[ ダイヤグラム総合(仮称) > 速度制限標識で速度に変化をつける ]
暗記しやすい速度制限標とは。下りこう配と「抑速ブレーキ」・上りこう配と「定速」。振り子式(車体傾斜式)とフルアクティブサスペンション。(最終更新:2024年10月10日)
(説明)
速度制限標とは何でしょうか。速度制限の数字には意味があります。運転士には速度計が故障しても速度を把握できる能力が要求されています。速度計を隠して所定の速度で運転させる訓練があります。このとき把握しやすい速度が人間工学や心理学の見地から実験的に見出されたものなのでしょう、信号の現示による速度制限には社局によらず同じ速度が用いられています。本線上では曲線半径に基づいて細かく定められた速度制限標もあるでしょうが、その前にまず速度制限標の基本として、信号の現示と同じ速度制限や分岐器の種類ごとにだいたい一定の速度制限をするものではあります。運転士には速度制限の箇所と速度を暗記することも要求されますから、ここはぜひ暗記しやすい速度制限標を建ててあげましょう。人間の感覚(視覚・速度感)に頼らないATCでは、人間の注意力・記憶力の限界を超えて、曲線半径や勾配という線路条件を最大限に活かす(ロスを最小限にする)べく細かい速度制限が行なわれます。また、振り子式(車体傾斜式)やフルアクティブサスペンションなどを採用した車両によって高速化を図る事業(※主に都道府県による公共事業)に伴う運転で特別に速度を引き上げる箇所では黒地の速度制限標識が設置されています。
【豆知識】「里程標」という言葉が辞書に載っているように、「速度制限標」という言葉がちゃんとあります。「標識」と「標」は別の概念で、「標識」の「識」を勝手に省いた俗な言い方というわけではありません。「里程標」を英語では「マイルストーン」というように、標識としてそこに置かれた石そのもの(速度制限の数字が書かれて線路際に置かれた物体そのもの)という意味で言うときに「速度制限標」と言います。標識の内容(速度制限の数字)について言うときは「速度制限標識」と言います。「見当識」という言葉が辞書に載っているように、「識」は「見える」「読める」「わかる」という意味で、「目印として置かれた石が、それとわかること(ただの石ではない=目印であるとわかるように見えること)」を「標識」と言うのです。このサイトの別のページで「分解能」という言葉の「能」について説明しています。このような日本語は古風だと感じられるかもしれません。鉄道にはなまじ150年の歴史があるので、多くの専門用語が古い時代に翻訳されています。その重みを味わうつもりで漢字1文字にまで気を配ろうではありませんか。『杯を乾かす』などと言っている場合ではありません。
車窓モードで見て不自然ひいては恐怖に感じられるほど高い速度で走らせるのはやめましょう。特に、マップをつくったじぶんと他人では、速度の感じ方が違うことを知っておきましょう。じぶんがつくったマップのことをぜんぶ知っているあなたにとっては、次に何が見えるかなど予想ができているので、かなり速い速度でもついていけるでしょうが、あなたのマップを初めて見る他人は、何も予想できないまま、映像として見続けることになるのです。あまりにめまぐるしくいろいろなものが現れるのでは、疲れてしまいますし、せっかくの「見せ場」を見逃してしまうかもしれません。マップをつくったあなたにとってはこんなに遅いのかと思うほど遅くしておいて、他人にはちょうどよいのです。(楽器の演奏や作曲と似ています。じぶんだけだと、どんどん速くなってしまうのです。)
鉄道模型のジオラマを参考にするとよいとはいえ、どの列車も同じような速度で延々と走り続けるというのはやめましょう。せっかく細かい設定ができるのに台無しです。列車の速度は、急行や快速を遅く、各駅停車を速くすると実感的です。
速度制限のある区間を強調して演出しましょう。現実の路線をモデルにする場合でも、速度制限の数字を現実の通りにするばかりでなく、ゲームの画面で実感的と思える速度をじぶんの責任で探り当てましょう。
機関車けん引列車は同じ速度を保って走ります。発車時も、電車のように加速するわけではありません。「A列車で行こう9」で機関車けん引列車を実感的に走らせたいときは、現実とは異なりますが、速度制限標識を使って速度を変えてあげましょう。
ただただ速度制限標識という線路際のアクセサリーを立てようとばかりするのでなく、その区間の歴史やストーリーを感じさせるように使っていきましょう。
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