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我が物顔で石庭に出入りするネコ。乗客よりネコのほうが多いとも言われる鶴見線。山手線の車窓から空き地の隅で用を足すネコと目が合うこともあるのだ。(最終更新:2026年9月14日)


[ 列車の運行制御(コントロール) | 列車と路線(ルート) ]

チュートリアル

チュートリアルとは(はじめにお読みください)

「チュートリアル」は「マニュアルの代わり」ではありません。マニュアルの熟読を前提とし、操作方法は説明しません。「親切なチュートリアル」という決まり文句があるせいで誤解する人がいますが「チュートリアル」の目的は「親切」ではなく手段でもありません。プレーの責任はプレーヤー自身にあります。PS4「A列車で行こうExp.」の「トロフィー」およびSwitch2「A列車で行こう9 Evolution」の「クリア条件」は扱いません。

夕日町計画説明スーパーカタクリコRラピエ・ドリーネ・ポドゾル!とは

A9V2夕日町計画」を例に説明しています。


A列車の路線網の作り方

A列車の路線網の作り方
  1. マップの地形をよく解釈する
  2. 列車と路線は(ある程度)同時に考える
  3. マップ全体をカバーする路線網を構築しよう
  4. 収支が物足りないときは列車と路線を見直そう
  5. ゲームの進行に合わせて計画を見直そう

※JRでは「見直し」という言葉は「削減」「凍結」「延期」などを意味する。「廃止」や「中止」を決めたものではなく状況しだいで元に戻すこともあるという表現である。

夕日町計画説明1

地形の解釈

地形の解釈説明

「A列車で行こう9」のマップにおける「地形の解釈」とは、理科や社会科で習った単元を思い出しながら「ここはこれかな」と想像する程度とりあえずはじゅうぶんである。もとよりゲームのマップに厳密な地質は定義されていない。ここでいう「地形の解釈」とは『正解』を探り当てるものではなく、ゲームのマップをよりリアルに感じるためのストーリーとして深めるべきものと言える。もっぱらゲームに対して使われる「攻略」という言葉。アウトドアの文脈で「地形」とは「攻略」するものである。この意味ではゲームにおける「地形の解釈」こそが「攻略」であり、「地形の解釈」に取り組まないものは「攻略」とは呼べない。

冒頭の図にある「軟弱地盤」や「地下水(湧水)」の範囲は、厳密な境界を示すものではなく、マップ内で相対的に特に注意という地質の分布として想定したものである。詳細は割愛するが、ハイトマップ(標高データ)を一定のアルゴリズムで解析し、マップ内の平地を一定の数のクラスターに分け、そのクラスターを単位として一定の地質を想定している。これは、アルゴリズムを用いなくてもプレーヤーが直感的に感じ取るであろう地質とよく一致する。ゲームのマップの地質は想像するしかないものではあるが、想像のしかたは完全に自由というわけではなく、一定の範囲に収れんするものだということを理解しよう。

同様に「自然堤防」「旧河道・氾濫原」をクラスター単位で割り当てたので不自然な図になってしまった。実際には川の蛇行に沿って目まぐるしく地質が切り換わる。この2つの地質は、端的に言えば「水はけのよい畑」「特に水はけがよいが傾斜のある果樹園」「そうでない水田や沼」に直結する。板橋や取手など、高度経済成長期には都心から出る建設残土により川沿いの低湿地を造成して大規模な住宅団地を建てたケースが多い。最近でも「さいたま新都心」の造成に建設残土の受け入れがあった。電波塔の誘致では落選したが「NTTドコモさいたまビル」は災害時のバックアップと位置付けられているようである。

ここで取り上げる「夕日町計画」のマップではいかにも作者が手でマウスを動かして引いたような1本の線として「1本の川」だけが引かれているが、これも厳密に川は1本しかないと受け取るよりも、マップ内で最も特筆すべき水系を示したものと受け取るほうが広がりが出る。「地下水(湧水)」の範囲のキワ(ヘリ)にも川ができるはずだ。「五重塔」が建っている「池」は、その場所で自噴しているのだ。我が物顔で石庭に出入りするネコが実に気持ちよさそうに寝転んでいる。石庭は崩れるのだが「ネコのすることですから」と飄々としている。尖った山は目印として重宝され、かなり遠方からでも山を目指して一直線の街道が通る。軍師なら北極星を目印に正確な東西南北の道を平地の真ん中からいきなり引き始めることができるだろう。

※「A列車で行こう9」の地形は、理科室の外の廊下の壁に垂直にかけてあることが多い立体の地形の模型を模した表示となっており、視点を外側へ引くと「断面」が見える。その色から「チョコレートケーキ」を連想する人もいることがSNSの類ユニークで類を見ないを検索するとわかる。一方で、「マップコンストラクションモード」を取り上げる投稿や動画では、かけた労力を「完全手動」といったタグによりほめそやす風潮がある。美術を選択した高校生にあっては、石膏を使う彫刻の感覚を持ち込んでしまうことから「チョコレートケーキ」に例えてしまうのだろうが、それでは「風化」しか説明できないことになる。「地形の解釈」とは、「風化」1つだけを説明して満足することではない。

