要望 - A列車で行こう9

バスばすバスばす。バスばすバスばす。

DATT-A9DARXおつつみスペシャル

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翻訳結果についてのおことわり(in Japanese)

最終更新:2024年3月29日


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バスバスば

「A列車で行こう」シリーズでの「バス」は、廃止復活を繰り返して、現在に至る。一貫したポリシーはないように思えてしまう。これではいけない。

『A列車のバス』はBRT(的なもの)

「A列車で行こう」で、なぜ「バス」なのか。答えに詰まるようではだめだ。

「A列車で行こうシリーズ」では、「A列車で行こう3」(A3)で初めて「日本の都市」がテーマになったが「バス」はなかった。「バス」が初めて実装されたのは、続編の「A列車で行こう4」(A4)である。このときゲームに登場したのは、どう見ても稲毛駅と稲毛海岸駅を結ぶ「千葉海浜交通」のような長尺で3扉の路線バスと、どう見ても東京駅の南側の有楽町駅に近いところに並んで停まっている「はとバス」のような観光バスだった。いずれも、拠点から拠点へ、または出発地へ戻ってくる運行をするもの。単に面倒くさかっただけかもしれないが『A列車のバス』に「降車ボタン」や「乗降がなければ通過」といった挙動がないのは、「千葉海浜交通」と「はとバス」がモデルだったからともいえる。一般の路線バスでは天気によって乗客数が大きく変わる(※自転車通学の高校生が雨の日はバスに乗る)が、「千葉海浜交通」のような路線バスでは天気にかかわらず稲毛駅から稲毛海岸駅まで乗り通すものだ(※かなりの距離を短時間で移動できる「軌道系」に準じる交通機関としての位置づけがある)から、『A列車のバス』の乗客数が天気によって変わることがないのは納得できる。

駅前のバス停には屋根があります。稲毛駅と稲毛海岸駅には、駅の入口にいちばん近くて便利なところに「降車専用」のバスバースがあります。稲毛駅は高台にあり、稲毛海岸駅は海抜が低い埋め立て地にありますが、徒歩や自転車ではたいへんな高低差を「稲毛陸橋」でいっきにまたぎます。周辺の道路網の一方通行規制などにより、稲毛駅から「稲毛陸橋」までの道路には一般車がほとんど通らないようにされていて、路線バスとしては非常に優秀な定時性を誇ります。これは「海浜ニュータウン」の整備に合わせて実現されたもので、京葉線が開業する前から多くの乗客をさばいていました。時代が早いので「BRT」とは呼ばれませんが、いまでいう「BRT」の考え方(の一部)を実現しています。道路側の施設整備に時間がかかり過ぎた感のある「基幹バス」よりも、的確な整備に絞って迅速に開業したといえるでしょう。株式会社アートディンクは稲毛海岸駅の駅前のビルに本社を構えていました。幕張新都心が開発されて同社も本社を移したときには、幕張本郷駅と海浜幕張駅の間で「連接バス」が走り始めました。路線バスの最先端のシーンにいつもいたのがアートディンクだったのです。

「バス」は「A列車で行こう5」(A5)でも引き続き登場した。実は、このときバスのグラフィックが高精細化されて、初めて「千葉海浜交通」と「はとバス」がモデルだったことがわかったのだった。速度や定員が異なるバスを選ぶことはできたが、塗装は「千葉海浜交通」と「はとバス」だけだったのである。「購入」の画面では精細感のある『ドット絵』があったが、ゲーム内で3Dで描かれる「バス」は、妙に四角いカステラの箱のようであったのが懐かしい。

PS2版としてまったく新しく開発された「A列車で行こう6」(A6)では「バス」が登場しない。シリーズとしては続編だが、開発の連続性が絶たれている。前作にあった「バス」が登場しなくなったというよりは、単に「バス」の実装までは手が回らなかったというのが実情ではないだろうか。ハード面でも、マウスではなくゲームパッドで操作するとなると、あまり細かい操作が多いのは敬遠される。このようなこともあってか、Xbox360版「A列車で行こうHX」と、そのWindows移植版「A列車で行こう8」でも「バス」は登場しない。

