要望 - A列車で行こう9
機能間の依存関係と組合せ。サーベイとヒアリング。要望は具体的に。作者をののしらない。定型文をやめよう。
DATT-A9D
[ in English ]
※翻訳結果についてのおことわり(in Japanese)
最終更新:2025年3月17日
ここでいう「要望」とは、実際に相手方に伝えることを目的とするものではなく、こんな「要望」が出されうるというものを網羅的に集めることが目的であります。この意味で、まったくもって傍観者として「要望」を右から左へ書き写すようなことになってしまうことを先にお詫びしておきます。気に入ったらリンクしてください。
ここで挙げた項目のほとんどは、いつかどこかでインターネットに書いてあったことです。探す気があれば誰でも普通に収集できるものです。何も特別なことはありません。現に実現していない項目があれば、それはインターネットに書いてあることを探していない(何か特定の狭い界隈でのみ情報を集めるだけであたかもあらゆる情報を集めたかのような錯覚に陥ってきた)ということなのでしょう。そんなことでよかったのでしょうか。本当でしょうか。
要望の考え方
どんなソフトウェア(ゲームソフト)にも不満はつきもの。「こんな機能があったら」と考えるのも楽しみの1つととらえよう(ゲームシステムや作者の考えをより深く知るためのきっかけにしよう)
すでに実装・収録されているものについて、よく観賞しよう(実装・収録されてさえいれば何も言わなくなってしまうのでなく、何か不満があれば、それを言おう)
新機能や新要素(※操作のメニューを増やしたり、動きや効き目を変えたり、アイテムなどのカテゴリーを増やすこと)を「実装するなら、その方法はこれだ(⇔ほかの方法はあまりないか、よくない方法である)」という話をしよう
(個々別々の)建物や車両の「リクエスト」は無意味だ(だれでもだいたい同じように考えるので、いちいち言わなくてもだいたいわかる:何を採り入れて何を採り入れないか決めるのは作者の領分だから作者に一任しよう)
| ほしい | ほしくない |
要る | ほしい!(魅力がアップする) 要る! (それがないと代わりが利かない) | ほしくないというか ほしいかどうかわからないが 要るという人が いるなら…(てんてんてん) |
要らない | ほしいという人もいるが あると困るので要らない (ほかの実装の妨げになる) | ほしくないし 要らない |
「ほかの実装の妨げになる」ものは「要らない」。
ほかの機能や仕様と互いに影響しあわない、独立した実装にできることを「依存関係がない」という。このとき「要らない(あると困る)」ということは考えなくてよくなる。
- 「それがないと代わりが利かない」かどうかを見定めていく
- 「要らない(あると困る)」かどうか判断するには⇒ほかの全機能との組合せを総当りで全部たしかめる
- こんな選択肢があるよということはぜんぶ知っておきたい
現に「要らないもの(あると困るもの)」がついてるときは、『あってもなくてもいい(じぶんは興味がないから関係ない)』と思わないで、『なくしてほしい』という意見を述べてほしい。
実現しようのない要望や、要望する意味のないことを要望しないこと。
- じぶんが考えた要望がどこにあてはまるか、冷静になって客観的に見定めよう
- 0~3は、そもそも「要らない」ので、考えるだけ無駄である(知っておくのはよい)
- 4~7は、優先順位をつけるときに他人と意見が対立するかもしれないが、基本的に「要る」ので、自分が「ほしくない」というだけで「要らない」と言ってはいけない
- 4と6は、地味で軽視されがちだが極めて重要な要望である可能性があることに留意
- 1と3のように「ほしくない」「要らない」のに「インパクトがある」というだけでメーカーが実装してしまったものがある(「鉄道博物館」や「ランドマーク(世界各国の有名建築物)」など:なくしてほしいを参照のこと)
サーベイ
ないもの探しをしてみよう。ここでは道路の柵のメーカーのカタログを参考にした。
「横断防止柵(7都県市)」とは、例えば東京の都道で、都のシンボルマークの意匠を施した道路の柵である。区道や横浜市の市道でもそれぞれの意匠がある。柵の違いは道路管理者の違いである。道路管理者の違いは、都市計画における道路の位置づけによる。
- ゲーム内で道路の幅は1種類のままでも、柵にバリエーションがあれば道路の管理者の違いを演出できる(主観的な「大きな道路」「小さな道路」というイメージは柵だけで表現可能である)
- 現在の実装ではガードレールは1種類だが、種類の数を5倍、色の数を3倍に増やせば、「15倍の表現力」を獲得する(『情景の描き分け』ができるようになる)
- 「アイテム」としてプレーヤーにぽちぽちと配置させるばかりでなく、交通量や車種に応じて自動決定されるという実装もありうる(交通量や車種という情報を文字や数字ではなく外観の変化で表示するという意味)
情報を「外観の変化で表示する」という考え方から「駐輪場」「立体駐車場」「タクシープール」の新たな使い方(ゲーム内での効果の持たせ方)を考えていくことができる。
ヒアリング
他人の要望を正確に理解しないまま否定しないこと。複雑なことは図表にまとめよう。自分が要望するかしないか(自分の役に立つ新機能であるか)だけを絶対の基準とするばかりでなく、他人の要望の実現性を高めることに助力してよい。
- 「地形の自動生成」で生成されるマップは、パラメータによってはとても広い地域のように見える
(地形だけで見れば、軽く「40km四方」くらいには見える)
- 地形の分解能は非常に高く、大まかな起伏や遠景としての山や海の表現には余るほど(ゲオ24)
- マップに配置可能なオブジェクト数は据え置きで、建物や線路を縮小することは可能
- 一方で、河川と樹木(森林)の表現力は現在も不足している
