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初心者卒業のダイヤ作成のコツ:ゲームに用意された「列車タイプ」を使いこなせ。考えた通りの乗客数や収支にならなかったときは。(最終更新:2024年10月10日)
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「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)には、ゲーム独自の「列車タイプ」という概念がある。1つの列車は1つの「列車タイプ」に属し、「列車タイプ」ごとに一定の「最大乗車率」「運賃収入の係数」が適用される。「連結」した列車では「速度」や「ダイヤ設定」は進行方向前方の列車の設定値が使われるが、運賃収入は「連結」前の列車ごとに、その列車の「列車タイプ」に応じて別々に計算される。「カスタム」で作成した列車については、先頭車両の「列車タイプ」が編成全体で使われる。先頭車両だけを上位の「列車タイプ」のものに変えると、例えば定員の多い「通勤型」で特別料金を取るような列車などを作成できる。
ゲーム画面の「Train」リストでは「列車タイプ」が英語で表示される。小学生や中学生の人は、表示が英語の箇所は目に入っていても無視してしまいがち。このサイトが想定する読者(高校生以上)である(はずの)あなたは英語の表示をきちんと読むべきである。このことは、英語圏のゲームが多いPS4のプレーヤーでは心配ないだろう。英語は飾りではない。英語で書かれていることも情報として受け取る必要がある。『日本語化』されていても翻訳が中途半端なゲームは多い。結局は英語を読んだほうが早かったり正確だったりすることをPS4のプレーヤーならよく知っているはずだ。ソ○ーはだてにグローバルではないといえる。
※筆者はソニーのゲーム機をまったく触ったことがないが、似た経験として、自作PC(DOS/V)のマザーボードの説明書が完全に英語だけという時代にPCを自作したのが英語の特訓になったと感じている。組み立てや設定を間違えれば1万円札がパーになるというプレッシャーのもと必死で英語を読んだものである。グローバルとは、台湾やフィリピンの英語を読み書きできることである。紅茶とスコーンでピーターラビットを読んでいる場合ではない。
「Train」リストの「Train」という単語を、即物的なイメージ(モノを描いた絵)ではなく抽象的な概念(ものごとの考え方)として理解しよう。「Train」は「車両」という意味ではなく、「列車」は「車両」と同義ではない。どのような運賃や速度でどのようなサービスを提供するのかという抽象的なことを「列車」という言葉で表わす。ただ、日本語でいう「列車」を「Train」に直訳してしまうと、「列車」という言葉が持っていた抽象的な部分がそぎ落とされて、『機関車に引きずられた車列』という即物的なイメージしか表現できなくなってしまう。専門的な翻訳では「列車」を「輸送サービス」と言い換えてから英訳するかもしれない。
「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)の「列車タイプ」は、日本語でいう「タイプ」(類型)という言葉のせいで、てんでばらばらの特性いわゆる『個性』だと誤解されるかもしれないが、そんなにふわふわしたものではない。「最大乗車率」と「運賃収入の係数」を厳密かつ明確な差をつけて体系的に与えるのが「列車タイプ」である。「輸送サービスの水準」の「低い(低廉で日常的)」から「高い(高級で非日常的)」まで、数直線の上にリニアに整列して並んだ状態をイメージできれば正確だ。「列車タイプ」に並ぶ「新幹線」や「特急列車」という日本語の文字列を見ると旅行気分や風情を表わすもの(気分で使い分けるもの)のように思えてしまうが、「高速な列車を実現するには割高なコストがかかる」というテクニカルな話を簡潔にモデル化した秀逸な実装なのだ。「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)の「列車タイプ」を考案した人は、きっと英語で考えたのだろう。○ート×ィンクはだてにグローバルではないリニアにはシートベルトがほしい。
※日本の既製品の鉄道模型では商品に箔をつける(実際よりも立派に見せる)ためか、(舶来品であるかのように気取って)やたら英語を併記してみせる芸風があるが、「Type」という単語は「EF64形」「DE10形」などの「形」という称号の対訳として定着しているので、「列車タイプ」と書かれていると相当に違和感がある。だからといってどう呼べばいいのかもピンと来ない。妙案があれば提案してみるとよいだろう。
「最大乗車率」はわかりやすいが、「運賃収入の係数」はかなりわかりにくい。公式ガイドブックには「基本運賃」が掲載されているが、その数字そのものではないことに注意が必要だ。「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)の「列車」は、発駅と着駅の直線距離に比例して運賃収入が増減する。この比例の式に累乗の指数を乗せる(要するに二次関数)ものを、ここでは便宜的に「運賃収入の係数」と呼んでおく。中学校の数学で習う範囲では「2乗」止まりだが、ここを「0.3乗」だの「1.1乗」だのといったことにするのが「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)の「列車タイプ」であり、運賃収入の計算式なのだ。こういうことになっているので本作は高校生以上でないと意味がわからないゲームだろう。