路線網の構築

ユーザー(プレーヤー)がWindowsでマウスに慣れていることを前提とする「A列車で行こう9」では「マウスジェスチャー」とも呼ばれるマウスの繊細な操作により線路を22.5度単位で引くシステムになっており、コンシューマー機のコントローラでの操作を念頭に妥協された45度単位のシステムに対する明確なアドバンテージとなっている。また、マウスとはいえ「ドラッグ&ドロップ」を使わない操作体系は「CAD」に由来しており得も言われぬプロフェッショナル感をよく醸成していると言えよう。鉄道模型の「端数レール」や「バリアブルレール」のように、システムに起因する微妙なズレを強引に接続してしまえる機能もあり、線路は本当に自由自在に引けるという感覚がある。デフォルメされた路線図ではなく生の線形に近い線路を引くつもりで臨もう。

※線路パーツの配置が厳密すぎるトミックスの「鉄道模型レイアウター」などと比べると、「A列車で行こう9」の線路の引きやすさが際立つ。橋脚も自動でついてくれる。

つまり、「A列車で行こう9」における「路線網の構築」とは「路線図を描く」こととはまったく異なる。適当な線を引いて適当な間隔で駅を置く感覚ではだめだ。ターミナル駅となる地点をピンポイントで見定め、その駅間を無理のない線形で結ぶ。路線図の線とは異なり、何度も曲がりながら進むこととなる。同時に、ゲームの映像としてのリアリティも考える。単調な直線区間を造れば、距離が長いと錯覚させることができる。建物を近接させたりトンネルにすれば、低い速度でも高い速度感を与える。高速道路の安全運転にも共通する知見であり、詳しい説明がたくさんあるので探してほしい。極論すれば「A列車で行こう9」の「道路」は線路の線形や見通しの変化に関わる「踏切」と「こ線道」だけ造ればよい。JAFの優待の外食は安全運転のためにある。

路線網の構築説明

「A列車で行こう9」には「車窓モード」がある。実際に線路を引いて「車窓モード」での見え方を確かめながら、心ゆくまで試行錯誤を重ねよう。「車窓モード」では見えない部分に過度な労力を注ぐのは避けよう。このことは「駅の影響範囲」と「自動発展」というゲームシステムとも直結している。駅を中心に半径400mの範囲からしか乗客が集まらないため、駅から離れたところには建物が要らないのだ。「駅の影響範囲」を出たら一面の畑といった「景色の切り替わり」こそが、見た目としてもゲームシステムとしてもリアリティをもたらすのである。

ゲーム上の都合に合わせる形の「A列車で行こう9」での「路線網の構築」が「いかにもゲーム」で「人工的」に見えるのかといえば、むしろ現実の都市計画や土木そのものだということに気づくだろう。「路線図」を基準にし過ぎた認識こそがリアリティに欠けているのである。そもそも「路線図」とは「デフォルメ」されたものであるから当然ではあるが、「現実=自然」「ゲーム=不自然」という対立の構図に囚われると現実の都市計画や土木こそが人工的なものだということを忘れがちである。

日本の理科の教科書では長らく「電車は時速80キロ」と説明されてきた。マイカーで80km/hを出す恐ろしさと比べるまでもなく、80km/hは、かなりの速度である。実際の速度は区間によるが、運転士が目視で踏切内の安全を確認できる距離やブレーキにかかる時間からの逆算により、(小学校1年生に丸暗記させる交通安全教室といった文脈では)踏切を通過する電車は80km/hだと思っておくべきである。「A列車で行こう9」では、Version 4.0(A9V4)で「速度制限標識」が実装される前は「巡航速度」(列車の「購入」時に決める速度)で走るという仕様になっていた。この「巡航速度」のデフォルト値は「いわゆる表定速度(時刻表の所要時間を営業キロで割ったもの)」を意識した値であり、それなりにリアリティのある値となっていた。現行バージョンでは実際の鉄道のように「最高速度」を与えておいて「速度制限標識」で速度を落とせばよいのだが、もともとの「巡航速度」のまま淡々と走らせるのも決して悪くはない

「A列車で行こう9」では東西南北(90度単位)以外の向きの斜面はギザギザになる。地形編集により「築堤」にしたい区間は、線路を東西南北にまっすぐ向ける必要がある。「掘割」については建物の基部(石垣風またはコンクリート風)で地形を隠すテクニックが使える。リアリティとは加点ではなく減点で決まるものである。リアルに見えなくなる要素は徹底して排除する。ゲーム画面で最も美しいのは、むき出しの地面のテクスチャである。真に必要な物しか置かないことを徹底しよう。山手線の車窓から空き地の隅で用を足すネコと目が合うこともあるのだ。「無用の用」とは、まさにこのことを言う。

マップ全体をカバーする路線網とは、マップの全域に「駅の影響範囲」という半径400mの円を「最密充てん」することと同義ではない。「A列車で行こう9」では「列車タイプ」ごとに適する距離帯が異なる。近距離の列車と長距離の列車を同じ線路で効率的に運行することを目指す上で、路線そのものがマップ内でなるべく長い距離を最短で結ぶ線形になるようにしていくこととなる。繰り返す。「最長最短距離」という早口言葉のようなグラフ理論の用語をことさらに振りかざすつもりはないが、路線そのものがマップ内でなるべく長い距離を最短で結ぶ線形になるようにしていくことが目標となる。詳しくはグラフ理論について検索してほしい。東名阪のメガロポリスを「鈴なり」で串刺しにする東海道新幹線に対し、フランス国鉄の路線網はかなりえげつないとは思う。

