A列車で行こう9「人がいない」わけじゃない。2010年に「乗客のアルゴリズム」という言葉を振りかざして不満を述べるカスタマーレビューがあった。これをちゃんと考えてみよう。
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※翻訳結果についてのおことわり(in Japanese)
最終更新:2024年4月26日
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【A9V6】建物データを変えずに「乗客発生時間帯」を上下別にするには【そしてA10へ】
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※このページは「フォーラム」のダイジェスト版です。転記するのが面倒なので「フォーラム」のスクリーンショットを画像で載せている箇所があります。ご容赦ください。(全文は「フォーラム」でお読みください。)
ほかのゲームやブロックの玩具にあるような「人物のグラフィック」が(3Dで)描かれないことを指して『人がいない』という不満を書き立てる者が絶えないが、それはものの見方が未熟なだけだ。ゲーム内の時計が進む速さを考えよう。速すぎて見えないだけだと思えばいい。ここではそういう話ではなく、ゲームの中で「乗客」の「動き」に『生々しさ』を与える方法を探る。
※あるいは『人がいない』という訴えは、自分の分身が表示されないと遊べないという子どもならではのものかもしれない。
わたしたちはゲームのソースコードや企画書を見る立場にはないので詳細はわからずじまいになりがちなのはしかたがないけれど、目先の不満には正直でありたい。目先の不満を解きほぐしていくと、まるでソースコードや企画書を見ているかのような理解に達していくことができるのである。
そのような態度を持っていないと、わたしたちは他社のゲームや過去の作品にあった名目的な機能などを引き合いに出して、例えば「A6」にあった「誘致機能」(「商業地の概念」「住宅地の概念」)の「復活」を望むというような、きわめて粗雑な(「A9」の実装を完全に無視した)「要望」を述べてしまう。これは防ぎたいことである。
詳しくはこちらをご覧ください
- Googleサジェスト 1問1答コーナー:「A列車で行こう9の乗車率は?」への答え
実際に「A9」はじゅうぶんに複雑なことができるように開発されてきている。「乗客」のシミュレーションのエンジンはじゅうぶんなのに、『生々しさ』を感じさせる演出やUIがともなっていないせいでプレーヤーに誤解されている状態ともいえる。わたしたちは「A9」の実装をきちんと理解できてすらいないのだ。
「A9」のプログラムが列車の運賃収入をダイナミックに算出するための「列車タイプ」という秀逸な実装や、プレーヤーにさまざまな種類や規模の駅を建設させたりすることを通じて、すでに『生々しさ』を演出するための『材料』(データ構造やデータ表現)はそろっているのだ。あとは「乗降客数」を『生々しく』することに応用すればよいだけなのだ。
発売直後(2010年)のカスタマーレビューで「乗客のアルゴリズム」という言葉(決まり文句、決め台詞のようなもの)を振りかざして不満を述べるが、自分では「乗客のアルゴリズム」こうあるべきということを一言も書かない者が散見された。
「A列車で行こう9」の「乗客発生時間帯」(※公式ガイドブックのみに掲載)は地味に高度な柔軟性を持つ非常にフレキシブルな仕様である。「A9V1」のファーストリリースの前に、株式会社サイバーフロントによる絶大な貢献があったものと見受けられる。(その後のバージョンアップでの改良のショボさや、すでによくできているものを壊していく感じと対照的に非常に優れていることから、その源泉が外部にあると思った。)
現在の実装(ゲーム上の操作性や表示)では「乗客発生」が『片道』であるように感じられてしまうことにプレーヤーの不満があるように見受けられる。(「1人の客」の移動を具体的に追えるわけではないが、「1人の客」の「出発地となる建物」が「朝は住宅」「昼は店舗」「夕方はオフィスビル」「深夜は夜の街歓楽街ビル」のように確率的に与えられていて過不足はない。ある時刻に学校から出てきた人が、ある時刻には歓楽街ビルから出てきて、朝はホテルと住宅から半分ずつ出てくるような気持ち悪さがある。なあに、確率的なデータ表現とはそういうものだ。)
※ホテルを乱立させた駅と低層から中高層までの住宅しかない駅(超高層マンションはない駅)とがあったとき、朝に期待される「朝ラッシュ」という乗客発生がホテルのほうに極端に偏るということが起きうる。
列車の「上り」「下り」を決める方法としての「駅の並べ替え」については「駅すた24」で詳述しているので参照されたい。
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(このページの初版公開:2020年4月29日、要望24の初出:2019年4月1日、要望16の初出:2020年1月27日、要望12の初出:2020年7月1日)
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