車窓モードのカメラを傾けるだけでじゅうぶん。新しい車両がほんのわずか追加されるより「カント」が実装されるほうが段違いにうれしい。
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※翻訳結果についてのおことわり(in Japanese)
最終更新:2024年10月10日
[ A列車で行こう10への道 > カント ]
これまでの「A列車で行こう」シリーズで「カント」が実装されたことはない。グラフィックが3Dになってからの本作は鉄道模型のカタログを強く意識しているように見えるが、その鉄道模型で既製品の「カント付レール」が製品化されたのは2008年。しかし、ビデオゲームでは「カント」を表現するのは2000年ごろから『常識』だった。いまから「A列車で行こう」シリーズがあわてて「カント」を実装したとしても25年遅れ、実に四半世紀ものタイムラグを免れない。『常識』を20年も無視し続けてしまったという屈辱の事実を直視しながら、今後の「A列車で行こう」シリーズが実装すべき「カント」の表現を現実的に考えてみよう。
ゲームの空間内で線路を(プラレールやユニトラックのように)「パーツ」として並べる発想を脱し、図面の上に1本の線で線路の中心の線を引く発想になれば、どんな線形の線路でも引くことができるようになる。「A列車で行こう9」のように、線路の曲線半径をわずか10種類に固定してしまうような窮屈さ(「トミックスの曲線半径は5種類だが、われわれのシステムでは倍の10種類だ」と威張る感じ)は解消できるだろう。同じことが高さ方向にも言える。「A列車で行こう9」のように勾配がたった1種類という雑な実装から飛躍するためには、勾配線路という「パーツ」の種類を増やすという発想ではなく、どんな線形の線路でも2次関数や3次関数を使って表現できるという実装に刷新することが先決なのだ。「A列車で行こう9」の最初のバージョンは、空間の認識のさせかたが交通遊園のゴーカートのレベルに留まり、火花を散らしてド○フトまっ平らな畳の上に玩具のような線路を平たく敷いて車両を全速力で走らせるばかりの「お座敷レイアウト」だったが、A9V4で「速度制限標識」が実装されるなど、ゲーム内での車両の走行は着実にリアル志向を高めている。次の目標が「カント」の実装であるのは間違いない。なお、交通遊園のゴーカートにウインカーはないし、自動運転の対向車が出現するわけでもない(BVEにも対向列車はなかった)現在のバージョンでも「気球」のモーションや「フライトモード」「プレビュー編集」で2次関数や3次関数は使われている。
誰も見ていないときはじぶんのからだを傾けて「カント」の気分を楽しんではいるが、傍目にはアホな人「何をやっているんだこの人」としか見えなくて悲しいので、そういう機能はゲームの側が備えていてほしい。停車時の軽い衝撃もじぶんのからだでいわゆる「G」を感じさせる映像であってほしい。
(追記:PS4・Switch「電車でGO!!」でもカメラを傾ける方法でのカントの表現あり。)
鉄道模型の「カント付レール」がなかった時代から、フレキシブルレールを使って「カント」を作る人はいた。この場合、複線で隣の線路を走る車両と接触しないように間隔を決めるなど、線路に関するありとあらゆることをじぶんで設計することになる。「カント」を表現したいだけでも、考えるべきことが格段に増える。もし「A列車で行こう」シリーズが「カント」を表現しようとすれば、副次的に「曲線区間にあるホーム」や「曲線の勾配線路」も無理なく実現できてくるだろう。
【豆知識】「カント付レール」はあくまで玩具だから、現在もフレキシブルレールを使うのが『王道』。鉄道模型の知識としてフレキシブルレールというものに出会うか出会わないままになってしまうかは、プラレールからの続きで「TOMIX」を小学校低学年で始めて高学年までに飽きてしまうか、プラモデルやラジコンの仲間として「KATO」を高学年や中学生のころに始めるかによって分かれる。「TOMIX」だけで満足している(「TOMIX」のカタログの中で高いものを買っていくことにしか喜びを感じない)ような趣味のありようでは、フレキシブルレールという知識へのアクセスは閉ざされているも同然である。特に、鉄道模型メーカーのホームページから無料で情報を得るようになる前の時代には、カタログを何冊も買うのは高いので、買わないほうのメーカーについては情報すら見聞きしないままになっていたのである。ネットの時代の現代っ子には笑い話だが、年配の人にはそういう情報の欠落があることを知ってほしい。ちなみに「A列車で行こう9」の「火の見櫓」「歩道橋」「船着き場」あたりは「グリーンマックス」の製品そのものである。これまた「グリーンマックスのストラクチャーは古臭い」と感じるのが現代っ子だろう。「グリーンマックス」の作例ではパーツをライターであぶれという指示があるが、若い世代でライターを常用する者は圧倒的に減っているだろう。
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(このページの初版公開:2020年4月29日、要望24の初出:2019年4月1日、要望16の初出:2020年1月27日、要望12の初出:2020年7月1日)
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