全域木から枝刈り次数中心性と媒介中心性を指標としてエッジを張り替えなど。あくまで例題であり実適用例は知らない

路線の「立体交差」(路線の分岐・合流にともなうものに限る)や「三角線」は、どこにでもあるものではなく、複雑で大仰になるため鉄道模型でも容易には採り入れづらい題材であるが、ゲームのマップでは簡単に表現できよいハイライトとなってくれるとてもありがたい存在である。だからといってマップ内が「立体交差だらけ」「三角線だらけ」になってもおかしい。どこにでもあるのではありがたくはなくなってしまう。だからこそ「見せ場」として造り込もう。いろいろな「見せ場」同士が近すぎるのもいけない。こうした演出上の考えも路線網の構築に反映させよう。鉄道の、鉄道による、鉄道のための、鉄道を中心とする鉄道のゲームにあって、鉄道より目立つ構造物、例えば月夜野のような高速道路の構造を目立たせてしまうのは悪手である。

A列車の車両の使い方

車両列車タイプ登場年ねらい
名鉄7000系急行列車1961年「前の景色が見える電車を作りたい」
キハ58系旅客列車1961年蒸気機関車(SL)けん引列車の無煙化
キハ52形100番代(※蛍光灯車)旅客列車1962年室内灯の蛍光灯化
165系急行列車1963年信越本線・中央東線の電化による急行列車の電車化
115系旅客列車1963年東北本線・高崎線の客車列車の置き換え
103系(※量産車)通勤型1964年「交通地獄」の解消と経済性の両立
EF81形特急列車1968年日本海縦貫線の電化に対応
キハ181系特急列車1968年急勾配が連続する伯備線・土讃線などの特急高速化
415系0番代旅客列車1971年3電源に対応、奇数・偶数向きの方向転換が可能
14系急行列車1971年電源車不要で多層建て列車に対応
113系1000番代(※増備車)旅客列車1972年総武快速線(東京地下駅)開業のためATC対応・冷房化
485系300番代特急列車1974年房総電化で新製の183系と同等の増備車で食堂車も連結
キハ40系旅客列車1977年人間工学に基づいてラッシュ時の客扱い能力を追求
50系急行列車1977年余剰機関車による地方都市圏の通勤・通学輸送
ED79形急行列車1986年青函トンネルの見直しによりED75形から改造
名古屋市交通局7000形地下鉄2003年名鉄と仕様を共通化し、整備・検査を委託

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「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)のゲーム内で使う車両はプレーヤーが好きなように決めればよいが、現実の歴史を無視した使い方は感心されない。登場年と「ねらい」を理解した上で、そこから生まれる印象や雰囲気(メルクマール:鉄道史の重要な分岐点アチーブメント:技術上の課題や目標の達成などのシンボル:象徴っぽさ)を活かし、必ずしも実車の通りでない使い方にアレンジしてみよう。例えば、本作には「183系」は収録されていないが「485系300番代」を「183系」のつもりで走らせる、本作の「165系」はJR発足後の塗装だが登場年からずっと主力として走っている路線のつもりで使うなど。「415系0番代」を「455系」に見立てるのもよいだろう。国鉄の車両は全国どこ走っても様になる

夕日町計画説明2

「地形の解釈」「路線網の構築」を通して考えてきたストーリーに合致するよう車種と定員を選んだ例を図に示した。学習のポイントとしては、気動車は電車より新しい技術であるということ、各地をバラバラに出発してから併結されて東京や大阪を目指す特急列車や急行列車は長編成だということ、組成が柔軟だった客車列車は通勤通学輸送で重宝されていたことなどである。「架空の私鉄」については「名鉄」でなければならないというものではないが、「1964年」から開始する「夕日町計画」の年代に合う収録車両は「名鉄」しかなかった。ストーリーの大部分を「国鉄」の車両で演出することになるが、締めくくりとして「名古屋市営地下鉄」の車両(上飯田線)を選んだ。なお、横浜市営地下鉄には下飯田という駅があり、名古屋市営地下鉄には丸の内という駅がある。

※「私鉄」が通る崖地は「切通し」や「古道」以来の「脇往還」の雰囲気である。汽車ではなく最初から電車で開業した路線には、これ見よがしに道路に沿って走り、電車というものを見せつけるように走っていたものが多い。ビートルズの真似をして横断歩道を渡り、バスケットボールの漫画の真似をして電車と競争しよう。「名鉄」しかり、「静鉄」しかり、バスが非力で坂道で故障する脇を電車は颯爽と駆け抜けていたのだ。

列車の輸送力として、「定員」×「最大乗車率」の人数を示した。「A列車で行こう9」では「列車タイプ」ごとに異なる「最大乗車率」が定められている。同じ6両編成でも「113系1000番代」と「103系」では輸送力が1.4倍も違うことがわかる。長い距離を走る列車は着席を基本とするため、このような差がつく。なお、「165系」には「デッキ」がある。「A列車で行こう9」では「最大乗車率」という表現しかないが、実際には「乗降に時間がかかる」という制約がある。ゲーム内のダイヤで停車時間を長くすることで表現しよう。あれがないこれがないと言っているばかりがゲームではないのだ。

※ここでは「1964年」から始まる「夕日町計画」というストーリーゆえ挙げていないが、現実には「117系」(1979年から1986年にかけて製造)という絶妙な車両存在する。「205系」や「211系」など「銀色の電車」に一足飛びに飛ぶのでなく、国鉄の車両史を丹念に追ってほしい。なお、名鉄には「EL120形」という電気機関車がある。

