路がそこにあるものと考えてダイヤグラムを描くとすると、マップ外接続(隣町)にかかる区間は山手貨物線のようにスジが『寝る』(遅い列車に合わせるので単調で平行になる)。なお、あくまで「A列車で行こう9」ならではの奇想天外でユニークなおかつトリッキーということになるが、東西の「隣町」に直通する路線のダイヤグラムや時刻表を「OuDia」で書く(描く)ときは、東向きと西向きを別々に書き起こすことになるので、これを活かして、例えば東向きのダイヤで、マップ内の最後の駅(「隣町」の手前の駅)から「東の隣町」までの距離や着時刻を、マップ外に出てから戻ってきて(西向きで)マップ内の最初の駅(先ほど発車した駅)に到着するまでの時間とその着時刻を用いるということにすればよい。また、西向きのダイヤでは、東向きでマップ外に出る直前の駅の発時刻を、「東の隣町」の発時刻とみなせばよい。マップ外に出てから戻ってくるまでのスジを、上りと下りの両方に重複して描くのである。頭は使うものです

逆に、編成が短ければ(時間拡張「30倍」のとき)15分間隔よりも、もう少し詰めることができるかもしれない。私鉄のように短い編成を使えば、各駅停車が急行に追いつかれそうになりながらも逃げきる感じに時隔を詰めた情景も描けるだろう。編成ごとに上りだけ急行/下りだけ急行に分けて交互に走らせれば、追い越し設備なしでもそれらしく急行運転ができる。


列車タイプで「隣町までの距離」を演出しよう

「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)では、列車の最大乗車率と運賃計算のしかたに違いのある「列車タイプ」というパラメータ(ゲーム要素)がある。マップ内での運行でも、発駅と着駅の直線距離に応じて「列車タイプ」を使い分けるのが基本である。この「列車タイプ」と距離の関係が、マップ外接続(隣町)を活かした情景づくりにも応用できる。

マップ外接続(隣町)を使う場合、列車番号を見れば確かに同じ列車が(時間拡張「30倍」のとき)およそ30分ほどで戻ってきたというせわしないことになっているのだが、これを、何時間も前に送り出した別の特急列車が、マップの外ではるか遠くまで往復してきて、いまやっと戻ってきたのだというふうにじぶんでじぶんをだますのである。このように、マップ外接続とは、書いて字の通りの意味を超えて、とても奥深い表現の方法なのだ。

「マップの広さ」とマップ外接続


東京大阪名古屋で、大都市交通センサスの調査圏域の大きさ(円の半径)は実態に応じて大小の差がつけられている。この円の半径が大きくなるのはスプロール現象によるところが大きい。円がぶくぶくと大きくなるほうにはだらしないほど際限がないと思ってよく、円が大きいということはまったく自慢にならない。このような円の具体的な大きさによらず、ある程度の範囲を境にして土地利用が変わるようすを国鉄・JRの文脈でいえば国電区間と近郊区間ということになる。「A列車で行こう9」でいう「マップの広さは10km四方」という公式の説明の数字をうのみにしないで、もっと主観的に遊んでよい。ところで、なぜか大阪の電車特定区間は西明石と長尾まで広がっている西明石から長尾まで1,440円・86.9キロで、逗子から大宮までの1,441円・85.2キロと同じくらいである。

千葉では、成東勝浦鹿島神宮から東京へ直通する快速列車がある。茨城では、普通列車グリーン車のついた電車が北茨城市の大津港まで走る。このような列車は早朝と深夜の1日1便や、数本だけの通勤快速というのがふつうである。「A列車で行こう9」のマップ外接続(隣町)を使用する時間帯をあえて限定して、この手の列車の雰囲気を出すのもよいだろう。


マップ外接続での運賃収入

乗客を乗せて「隣町」に送り出した列車の収入は、発駅からマップ外接続の地点までの直線距離ではなく、発駅の座標のxまたはyを単純に0や10240にした座標との直線距離で計算されるようである。発駅から斜めに進んで「隣町」に出ると大損する場合があるので要注意だ。「隣町」へ向かうルートは斜めに引かず、マップの辺に対してド直球で、正拳突き直角にするとよい。A列車で行こうの運賃はいくらですか


マップ外(隣町)からの乗客数

「A列車で行こう9」でのマップ外(隣町)からの乗客数の決まり方

  1. 『マップの「人口」÷200』
  2. この数字より定員が多い列車を送り込んでも、この数字までしか乗車してこない
  3. 列車の「最大乗車率」にかかわらず「乗車率100%まで(定員通り)」乗車してくる
  4. 都市のタイプ」に応じた「乗客発生時間帯乗客発生のメカニズム)」のヒストグラムが適用される
  5. 景気グラフ」によって変動する(午前0時の「景気グラフ」が基準か)
  6. 産業構成比」によって平日休日の乗客数に差がつく

説明

※リバースエンジニアリングは行なわず、ゲーム内での通常の操作により調べたものである。あなたも同じ方法で調べることができる。このことを「再現性がある」といいます


さらに詳しく

DOTS(直接服薬確認療法)」と同じ考えで、上掲の「鉄道トリビア」(※バックナンバー全483件から25件を厳選)は、確実に、いまここで、ぜんぶ読んでください。(指導者や保護者が確認してください。)1都3県電車を利用しながらふつうに育った多くの人は、これらの「鉄道トリビア」を空気のように会得しています。この内容が「マイナビ」で連載されている意味も考えてください。先に上京した者が後から上京してくる者に向かって先輩風を吹かせる1都3県で社会人や学生として生活するには、少なくともここに挙げた25件の内容は知っている必要があります。これらの内容をいままで知らなかったとしても臆することはありません。いまここで、確実に知ればよいだけのことです。もともとの連載はかなり細切れで順番も気まぐれですが、ここでは内容を理解しやすく、あわよくば関連付けて覚えやすいように配列を工夫しました。ぜひ、ここに挙げた順番で、途中を飛ばさずに読んでみてください。なお、鉄道の大きな工事は常に淡々と続いていますが、特に2010年代には興味深い工事が多く、2015年度には15年に1度の交通政策審議会の答申もあり、このような内容に多くの人が興味を持ちやすく、また学びやすい環境にあったということを申し添えます。


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