知られざる「JRの路線図」の極意:鉄道利用者の動線に寄り添うオプティカルフローとアフォーダンス。特急停車駅は示さず、「列車」ではなく「線路」を描く。(最終更新:2025年7月12日)
路線図は目的地までの乗り換えがわかるようにするための図です。JRの路線図では、路線と路線の乗換駅は強調して表示しますが、特急停車駅を強調することはしません。このことは運行情報・運休情報を表示する画面でも有効で、乗り換え(乗り継ぎ)の経路上に運休区間がないかどうかを一目で確認することに役立ちます。特急列車については、そもそもきっぷの買い方や乗車のしかたが異なるので、別口で案内があればよい(特急停車駅は特急列車の車内で案内すれば足りる)ということです。
※いずれもギブソンの仮説で、「アフォーダンス」はギブソンによる造語。
路線図では特急列車のほか、通勤快速やライナーも表示しません。「むさしの」「しもうさ」のような列車も表示しません。
一方、朝夕のみの地下鉄東西線の津田沼乗り入れや取手までの常磐線各駅停車は表示します。湘南新宿ラインの特別快速や相鉄線直通列車も表示します。
会社要覧や貨物時刻表などのプロフェッショナルな図で「信号場」「貨物駅」「CTCセンター所在駅」を示す場合は「△」や「◇」などの記号やその組み合わせが使われています。交通新聞社の出版物では趣味的な内容でも表記方法などは完全にプロフェッショナルの流儀が守られます。
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