編成の両数については「列車のカスタムで作成できるのは10両編成まで」というA9V3以降の仕様を念頭にしている。A9V5からは「連結・連結解除」が使えるが、3本以上の列車の連結はできない。「高速線路」による方向転換を前提にすると「機回し」を使わない運行が可能だが、「機回し」を使う場合はホームの長さより1~2両短いほうがよい。駅や車庫の種類によっては長さが6両や8両に固定されている。このようなゲームの仕様に合わせることは重要だ。「165系」の9両編成は、「3+3+3」という編成を「カスタム」で作成してもよいし、「3+3」という編成と「3」の編成を「連結」してもよい。往時の大阪を思わせる「103系」の7両編成は、6両編成に「サハ」1両を増やしたものである。7両編成とは、性能を犠牲にして定員を増やしたという演出となる。

※どのみち1972年も暮れになるとゲームの中でも「オイルショック」が起きるはずであるから、いろいろ計画はするものの、その通りになるわけもないのであった。ネオンは消され、ポテトチップスは白黒になる。もはやうすしおどころではない。そのような無常観ケッテンクラートに浸るのもまたゲームである。ヤマト運輸が躍進し国鉄の荷物電車が消える。そういえば「A列車で行こう9」には荷物電車がなかった。最初からなければ消えようがない。それもまたゲームである。
※「機回し」「連結解除」の実行中にセーブしたデータをロードすると「機回し」「連結解除」の続きが行なわれず通常の走行になってしまいダイヤが狂うというバグがある。これはさすがに「それもまたゲーム」などと悠長なことを言ってはいられない。

マップをリアルに見せるコツ

マップ南西の「地平」「トラス橋」「電留線」のエリアには駅の設置を想定しているが正確な位置を図示していない。「電留線」は通常「地平」に設けるが、「トラス橋」の高度は示していない。そもそも「電留線」という設備は新しい年代のものである。「国鉄在来線の地下新線」から続く地上区間の「電留線」である。よく考えて近代的な構造にしよう。国鉄時代で言う「工場機能」を持たないという意味で計画段階では「電留線」と呼ぶとしても、「車両洗浄装置」を備えた「電車区」に昇格して実現されるかもしれない。「地形の解釈」で行なった「地下水(湧水)」という設定が、ここに活きてくる。名古屋から一番近い「五重塔」へは名古屋市営地下鉄の八事駅から徒歩3分、横浜市営地下鉄に駅がある「踊場」はネコの伝承による地名である。

※なお、A9V2の「夕日町計画」は「時間拡張60倍」であり、回送列車を設定してにんまり楽しむまでの余裕はないことに注意。Googleサジェストによれば「A列車で行こう 回送設定」という検索が多いというが、まるで「回送」の表示に変わった列車を初めて実際に見た(あまつさえ実際に見たことがないまま『レアな動画』として「幕回し」に目を奪われている)といった幼さ初々しさしかない。「マップをリアルに見せるコツ」としての「車庫(車両基地)」は、そこにそれがあるだけでマップがリアルに見えるというコツであり、「A列車で行こう 回送設定」が必須というわけではないことを最低でも理解してほしい


A列車の街の作り方

A列車の街の作り方
  1. どんな街を作るではなくどこに街ができる
  2. 地形を観察して街ができそうな場所を見つける
  3. そこが街になるべき理由を考える
  4. 街と街が離れていれば鉄道を通す
  5. 鉄道あるところ街ができる(収束するまでループ

ビバ神様モード。4時間10分の兄者。「更地から始める完全手動」では観察すべき地形が与えられず「解が定まらない」一種の出題ミス。「空き地に建物を敷き詰めよう」は乗客数が減る悪手。街と街が離れていてこその鉄道だから「10万人都市」などマップ全体の人口にはこだわらないほうがよい。本作は、鉄道をきちんと造ればきちんと儲かるようにできている。プレーヤーは鉄道でどれだけ儲けられるかを競うべきである。西武池袋の551は5時間待ち小湊鉄道線の駅前で「逆開発」などと言っている場合ではない。

自動発展には「まちびらき」が必要

「マップコンストラクションモードで自動発展で」「1時間ほど放置」「なぜでしょう」という投稿が「マインクラフト」のカテゴリにあったのには目を疑った。建物がまったくない状態から始めるマップコンストラクション「原子力発電所」を建てただけでは「人口」がほぼゼロのままで、「隣町」からの乗客もゼロだ。マップコンストラクションモードで「自動発展」を起こすためには、ニューゲーム(シナリオマップ)のゲーム開始時の「人口」初期配置の建物を参考に(※最初から建っている建物の種類と数を真似すればよい)、最小限の「人口」を「手動」で作り出しておく必要がある(※現実の「まちびらき」に相当)。投稿と時を同じくして「プレステa列車進め方」という(プレステと呼ぶからには中高生ではなく中高年だろうが)検索がドコモのほうからあったが、本作の(※子どものときに遊んだ過去作ではなく現行製品の)のゲームシステムを理解できるまでゲームモードをしっかり試す手間基礎から順を追ってマニュアルを読みこなす労力を惜しんでいきなりマップコンストラクションを始めるという非常に分別のない行動をして、この結果である。まったく世話がない。いまの中高年は子どものころからゲーム機で遊んできているが取扱説明書を読むスキルは育っていない

  • 吹田市「千里ニュータウンまちびらき○○周年とありますが、いつを起点にしていますか。」(2022年9月1日):
    昭和37年(1962年)です。佐竹台で最初に入居開始となりました。

  • 港南台バーズ「日本市街地開発」(1976年1月16日)※リンク切れ:
    昭和49年9月28日、バーズの前身である仮店舗「港南台マート」が現在のめじろ団地の近くにオープンしました。港南台マートには相鉄ストア(現在のそうてつローゼン)と、酒屋・薬局・本屋・食堂・理髪店・クリーニング・電気店など生活に必要なお店が入っていました。