「A列車で行こう9」(A9)は、「バス」が登場するものとしては3作目である。ゲーム内での「バス」の基本的な性格はA4から変わらず、車両はタイプごとに4色から選べるようになったものの、運行のしかたは「千葉海浜交通」と「はとバス」しかできないままである。他方、中途半端に「バス停」の種類が増えたことで、全国各地の一般的な路線バスのつもりで運行してみようとするプレーヤーも多いと思われるが、なかなかしっくりこないだろうと想像するところである。せめて「東京空港交通」のリムジンバスを楽しみたいから、オレンジ色の大型バスを入れておいてほしかったものである。模型のジオラマで駅前広場のアクセサリーとしてバスを置いてそれっきりという発想からも脱する必要がある。『A列車のバス』が全国の路線バスの情景を描ける、いわば“普遍的な実装”に到達するためには、一度、ありとあらゆる路線バスを俯瞰して体系化することが必須である。体系化してからバランスよく端折るのと、目立つものだけをつまみ食い的に実装するのとでは、雲泥の差が生じてしまうのは言うまでもない。A4のときに、前作のA3に対する新要素として「バス…あります!」とアピールしたのと同じように、単に前作のA7・A8に対する新要素として「バス…あります!」とアピールするためだけの、いわばアリバイづくりのような実装に留まっているのが、悲しいながら現行のA9である。

「ゲーム性」の作り方(ミニゲームの作り方)

「A列車で行こう」での「バス」には、それだけで完結したゲーム性やおもしろさを備えていてほしい。いわゆるひとつのミニゲーム(サブゲーム)の類になっていてほしいということである。また、DS版のように実在の列車が登場しないバージョンでは「車両の塗り替え」という楽しみがあったが、これはリアル志向のPC版とは相反することでもある。ならば「バス」で「塗り替え」をすればいいではないか。こうして秋の夜長はどんどんふけていくのであった。

「バスの塗り替え」

説明

「バス車庫」「バス営業所」






現実のバス事業者について調べ、いわばデフォルメなしで「バス」という名のミニゲーム(サブゲーム)の類をフルセットで実装する場合の考え方を示したもので、ここから端折ったり、そういう概念は登場させるけれど本物通りの名前では呼ばないというような配慮を重ねることによって、子どものプレーヤーにも無理のないゲームとなる。

説明

「A列車で行こう9」で「樹木」に何の効果もないことや、建物の種類が豊富ではあるが、特定の建物に特定の効果があるという実装ではないというところに物足りなさを感じて、こんなことを考えてしまった。都バスで飛ばせば笑い飛ばしてほしい。

  1. 樹木や建物それ単体ではなく、それらの集まり(密度)や、標高や水面との「掛け算」で捉えていることに注意
  2. これ全体をベン図で考えているので「(ほかの基準に該当しないとき)」という項目もつくることになる

「赤いバス」はきちんと赤くなくては「赤いバス」とは呼べない。「中古バス市場その他を参照してほしい。

「ただの飾り」という実装はリスペクトを欠く

「バス」に限らず同じことが言えるが、「自分の地元を走るバスをゲームの中で飾りたい」「マップのいろどりに」といった即物的かつ自己中心的な動機で「バスの充実を」などと要望するようではお子さまもいいところだ。ゲームの外での個人的な満足感ではなく、その新機能や新要素を追加する利点がゲームの中で、プレーヤーの誰もが実感できないといけない。

バス24と「中古バス市場」も参照のこと。





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(このページの初版公開:2020年4月29日、要望24の初出:2019年4月1日、要望16の初出:2020年1月27日、要望12の初出:2020年7月1日)



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