(より細かい河川、0m以外の水面、より大きな樹木、密度の高い森林を表現できる機能がほしい)
- 線路や道路の築堤や掘割の表現に「(生の・直の)地形編集」を使わせる設計には納得できない
(線路や道路の曲線と地形が合わない)
(斜面に建てる建物の基礎の表現と同様、線路や道路に築堤や掘割のパーツを加え、これらが「地形」にオーバーラップすればよい)
(同じ実装で「曲線ホーム」「線路の柵(曲線)」「道路のガードレール(曲線)」もできる)
(「高架橋の壁」「線路の落石防護工」「地面から地下に潜る勾配線路」「地下鉄駅入口」としては実装済みの処理である)
(トンネルの直径が大きい「複線シールドトンネル(曲線)」の実装は「地下鉄駅(ドーム型)」の応用となる)
- 建物についても「整地だけを行なうダミー建物」のような実装を期待したい(土木24)

※むこうのWikiで、「100km四方」という要望に対し「100km四方などの無茶な要望は止めて欲しい」という投稿があったが、とんでもないことである。また、「私鉄の車両が少なすぎるから、増やしてほしい。」という要望に対し「許諾してくれない鉄道会社もありますから難しいですよ」という投稿があったが、これもとんでもないことである。その後も「マップを拡張できる機能はA9じゃ無茶ですよ」「editで20m以上の高さに水面は技術的にも難しいから無理ですよ」など、妙に説得口調の投稿があるのが気がかりである。さらには「再度、マップを拡張できる機能など無茶な要望は止めてもらいたい」などと念を押すような投稿までなされている。なんともはや。
要望は堂々と具体的に
- 要望は観念的でなく、現実の鉄道によく取材して行なうこと
- 必ず参考資料を提示すること(インターネット上の画像や動画にリンクしてよい:参考にしたのにリンクしないのは剽窃にあたる)
- 定型文をやめよう(じぶんが何にヒントを得てどう考えたのかという道すじを説明しよう)
- 「××を追加してほしい」「△△ではなく××してほしい」(※「××」には他社やジャンル違いのゲームに出てくるものなどが入る)という定型文をやめよう(このゲームのこれまでの実装へのリスペクトを示そう)
- 「△△でいいから○○してほしい」(※「△△」には何か妥協したり控えめに言ったりしたものが入る)という定型文をやめよう(じぶんが本当に望むものは妥協なく要望しよう)
- 「△△ではなく××してほしい」(※「△△」には現在の不満な点、「××」には熟考の跡がない安易な解決策などが入る)という定型文をやめよう(何がどう不満なのかを詳しく説明することに労力をかけよう:結論を急ぐな・自分だけで結論を出そうとするな)
- 長くなってよいから(短い文字数でびしっとキメる作文だと思わないで、楽しくおしゃべりする感じで)いくらでも言葉を補って説明を尽くそう(そうすれば定型文にはならなくなる)

- 実装済み「列車タイプ」のさらなる応用を考える
- 具体的な実装のしかたをまったく考えないまま「ATS」や「uシート」「京急ウィング号」などの「いかにも『鉄』」なキーワードを挙げるだけでは非常にとりとめのない要望に見えてしまうが、「列車タイプ」を使っての実装ということにすれば現実的である
- ゲームの中で「ATS」を表現するために必要なのは「地上子」(というグラフィック)ではなく「速度制限」の(複雑な)動作と「音」である
- 子どもに「地上子」を見せると異様な執着のもと実物を(手段を選ばず)入手したがるのでやめてください(まるでカラスが石けんを蒐集するかのよう:ATSについて勉強するという態度がなく、珍しいものを持ちたがるだけ)
- 鉄道と都市の接点(バッファー)としての駅前広場(の面積)を決定してみせるというゲーム性(ここまではJRの仕事)
- このゲームでは「乗客」になってからが「人」(街を歩いているだけのひとはゲームの要素ではない:市長が道路の幅を決定するゲームではない)
- 「
呼んではいけないあのゲームにはあるから」は理由にならない
- (コンピューターや鉄道に親しむ)わたしたちにもそういう傾向はあるが、このゲームの作者もまた例外ではなく「次回作はすごいものにしないと」「A9はこれで最後だ」といった強迫観念のようなものをじぶんでつくってしまい、にっちもさっちもいかなくなっていると心配される
- アップデートパッチを164個つくるつもりで何も考えずに手を動かせばよく、164個もあるのだから「A9V6」ということにすればよい。「ファイナル(定番。)」より後に「アドバンスド(進化への序章。)」が出たらわたしたちは喜ぶ
- そもそも「プロフェッショナル」「プレミアム」「マスターズ」「ファイナル」などの名称は不要である(将来の製品展開を無駄に妨げるものである)
- 「Windows11」や「Windows12」が出ないことを不満になど思わない(現行バージョンがよくメンテされることが大事)
- わたしたちは自分が叱られたくないので他人も責めない。「アップデートパッチの集大成いわばサービスパックたる「A9V6」(「A9」の「SP5」)として淡々と開発された製品を商売上「A列車で行こう10」とリネームして発売するというなら、それはとても歓迎されるだろう」という助け舟を出す用意すらある。だから安心してほしい
「A列車で行こう10」が「シリアスゲーム」になることを期待しておく。
[ バグ - 要望8 - 要望12 - 要望16 - 要望24 - なくしてほしい - 色がおかしい - 日本語がおかしい - 要望の考え方 - 車両の選び方 - 信号機 - A列車で行こう10への道 ]
(このページの初版公開:2020年4月29日、要望24の初出:2019年4月1日、要望16の初出:2020年1月27日、要望12の初出:2020年7月1日)
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