  • 三井住友トラスト不動産「江戸期・明治期の吉祥寺」(2023年11月8日):
    1657(明暦3)年、江戸で「明暦の大火」が発生、現在の「水道橋」の北側にあった大寺院「吉祥寺」や門前の住民の家も焼失した。/「吉祥寺」は駒込へ移転、門前の住民には、「武蔵野台地」上の原野の土地が与えられた。/短冊状の土地が分け与えられ、街道沿いに住居を建設、その裏を畑や雑木林とした。寺院の「吉祥寺」自体は武蔵野へ移転しなかったが、門前の住民たちが移転してきたため、吉祥寺村と呼ばれるようになった。

  • 渋谷区立図書館「渋谷の由来」(2013年2月15日):
    中央・西原・富ヶ谷・笹塚・本町・大和田・臨川・代々木・笹こ・保存庫/相模国高座郡渋谷庄の庄司平重国の所領だったことがあって、一族の者が移住して命名したとする説

「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)を「玄人向け」と決めつける投稿もあるが、ここに挙げた内容はいたってふつうの一般教養である。特別な興味を持って調べ上げないとわからないようなことでなく、どこにでもあるいたってふつうの小学校で、ふつうに教わる機会があるもの。地域のお年寄りからまちの歴史を聞く授業をサボらないでまじめに受けてくださいとしか言いようがない

ファーストステップガイド

実際に試してみるとわかるように、“歴史的に正しく”車両を使いながら良好な収支を確保するのは非常に難しい。ここで例に挙げたA9V2ニューゲーム(シナリオマップ)「夕日町計画」は、ゲームの日付(カレンダー)が1964年から始まるマップでありながら、なんと「E531系」(8両編成)が走り、どう見てもスカイツリーなタワーっている。その「E531系」の収支を先に見てしまうと、何を工夫するのも空しい。「E531系」の登場年は2005年で、同じ年の「つくばエクスプレス」の開業と歩調を合わせたもの。ゲーム内の日付が2005年になったら「E531系」を再び走らせればよい。

ゲームとしては、あくまで「資金」の動きがある。「人口」がゼロでもゲームは続くが「資金」がゼロになるとゲームは終わり(ゲームオーバー)である。「夕日町計画」では開始直後から「資産税」がかなり高額だ(「子会社評価」だけで「¥473,881,824,000」もあり、その5%が資産税の額となるのでExcelで計算してみよう)。それを払いきるほどの利益を上げるのも一朝一夕にはできない。ひとしきり夕陽を見ながら物思いにふけったのち、撤去すべきものは撤去し、売却できるものをすべて売却しよう。多額の売却益を計上した年は「法人税」が高くなるが、翌年からはかからない(「資金」に対してかかる税金はない)。売却益に対する「法人税」を圧縮するには同じ年に駅と線路の工事や列車の購入などの支出をまとめて行なえばよい。このようにゲームの開始直後から最初の年末までにすべきことは多岐にわたる。あらかじめ考えておいてからゲームを開始しよう。「子会社」の売却では、その日の「景気グラフ」に応じて「市場価額」(売却額)が変動する。なお、「A列車で行こう」シリーズのお約束(?)の1つとして、クリスマスには景気が上向くというのがある。売却のタイミングをクリスマスまで待つのはリスキーではあるが、最大の売却益を狙うのもプレーヤー次第だ。

  1. ネオタワー」「海浜タワー」「超高層ビル」「資材工場(小)」を「撤去」(赤字物件はただちに・黒字物件は年末までに)
  2. 「売却」が可能な「子会社」をすべて「売却」(景気グラフを見てタイミングを見極め・ただし年末までに)
  3. 貨物列車とトラックを撤去し、「配送所」「配送センター」「資材置場」をすべて「撤去」(途切れた道路はつないでおく)

都市は発展も衰退もしなくなり、余計なことをしない限りゲームオーバーになる恐れもほとんどなくなる。ここからを実質的なゲームのスタートだと思って、駅はそのままで、線路と列車をいろいろ変えてみよう。開始直後に「売却」で得た「資金」は、年末(1964年12月31日)までになるべく使ってしまおう。年を跨いで使おうとすると「法人税」で目減りしてしまうぞ。

※「子会社」を「売却」するのは「資金」を得るためでなく「資産税」を減らすため。ここまでで「鉄道」と「子会社」の「評価額」が同じくらいになる。これを身の丈経営という。

乗客を乗せた列車が駅に到着して乗客を降ろすと、その駅の周囲が発展するが、このためには同じ駅に貨物列車も到着させ、この駅で「資材」を降ろす必要がある。「資材」を降ろした駅の中心が街の発展の中心になり、ここから道路が自動で延びてゆく。

  • 道路だけを先に敷き詰めると街は発展しない(道路が自動で延びるのが「発展」)
  • 道路は行き止まりの先(終端)から延びる(道路と道路をつなぎすぎると延びなくなってしまう)
  • 「資材」をトラックで搬入する場合も、トラックで「資材」を降ろす「配送センター」や「配送所」は駅の近くに置く(そうしないと駅ではなく「配送センター」が発展の中心になってしまう)

※一部に非常にわかりやすく言えば「シムシティ」「シティーズスカイライン」のように道路網を先に造ってはいけないということ。そして神田川沿いのレンガアーチは橋ではなく高架橋の意匠である。くれぐれも間違えないように。