※もしかするともっと複雑な実装(分布関数あるいは場合分け)になっているかもしれないが、そこまでは突き止めきれていない。突き止めないと気が済まない人はExcelを駆使して解析してみるとよいだろう。
(ごはんたかなきゃ)本作の公式ガイドブックでは歴史的に『ドル箱路線』という表現が使われてきたが、ゲームの中で本当に『ドル箱路線』になるようにするには「列車タイプ」と「発駅から着駅までの距離」をよく計画して使うことが必要で、これはなかなか難しい。『ドル箱路線』という言葉のイメージだけで、例えば山手線の車両を満員で走らせさえすればゲーム内で可能な最大の利益をたたき出せる(≒このゲームは簡単すぎる)などと思ってはいけない。同様に、現実の東急線はかなりの『ドル箱路線』だと思われるが、本作に登場する東急線の車両や乗り入れてくる地下鉄の車両を使っても、このゲームの中では『ドル箱路線』にはなってくれないことに注意したい。
※『ドル箱路線』という表現は、設備投資や安全対策などの不備を指摘したり、行き過ぎた利益追求に走る経営陣を非難するときに使うもの。よいイメージはまったくない。
※昔の東急線には「安かろう」「ごみごみした」「なりふり構わない」というイメージが強く、間違ってもカカオサンパカ『おしゃれ』なイメージはなかった。
さて、いまここで「列車タイプ」という概念について説明する文章を読んでもなお、「要するに特急だろ」「速ければ速いほど儲かるんだろ?」と早合点してしまう人がいるだろう。「カスタム」を使えば、どの車両も速度を引き上げることができます。速度さえ上げれば特急だといわんばかり。「特に急ぐ」と書いて『特急』。もうおわかりですね。言葉のイメージだけで考えてはだめ。このゲームの中で意味のある「特急」とは、「列車タイプ」の「特急列車」を使うこと。逆にいえば「列車タイプ」の「特急列車」の速度を下げて使っても、運賃収入の計算上の優位性はまったく揺らがない。遅くても「特急列車」は儲かる。逆のことを試してみながら理解するとよく理解できることがある。なんとなくわかるだけで終わらせず、明示的に逆のことを考えてみてほしい。
(むしゃぶるい)ここまで「特急」の話ばかりになったが、そうするとこんどは「列車タイプ」の「特急列車」さえ使えば今朝も絶好調『最強』といわんばかり。自分が気に入った特急の車両1つをあとさき考えずすべての場面で使う人が出てきそうである。「列車タイプ」の「特急列車」にも車種はいろいろあり、「列車タイプ」にも「特急列車」より上位の「超特急」と下位の「急行列車」があることを忘れないでほしい。
あくまで「A列車で行こう9」(PS4「A列車で行こうExp.」)の中で与えられているパラメータとしての話だが、旧型の特急列車や定員が少ない特急列車では思ったように運賃収入を上げられないこともある。この場合、「列車タイプ」としては下位になる「急行列車」には定員の多い車両もあり、そもそも「最大乗車率」も「特急列車」より高く設定されていて有利な場合がある。あるいはどうにもこうにも乗客数が少ないときはむしろ「列車タイプ」の「超特急」にしたほうがよいかもしれない。ゲームの中の「列車タイプ」や、そこに属する種々の車両は、どれか1つを『最強』と決めつけてそれだけを使うというのではなく、適材適所で使っていくためにあるといえる。まだ使ったことのない車種があれば試してみよう。
どんな列車? | ゲームでの使い方 | ||
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ゲームでの「列車タイプ」 ※ゲーム画面では英語で表記 |
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長距離を高速で ~いわゆる列車~ | |||
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中距離を着席型で ~遜色なし~ | |||
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近距離で定員を多く ~いわゆる電車~ | |||
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【読み方】Super Express:スーぱぇく(す)ぷれっ(す)/Passenger:パーせんじゃ(ーっ)/High Speed Commuter:ハ~ぃすぴー(ど)っクゥオみゅ~たぁ/Underground:アンダャぐら~ん(ど)(※太字カタカナを強く発音、下線部は1音、括弧は子音のみ発音。ただしカタカナで覚えたり読み上げたりしないこと)
※列車の「愛称」はスポンサーシップや補助金を示唆するものである。花火大会や空港アクセス列車など。
※つり革があれば「電車」である。
※「地下鉄」は、建設主体が自治体であるものを指す。
※営団地下鉄の新線の一部には国鉄のバイパス線という性格がある。
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