「機回し」を実装する段階に到達したならこれも。電気機関車、485系、JR東西線の207系、E233系、蓄電池電車の表現に必須。グラフィックはアニメーションでなくてもよい。
[ in English ]
※翻訳結果についてのおことわり(in Japanese)
最終更新:2024年10月10日
[ A列車で行こう10への道 > パンタグラフの昇降 ]
これまでの「A列車で行こう9」のバージョンアップのヒストリーをたどりながら「パンタグラフ」に関するメーカーの考え方を読み解いてみよう。
A9V2の発売後に「マップコンテスト」(2013年6月13日~8月13日)が開催され、応募されてきたスクリーンショットが必ずしもジオラマ的に遠くから見下ろすものばかりでなかったことが、A9V3でのパンタグラフの実装につながったのではないか。このメーカーには日本語の文章で書かれた要望よりもスクリーンショット1枚のほうが効くようである。その意味では動画の中で言葉だけで説明しても無駄で、そのものを見せる資料写真や資料動画を提示する必要がある。また、オフショアの現場と英語でやりとりする際に情報が欠落して変な実装になったり、そもそも指示を出すことすらできず実装できなかったりということが起きているのだろう。この点については、担当者がコピペして使えるレベルで具体的に述べることや、Google翻訳にかけても誤訳されないように明確な言葉を使うことが重要だろう。「A列車で行こう9」に対する要望は遠慮なくずけずけ書いたほうがかえってよろしいということになる。
分散クーラーの車両の収録を避けるという考えの背景には「ポリゴンを浪費する」という考えがあるのだろうが、それは「LOD」によって対処すべき話であって、分散クーラーの車両をまったく無視してよい理屈にはならない。互換性のために32bit版を用意していた2009年の発想としては一定の合理性があるが、PS4への移植を経て64bit専用になった2018年のA9V5からは、もっと細かい造形が可能になっているはずだ。その意味では「パンタグラフの昇降」のような細かい要望はA9V5あってこそ生じてくるものである。わたしたちがA9V4までの間にすっかりあきらめてしまっていたような要望を、A9V5にこそ投げかける必要がある。そもそも3DCGにおいて、ポリゴンを増やすことは高コストだが、すでにあるオブジェクトに細かい動きをつけることは高コストではない。実際、「A列車で行こう9」の車両連結部の「幌」は、線路の曲線や勾配に追従してあんなに生々しく動く。「パンタグラフの昇降」をアニメーションにすることも、架線を描画した上でパンタグラフを適当にがっくんがっくんさせることも、できないわけがない。その実現がA9V6になろうとA10になろうと、そこはどちらでも構わないし、Windowsでの新作よりPS5版が先行するのでも歓迎である。もっと積極的に他社のせいにした言いかたを探すならば、「A列車」の命運はPS5にかかっているという言いかたもできる。
なお、「A列車で行こう6」(A6・A2001・A21C)では架線柱とパンタグラフが表現されていた(架線柱は線路に、パンタグラフは車両に固定で、カスタムはできなかった)。A4のようなビューに戻ったA7では省略され、再び3D化されたHX・A8では実装されないままになっていた。PS4版「A列車で行こうExp.」は架線柱とパンタグラフのある状態でリリースされたので、かつてのA6と比べて見劣りしない映像表現が確保されているといえる。
このメーカーの仕様策定には極端に二者択一を迫るきらいがあり、架線柱やパンタグラフというものにおいても、A6のように完全に固定にしてユーザーは何も選べないようにするのか、A9のように完全にカスタムにしてしまってデフォルトでは何も出てこないというのか、両極端な実装を行ったり来たりしている感がある。デフォルトでも適当に架線柱やパンタグラフがついてほしいし、その上でカスタムもしたいのは当然の要求である。何かを両立させるように考えることが、このメーカーは非常に苦手であるらしい。
※「高速線路」に単線の架線柱は使えないし、プロジェクトの「新幹線」には架線柱がつかない。架線柱を正しい間隔で建植することができない(自動では60m間隔になってしまう/4m単位なので25m間隔にはできない/曲線区間でも思うようには建てられない/ポイントの上には架けられない/駅構内には建てられない)ばかりでなく、架線柱の種類や色を使い分けるという方向にも広がっていかない。同じことは橋と橋脚(高架橋の柱を含む)や線路など、ゲーム内のあらゆるものについていえる。
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(このページの初版公開:2020年4月29日、要望24の初出:2019年4月1日、要望16の初出:2020年1月27日、要望12の初出:2020年7月1日)
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