ゲーム上、地下鉄駅高架駅で「資材」を降ろすこともできるが、見た目が不自然になるし、駅の費用も割高なのが序盤にはつらい。街の発展の中心にする駅は地上駅がよいだろう。一方、街の発展が進んでから、最初に設置した駅だけではカバーできていない周辺的なエリアから乗客を乗せるために駅を増やすとよいが、こちらは「資材」を降ろす必要がない。駅をつくる(「駅工事」)には建設費と用地費用がかかるが、街の発展が進むと用地費用が非常に高くなるので、建設費よりも用地費用に着目して、面積が小さいので用地費用が少なくて済む高架駅は有力な選択肢に変わってくる。後から増やす中間駅は高架駅にするとよいだろう。それを見越して線路は最初から高架にしておいてもよいし、駅を増やすときに高架化して踏切を解消してあげるというのでもよい。なお、1970年代以降の新線では原則として踏切をつくらない設計をしてきている。ゲーム内で踏切をつくれば、1960年代までにできた路線を表現したことになる。ほかにもさまざまな要素によって路線の年代を表現できるので、各自で詳しく調べてみてほしい


ダイヤの作成と設定

「ダイヤ作成」と「ダイヤ設定」は別の作業である。

  1. ダイヤ作成:どのような列車をどのように運行するのか考えて決める作業
  2. ダイヤ設定:作成した運行計画(ダイヤ)に従って駅やポイントを設定する

「ダイヤ作成」にも段階がある。最初は漠然とした(大局的な)構想を立てる。街と街の距離や位置関係から駅の立地を決めていき線路で結ぶ。街(駅)ごとの発展の規模や方針を決めたら運行する列車を具体化していく。

運行計画策定の流れ説明

運行計画策定の流れ

  1. 区間ごとの輸送量を見極めて折り返し駅を置く
  2. 区間ごとの種別(速度・停車駅)と便数を決める
  3. 最も基本の行路(1往復分)を箱ダイヤで書く
  4. 運転時間帯を決める/停車時間を調節する
  5. 箱ダイヤを組み合わせて全体の運行計画とする

「A列車で行こう9」では駅と線路が完成して列車を配置する段階からが「ダイヤ設定」だ。つまり駅と線路が完成していなければ「ダイヤ設定」も何もないということだ。

名鉄大行進トワ・エ・モワおすすめBGM

「列車と路線(ルート)」つまり線路と車両(そしてダイヤ設定)をあれこれ変えるのに費用はさほどかからないから、どんどん試してみよう。行き詰まったらゲームを破棄して最初からやり直してよい。プレーヤーの好みや考えにもよるが、まずは最初から走っている機関車けん引列車(しかもSLで遅い)を気動車か電車に置き換えるのが定石だろう。機関車は終点で方向転換が必要だが、両側に運転台がある気動車や電車なら駅のホームですぐに折り返しができる。室内灯が白熱灯だったときは非常に薄暗かったというが、そもそも暗い時間に列車はなかった。きっぷ売り場は有人で、地元の乗客の顔はほとんど覚えている。よそ者が変な時間にうろうろしていたら事情を聴くものである。全国津々浦々の郵便局と国鉄はインテリジェンスである。自転車で県境を超えるなどそもそも許してはならないことである。そういうことなので、「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)では線路を隣町へつないであげよう

シンプルな施設計画。標準こそノーマル。これ則ちリアルの法則。(※縦に誤読)説明
夕日町計画

かつて「ゲーム」と「パズル」と「クイズ」が混同されていたという歴史的な経緯により「A列車で行こう9」では初期配置の施設(駅と線路)は何らかの『問題』を抱えている(マップの作者からの『なぞかけ』になっている)。A9V2の新機能「車庫」をアピールするマップでもある「夕日町計画」は比較的ましな施設になってはいるが、隣町とはつながっておらず、4面7線もある大きな駅(駅-006)にポイントがろくにない一方で「車庫」付近にはむやみに複雑だが役に立たないポイントだらけという『問題』があるので、粛々と直していこう。

「本線」「場内」「入換運転」をよく区別しよう。ポイントは駅または車両基地の場内に置く。本線を支障せず車庫へ出入りできる別の線路を敷こう。

これで、複線の路線に4本の列車が等間隔で走るダイヤが組めたことになる。「夕日町計画」のマップに最初からある路線の長さに対しては、4本でもかなりの密度である。これより多くするときは、単純に同じ列車を倍々ゲームで増やすのでなく、車種を変えて混在させるなどしないと不自然に見えてしまう。

最大値としては30駅すべて7番線まで造れば270本の列車が停まれることになり、かなりのボリュームとなる。現実的には30駅で90本(2番線までと4番線までの駅が半々)くらいを目安にするとよいだろう。むやみに付け足していって気が付いたら化け物になっていたというのでなく、最初から上限を考えて進めていくのがスマートである。

※非常時を除き「駅間停車」は許されない。すべての列車が同時にホームに停車できるよう、配置する列車の本数はホーム(番線)の数に収まっていないといけない。「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)をまともにプレーする限り、列車は最大100本でじゅうぶん足りる。これより多くの列車を使うのは、路面電車や、短い編成を「連結」して走らせたり、休日だけに走る列車を充実させる、隣町に直行する貨物列車をたくさん走らせるといった場合である。

ここまでに説明した「路線網の作り方」「車両の使い方」「街の作り方」をまえて、離れた街高架やトンネル・橋りょうなど変化をつけた線路敷設し、乗客数と距離に応じた車両を選んで走らせよう。近距離の区間には「通勤型」の車両を各駅停車で、中・長距離の区間には「急行列車」や「特急列車」の車両を途中駅は通過で運行しよう。列車が駅で乗客を降ろすことで街が発展し乗客数も変わる。列車が満員になっていたら、増発(増便)や編成両数の増加(増車・増結)を検討しよう。列車の乗客はむやみに「乗り降り」させず、より大きく発展させたい街の駅まで「乗車」のまま運びきろう。このような乗客の動きは「詳細ダイヤグラム」の「乗客対応」で詳しく設定できる。

