停車駅案内図、配線略図、地形図、地質図とデフォルメ。ゲームのマップから路線図を作る。路線図からゲームのマップを作る。ゲームに登場しない物も自由な想像で描こう。(最終更新:2024年12月3日)
路線図の目的 | 路線図の特徴 | 路線図の読み方 | 路線図の入手方法 |
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乗車経路・乗換駅を案内する | デフォルメして描く | 現在地と目的地を見つけ、乗車すべき経路をなぞり、乗換駅を見つける | 改札付近/公式HP ※無料 |
広告や宣伝ではない(名所案内ではない) | 距離や方角は正しくない | 乗車や旅行に必要な情報が路線図だけですべてわかるわけではない | 転売・複製・改ざんをしてはいけない |
いま、まさに『路線図』を描こうと「路線図の描き方」というクエリで検索したあなたに「描くのをやめろ」というようで申し訳ありませんが、あなたが自分勝手なやりかたや考えで『路線図』を描いて失敗や後悔をしてしまう前に、これだけはお伝えしなければなりません。「路線図の描き方」とは、「路線図は何ではないか」を知ることです。
路線図とは何かを学ばないまま、見た目だけを真似して図を描くことはやめましょう。じぶんが見たことのある図だけの、しかもうろ覚えで描こうとすると大失敗しかねません。路線図と、路線図ではない図(地図、地形図、停車駅案内図、運賃表、駅構内の配線略図など)の違いをしっかり理解して描き分けましょう。図を描く目的を再確認して、その目的に最適な図の体裁(appearance)を選び取りましょう。あなたがゲームを進めるために必要な図は、路線図という体裁(美観や意匠性)にこだわらず、ゲームの中での実用性(線形や駅間距離の計画や確認など)がじゅうぶんに得られる体裁で描きましょう。特に、何の準備もしないままいきなりグラフィックソフトやプレゼンテーションソフトなどを開いて、むやみにカラフルでファンシーな図をやみくもに描いてしまうことは避けましょう。また、専用のアプリやテンプレートを使って安直に作成したものを「自作」とは呼べません。あなたが「路線図」を「作品」や「作品の一部」として『発表』したいのであれば、アプリやテンプレートに頼らず自力で描くことが絶対の要件になります。(これを「独創性」といいます。)まずは白い無地の白紙にフリーハンドで手書きしてからでも遅くはありません。スマホは脇に置いて紙とペンを用意して自分を解放して解き放って、黒のペンだけを使ってモノクロームの黒1色で思いの丈を自由にのびのびと描きましょう。消しゴムは使わずに紙は何枚でも捨てるように使い捨てしながら使いますが、1枚たりとも捨ててはなりません。失敗したものや途中で投げ出したものも含め、描いた順で綴じてメイキングを記録してください。コーヒーとは、浴びるように飲む飲みものです。
(会津大学)このページは「情報デザイン入門」(平凡社新書)を読んでから読むべし
- “日本で言う「デザイン」という言葉に振り回されて、画としての表現技術を求めて読もうという方には向きません。”(Amazon.co.jpのカスタマーレビュー)
ゲーム「A列車で行こう」で遊びながら「そうだ、路線図を描こう!(10分で)」と思い立ったあなたには、ゲームの中だけでは充足できない切迫したニーズがあることと思います。でも、そのソリューションは本当に『路線図』なのでしょうか。あなたが描くべきは『路線図以外の何か』だったりしないでしょうか。
そうしたことを自分自身で自問自答していただき、それでもやっぱり「描きたいのは路線図だ」という結論になれば、おめでとうございます。この続きを読んで「路線図」を格段にリアルなものに仕上げていってください。ゲーム「A列車で行こう」を楽しみながら「路線図」を描く楽しみに締切はありません。いくらでも時間をかけて、いつまでも編集を続けましょう。安直に手軽な方法でそれらしく描いたというだけで終わりにしていては、あなた自身を満足させることすらできないはずです。「路線図」を描くからには、文字のサイズや用紙のサイズも含めてとことん追求する。これが「遊ぶ」「楽しむ」ということの神髄だと思います。
