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811ページ「京浜急行電鉄」神奈川新町から先の仲木戸・神奈川・戸部・日ノ出町・黄金町・南太田・井土ケ谷・弘明寺・屏風浦・杉田・京急富岡・能見台・京急田浦・安針塚・逸見と、県立大学。(最終更新:2024年10月10日)
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私鉄はわかりにくい。これはそもそも『私鉄』つまり地元住民の地元住民による地元住民のためのプライベートなサービスという歴史的側面があるからである。JTB時刻表では、私鉄については平日の初電と終電の時刻が掲載されているのみ。先に「A列車で行こう9」の私鉄の車両のラインアップが「私鉄有料特急」に偏っていることを指摘したが、おおかたの人の私鉄に関する知識はJTB時刻表のレベルに留まる。これこそが『私鉄』つまり地元住民の地元住民による地元住民のためのプライベートなサービスという歴史的側面に過度に立ち入らないという一種のマナーのようにもなっている。法令上は、すべての鉄道は公共交通機関であるが、心情としては必ずしもそうではないことに配慮しよう。私鉄には沿線の住宅の軒先をかすめて走る路線も多い。大声で話すのはいけないし、カメラを民家に向けないのは絶対である。JR線と同じように写真やビデオが撮れるなどと思ってはいけない。江ノ電や京都市営バスで住民が優先して乗車できるようにしようといったニュースを見て、よく考えてほしい。
筆者の手元にある最新のJTB時刻表は2018年10月号である。811ページの1/3ちょっとのスペースで「京浜急行電鉄」の平日の初電と終電が「本線・久里浜線」「ウィング号」「空港線」「本線」「大師線」「逗子線」に分けて掲載されている。繰り返す。JTB時刻表には「京浜急行電鉄」の平日の初電と終電しか掲載されていない。なお、欄外には「三浦半島2DAYSきっぷ」の案内がある。
それではJTB時刻表の「京浜急行電鉄」のページは無用の長物かというと、決してそんなことはない。掲載されている「本線・久里浜線」の初電・終電は「特急」で、下りの初電は品川5:02発。泉岳寺から品川へ行ける初電の時刻はわからない。下りの終電は、三浦海岸0:40着と金沢文庫1:00着の「特急」が掲載されている。通過する各駅の終電の時刻はわからない。上りの初電は三崎口5:05発の「特急」だが、通過する各駅から必ずこの「特急」に乗り継げるように各駅停車の電車が走っているのかはわからない。繰り返す。JTB時刻表の「京浜急行電鉄」のページは無用の長物かというと、決してそんなことはない。
(ご近所のお父さんが犬の散歩)「空港線」「本線」「大師線」「逗子線」については「線内各駅停車」の初電・終電が掲載されているので、すべての駅の初電・終電の時刻がわかる。これに対して「本線・久里浜線」の北品川・新馬場・鮫洲・立会川・大森海岸・大森町・梅屋敷・雑色・六郷土手・八丁畷・鶴見市場・京急鶴見・花月園前・生麦・京急新子安・子安・仲木戸・神奈川・戸部・日ノ出町・黄金町・南太田・井土ケ谷・弘明寺・屏風浦・杉田・京急富岡・能見台・京急田浦・安針塚・逸見と、県立大学、北品川・新馬場・鮫洲・立会川・大森海岸・大森町・梅屋敷・雑色・六郷土手・八丁畷・鶴見市場・京急鶴見・花月園前・生麦・京急新子安・子安・仲木戸・神奈川・戸部・日ノ出町・黄金町・南太田・井土ケ谷・弘明寺・屏風浦・杉田・京急富岡・能見台・京急田浦・安針塚・逸見と、県立大学の各駅については初電・終電の時刻がわからない。なお、品川5:02発の初電は神奈川新町5:36発の「特急」に乗り換えという形式で初電の時刻が掲載されている。「斜字=のりかえ」という凡例を見落とすと痛い目に遭う。
(車両洗浄装置の使い方)『私鉄』つまり地元住民の地元住民による地元住民のためのプライベートなサービスという歴史的側面についていうと、この北品川・新馬場・鮫洲・立会川・大森海岸・大森町・梅屋敷・雑色・六郷土手・八丁畷・鶴見市場・京急鶴見・花月園前・生麦・京急新子安・子安・仲木戸・神奈川・戸部・日ノ出町・黄金町・南太田・井土ケ谷・弘明寺・屏風浦・杉田・京急富岡・能見台・京急田浦・安針塚・逸見と、県立大学といった駅のうち、特に神奈川新町から先の仲木戸・神奈川・戸部・日ノ出町・黄金町・南太田・井土ケ谷・弘明寺・屏風浦・杉田・京急富岡・能見台・京急田浦・安針塚・逸見と、県立大学といった駅には、よそ者が初電や終電で往来することはまずないだろうということである。食事の時間は避け、常識的な時間に訪問するものである。なお、「本線・久里浜線」の欄には「【快特】品川発 三崎口行 809.950~(8~20分毎)~1547.1622.1716.1929~(10~29分毎)~2209」といった記載がある。「空港線」の欄には「上記の間 約5~10分毎」「【快特】日中 約10分毎」、「本線」の欄には「上記の間 約10分毎」、「大師線」の欄には「上記の間 約5~15分毎」、「逗子線」の欄には「上記の間 約10分毎」と記載されている。繰り返す。JTB時刻表の「京浜急行電鉄」のページは無用の長物かというと、決してそんなことはない。「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)のプレーヤーが行なうべき「ダイヤ作成」とは、OuDiaというフリーソフトの操作に熟達することではなく、JTB時刻表の「京浜急行電鉄」のページのように、初電と終電の時刻を示し、「上記の間 約10分毎」「上記の間 約5~15分毎」や「【快特】日中 約10分毎」「【快特】品川発 三崎口行 809.950~(8~20分毎)~1547.1622.1716.1929~(10~29分毎)~2209」といった記事(記載事項)をそれらしくでっち上げることなのだ。リアルで実感的なダイヤとは、「【快特】品川発 三崎口行 809.950~(8~20分毎)~1547.1622.1716.1929~(10~29分毎)~2209」といったことを文字と記号だけで記載することなのだ。
路線の終点には目的地(そこをわざわざ訪問する客のある名所や施設など)があるが、路線の真ん中あたりの区間には地元住民しか利用しないような小さな駅しかないということがあるのだ。だからこそJTB時刻表の「京浜急行電鉄」の「本線・久里浜線」の欄では「特急」の時刻を掲載するわけである。先に「路線の考え方」の項で述べた「路線の成り立ち」とは、例えばこういうことなのであった。JTB時刻表の「京浜急行電鉄」のページでは、12両編成が運転されている区間はどこからどこまでなのかといったことはまったくわからない。8両編成に弱冷房車が2両あるといったこともわからない。詳しくは駅係員におたずねくださいということである(が、下手すると駅係員もわかっていないときがあるかもしれない)。(JTBになってからの)JTB時刻表という出版物もまた(JR時刻表に比べれば)プライベートなものなのだ。JTB時刻表は、JTB時刻表の読者さえ満足すれば、それでよいのである。
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