最初は「停車時間」「10分」の設定で実際に走らせてみて乗客数や路線の印象を確かめる。どのような路線にしていくのか考えが深まったら、始発駅は「発車間隔」、途中駅は「停車時間」(または「通過」)を細かく設定していこう。

始発駅は「出発」(駅長権限)、途中駅は「発車」(車掌権限)。「発車時刻」は始発駅と特定の採時駅のみに定められるもので、「発車時刻」が定められていない途中駅については便宜的に「標準時刻」などとして案内される。既刊の攻略本「公式マスターズガイド」の「信号機」のページにも駅長や車掌という職制に言及した非常に詳しい説明があり、「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)をプレーするからには厳密な定義を知っておく必要がある。始発駅すなわち終点の駅への注意現示や警戒現示での進入、停車後の非常ブレーキ、網棚に置かれた新聞や雑誌、折り返し発車までのようす、なぜか漫画誌だけは乗務員室に持ち込み表紙をしげしげと見続ける運転士、非常ブレーキ使用後の緩解を確かめる発車後の流しノッチ。ポイントの分岐側を低速で通過しながらの車輪フランジのきしり音。乗客よりネコのほうが多いとも言われる鶴見線もさることながら、電車がじゅうぶんに多いE電(国電)の始発駅(1面2線の行き止まりホームで単純に折り返す大宮や千葉など)で45分ほど観察するとよい。10両編成の電車は編成重量が数百トンある。折り返すだけでもたいへんなことなのだ。

隣町との間でも多くの列車を行き来させよう。隣町からの乗客数は、マップの人口に応じて決まる。「夕日町計画」の人口は「22,160」だから、(人口÷200の)定員「110」程度の特急列車を隣町へ送り込むのがマストの施策だ。このように、人口が少ないうちは隣町からの乗客数は少ないが、運賃収入を大きくできる特急列車にしたり、マップ内の駅からの乗客数がじゅうぶんにあれば、列車はきちんと黒字になる。隣町で降ろした乗客は無駄にはならず、その乗客が乗った駅の周辺を発展させる効果がある。なお、人口の上限は発電量で決まる。発電量を使いきると人口の増加が鈍化、つまり街の発展が落ち着く。さらなる発展には発電所の増設が必要になるが、増やした発電量を速やかに使いきらないと発電所が大赤字になってしまう。無理に人口を増やそうとするばかりでなく、成熟した都市ふさわしい充実の鉄道を構築することに専念するのもよいだろう。

マップをどのように開発したいのかはプレーヤーが決めることである。乗客数が少ないからといって2両編成の旧型電車単行の気動車にするのでなく、むしろ特急列車を運行して利益の上乗せを目指す攻めの経営」も可能だ。

アルゴリズムで自動的に路線網を構築

ゲームの進め方はプレーヤー次第だ。しかし、マップには地形がある。マップには「夕日町計画」といった言葉によるタイトルもつけられているが、地形こそがマップのテーマであり、絶対の前提となる所与の条件である。「夕日町計画」を開始したのに地形を改変してしまっては「夕日町計画」ではなくなってしまう。あるいは「テンプレート」の「平地」のように地形の起伏がまったくないマップではプレーの手がかりが何もない。思いついたままに線路を引き、線路の脇に川を造ったり、そこにトンネルが欲しいからといって山を造ったりするのでは、あまりにも幼稚で自己中心的すぎる。16歳以上の成熟したプレーヤーとしては、与えられた地形を丁寧に観察し、あくまで地形に対して「従」となる開発を進めてゆきたい。

説明

地形の観察には一定の正解がある。地形をどのように観察したのか説明するのは別の分野の話として、どのように観察したのかということは、最終的にマップの路線網(駅と線路の位置)という形で表現されることになる。

ここでは、マップ内の平地に30の駅を均等に配置するアルゴリズムを考えてみる。ゲーム画面の「サテライト」は標高で色分けされているので各ピクセルの色を読み取ればハイトマップ(3次元のデータ)に変換できる。ゲームのハイトマップはテキストファイルに数値で記述する形式のほか、ビットマップ画像の形式で扱われることもある。いずれにしても、3次元の地形データをゲーム画面から得て、ゲームソフトの外部で自由に解析することができる。

ゲームのマップでは「平地」は完全に平たいが、現実には山から海に向かっての高低差がある。山に近い地点では標高を上げ、海に近い地点では標高を下げる処理を施し、微妙な高低差を復元する。この微妙な高低差をさらに強調する処理(「平地」のみの地形データの行列を特異値分解)をしてから、均等に30の領域に分割する処理(k平均法)を行なう。各領域の「重心」を、その領域を代表する地点とみなす。つまり、駅の立地の候補地点である。同様に、3倍の細かさ(90の領域)で路線バスの経由地の候補地点を求める。