このページは「路線図を描くのをやめろ」とか「本当に路線図でいいのか」とか「そもそも路線網を作りなおせ」といったことをいいます。じぶんのマップの路線網はすでにしっかりできていてあとは(10分で)路線図を描くだけだと思っているあなたは、さぞかしむっとするでしょうが、そこはこらえていただいて、「どうしてそんなことをいうのかな」と半信半疑の慎重な姿勢で読み進めてください。「考える」というのは、そういうことではありませんか。ちなみに通勤経路の届出に添付する図を『路線図』とは呼びません。10分とは、あまりにも短すぎる時間です。
図の種類 | 目的 |
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路線図 | 乗車経路を案内する
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停車駅案内図 | 降車駅を確認させる
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配線略図 | 運行に必要な施設の概略を示す
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地形図のようなもの | 等高線または同等の情報が読み取れる |
地質図のようなもの | 地形の特徴の変わり目から推定した情報を示す |
「路線図」とはかけ離れた内容や表現となる図の種類も挙げましたが、これはゲーム「A列車で行こう」で遊びながら「そうだ、路線図を描こう!(10分で)」と思ってしまった人にとって実は真のニーズではないかというものを挙げたものです。ゲーム「A列車で行こう」で遊びながら「そうだ、路線図を描こう!(10分で)」と思ってしまう人の言い分をしっかり聞いてみれば、きっと「自作マップの地勢を紹介したい!」とか「自作マップの複雑なダイヤを自慢したい!」といったことだろうと思うのです。こうした目的には、「配線略図」で自作マップの鉄道施設を「路線図」よりも詳細に描いて説明することや、「地形図」「地質図」を模した図(いわば地図)に「土地利用」を具体的に(言葉で)書き込んで説明することなどが必要であるはずです。「路線図」を描きさえすれば自作マップの自慢ができるなどと思ってはいけません。自慢というものを“正しく”するのは、難しいことなのです。
※「自慢」:他人に対してするだけでなく、じぶんでじぶんに、じぶんがつくったものはこういうものだぞと認識させるはたらき(鏡で自分の姿を見るような)もあるので、自慢というものは、どんどんしてください。
ゲーム「A列車で行こう」で遊んでいながら、「配線略図」を描くことや「土地利用」を言葉で説明するという発想がなかったとしたら、それはもったいないことです。そもそも「配線略図」や「土地利用」という概念なしでは、ゲームをプレーするのも自作マップを制作するのも、おぼつきません。これまで思うままにわがままに(人の話を聞かず何も勉強せずマニュアルも読まず公式ガイドブックも読まず)無我夢中で遊んでいた人が、ふと客観的にセーブデータや自作マップを見たときに、じぶんでもちょっとよくわからない。そうしたきっかけがあって(※平たく言えばゲームに飽きて)「そうだ、路線図を描こう!(10分で)」と思うのだろうと、思うのです。そのとき「路線図」しか思い浮かばないのは、ある程度しかたありません。そんな思いつきで描こうとする人にとって「路線図」を描くのは難しです。そうすると「路線図の描き方」と検索して、いま、このページを読むです。「配線略図」も「土地利用」も知らないのかと、ちょっとあなたを責めるようなことが書いてある。だけど、どうか怒って帰ってしまわないでください。「路線図」までばっちりの自作マップにしたければ、おそらくマップそのものを最初から作り直すことになるでしょう。「路線図」がうまく描けないとか、描いてみたけどかっこわるいというのは、あなたのマップの路線網が何かリアリティを欠いているからにほかなりません。「路線図」をかっこよく(リアルに)しようとすれば、回りまわってマップそのものも洗練されてゆくのです。日本語には「急がば回れ」という素敵な言葉があります。
以下の3枚の図は、ゲーム画面の「サテライト」から路線と駅を簡略化して描いていくプロセスを示しています。(自作のツールを使用して色を置き換えています。ゲーム画面ではこのような表示です。)
(説明)路線図の目的は、乗車経路を案内することです。このため路線図では、実際の線路の線形(向きや長さ、曲がる地点や角度、交差)にはとらわれず、線路のつながりを見やすく表現します。駅が多いところは拡大し、駅が少ないところは圧縮して描かれます。駅名などの文字を表示する都合によっても、実際の線形とは異なる配置になっていくのです。路線図は、路線網があらかた完成してからでなければ描きようがないものともいえるでしょう。
路線図の特徴は、紙に印刷して電車内や駅に掲出したり、配布して客が持ち歩けるようにしたりするところにあります。路線図は、目的地の駅を見つけ、そこまでの経路を知るために使われます。このとき、紙の上で指で線を追いかける、あるいは目で見るだけで線を追っても見間違えることがないように色や大きさなどが配慮して制作されます。
路線図に描かれたことを読み取るのは簡単ですが、路線図に書かれていないことや、路線図ではわからないことのほうが多いということを知っていないと、大変なことになります。特に「A列車で行こう9」というゲームに関して「路線図」を描く人は、路線図1つですべてがわかる(「路線図」さえ描けば、自作マップのすべてを紹介しきることができる)かのように錯覚しがちです。路線図は地図の代わりにはなりませんし、もちろん時刻表の代わりにもなりません。あたりまえといえばあたりまえですが、このような方向から考えていくことで「路線図とは何か」がより明確に見えてくるでしょう。
路線図はデフォルメして描かれますから、駅と駅の距離や方角を路線図から読み取ることはできません。距離がデフォルメされている以上、所要時間を路線図の見た目から判断してはいけません。東京近郊の路線図を見ると、熱海も銚子も甲府も宇都宮も東京から近いのではないか、同じ日に熱海も銚子も甲府も宇都宮もまわることができるのではないかと思ってしまいますが、実際にどれだけ離れているでしょうか。路線図ではなく地図を見たり、時刻表で所要時間を調べたりして確かめましょう。乗り放題のきっぷの中には、そのきっぷの対象エリアをそのきっぷの有効期間では到底まわりきれない(エリアの端から端まで1往復することはできるがすべてをくまなくまわるには時間が足りない)ようなものもありますので注意が必要です。
以下の図は、ゲームの中での線形と駅の位置を忠実に描いた地図になっています。路線図として仕上げるためには、かなりデフォルメしないといけないことがわかるでしょう。(自作のツールを使用してランダムに得た地名をマップの地形・地勢に応じて与えています。)
(説明)以下の図は、先に路線図があり、それをもとにゲームのマップを仕上げていくプロセスを示しています。路線図は実在のものでも架空のものでも、それらをミックスしたものでも、考えていく流れは同じです。心理学でいう「認知地図」の実験方法を参考にするとよいでしょう。じぶんで描くばかりでなく、他人が描いた図を理解する学習も有意義です。
(説明)空間を横長に使って距離感を強調するつもりで、正方形のマップを「45°」回転させて考えます。なお、「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)で引ける線路は「22.5°単位」ですので、線形は「22.5°単位」で考える必要があります。「45°」の線だけで描かれた路線図と比べると、だいぶ自然な線形にすることができます。路線図を描くためのデフォルメとは逆のことをする感覚です。これは単に見た目の話ではなく、分岐駅での複数の路線の関係性(どちらが主でどちらが従なのかや新旧など)を明確化でき、路線(線区)を跨いで運行される列車の有無や回数(頻度)をも示唆するものとなります。線形を大域的に見れば、「速達型」や「シャトル」などの列車の運行イメージも自然と想像できてきますから、見た目以上に情報量の多い図といえます。
(説明)この路線網に合いそうな地形を「地形の自動生成」で生成します。
(説明)よさそうな地形が得られるまで何度でも生成を繰り返しましょう。
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