得られた候補地点を線で結べば路線網ができる。最も単純なアルゴリズム(最小全域木)で試しに路線網を作ってみよう。その結果に満足できるかどうかは別の話として、作成された路線網の「手の数」(1つの地点が何本の線を持っているか)に注目しよう。たくさんの「手」(線)が集まっている地点は、乗換駅の候補である。線そのものも見てみよう。山や川を突っ切って線が引かれたところは、トンネルや橋の候補地点である。駅の候補地点と、路線バスの線が集中している地点が近接していれば、駅前に大きなバスターミナルのある光景が目に浮かぶ。「夕日町計画」に最初からある線路や駅の位置が、このアルゴリズムによっても(ある程度は)導き出せているようすがわかる。川と山に囲まれた海沿いのエリアでの路面電車(市電)の環状線と車庫も想像できてくる。また、このアルゴリズムで点や線が通らない空白地帯に「ネオタワー」が建っているのも、現実の東武鉄道は成立の年代が早く、街外れや川沿いに用地を得て鉄道を延ばしていった歴史を思わせる。

  • 熊木洋太「「応用地形判読士」と地形の読み方」(2013年4月30日):
    写真を見た瞬間に考えたのである。/1枚の写真だけで私が判断したことは間違っていなかったのである。
    現実の地形を読むためには,現実の地形そのものを現地で観察することが必要と思われるかもしれない。確かに,地形を読む能力を訓練するためには,そのことは重要である。しかし,実際には,現地ではごく狭い範囲の地形しか見えなかったり,一定の方向だけしか見えなかったりする。ある程度の広さについて調査する場合には,現地調査は必ずしも効果的とは限らない。そこで登場するのが,地形図や,航空機や衛星から撮影した画像である。/わが国のように精度の良い地形図や空中写真が簡単に手にはいるところでは,どこでもすき間なく調べることができるという,大きな利点があるのである。いわば,調査地域の全部が露頭になっていると言ってもよい。
    国土の整備のため大規模な土木工事を行う場合,その場所の土地の性質を事前によく調べ,その土地に合った設計,施工方法を選択すべきだ,ということに誰も異存はないだろう。

マップの作者も、プレーヤーのわたしたちも、アルゴリズムでも、地形をどのように観察したのかが一定の範囲に収れんするのは、妙にうれしいことである。「夕日町計画」というマップをプレーして得られる体験がプレーヤーによってばらばらなまま終わるのでなく、線路はどこを通すべきか、駅はどこに造るべきか、共感しあえる状態になるようにしていきたいものである。このことを現実のインフラの建設(公共事業)について言えば「社会的なコンセンサス」である。ただただ界隈で目立ちたいというだけで奇をてらったプレーをする子どもを止める大人がいないという状況は非常によくない。合理性の追求を放棄した社会に将来があるとは思えない。

夕日は「斜陽産業」のメタファー

2026年6月に発売されたSwitch2「A列車で行こう9 Evolution」は「ライティングや反射表現」の『再構築』を掲げているが、その説明として「夕日」スクリーンショット何点も並び、やや奇妙な色合いのパッケージ製品情報になっている。国語で習う「秋の夕暮れ」を引き合いに出すまでもなく、「夕日」は物寂しさのシンボルであり、ケッテンクラートである。月は丸い。かつてテレビの普及により「映画は斜陽産業」と言われ、自動車の普及により「鉄道は斜陽産業」と言われた。トンネル内で映画を見せる鉄道もあれば、自動車ごと乗れる鉄道もある。わたしたちは紙の本にはお金を惜しまないが電子書籍にはお金を出し渋る。2010年2月に発売された「A列車で行こう9」が3,990円になるのを待ち続けたままのシリーズファンが相当数いるものと思ったほうがよい。映画はテレビで見るものだと思って映画にお金を出さない人も放送のスポンサーの商品やサービスにはお金を出しているのだ。「月が出た」とは「炭坑節」の1節である。「月島」は「月の岬」にちなんでつけられた東京都中央区の町名である。時差のあるオフショア開発を統括する会社の所在地としてこの上ない。なお、「ルナティック」は差別表現である。1985年は昭和60年であり、OAの時代の到来であり、科学万博である。

「A列車で行こう9」のディレクターは映画人である。テレビだけでなくビデオの普及でさらに強く「映画は斜陽産業」と言われるようになったころ、ビデオゲーム(アーケード)に活路を見いだした、その人である。そのゲームの題材が「鉄道は斜陽産業」と言われた鉄道であるのは、よほど「映画は斜陽産業」と言われ続けたからなのだろう。オイルショックからヤマト運輸が急成長するのに反比例して国鉄の経営は悪化し、1985年10月に国鉄解体の方針が閣議決定されるに至った。まさにケッテンクラート。壊れたまま放置され落書きされた資機材の残骸の上で酒を飲むような感覚こそ「A列車で行こう」というゲームである。『北陸の食パン』と揶揄された「419系」は1985年に「581系・583系」を改造したものである。「A列車で行こう9」のブログで『北陸の食パン』を名乗るものがあるが、『北陸の食パン』という題材が「A列車で行こう9」という作品からストレートに想起されるものではなく、1985年の「A列車で行こう」開発秘話に感化され過ぎたような感しかない。自販機はDoPa、コンビニとゲームセンターはISDNあってのものである。そういうわけで、「A列車で行こう9」の「夕日町計画」というニューゲームは『夕日の映画』をなぜかそのまま使ったタイトルとシナリオになっている。

(※この検索は2026年6月26日に行ないました)

「シリアスナンバー入り」平成17年「(公財)日本郵趣協会」の用例と、「チュートリアス」令和6年の用例です。「1999年に独立したフリーライター」なら、しかたありません。辞書にない単語もとりあえずカタカナに変換できてしまうワープロ専用機の感覚です。「チュートリアスって何だよ!」「悪役かよ!」と言って「悪役チュートリアス」というボスキャラを作ってはやし立てまつるのも、ほどほどにしましょう。(時刻表の欄外もどき