要望 - A列車で行こう9

そもそも発売未定の「A10」が繰り返し話題になる理由とは。謝辞と参考文献。西武新宿線「花小金井駅」徒歩7分。

DATT-A9DARXモーニング工場

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翻訳結果についてのおことわり(in Japanese)

最終更新:2024年3月29日


「A列車で行こう9」の「要望」とは

ここでいう「要望」とは、製品の機能・仕様への「不満」や作品としての表現・演出への「期待」を自由かつ独立の立場で具体的・合理的に表明すること。過去にメーカーが「要望に応え」と宣伝したことから、なぜか「要望」といいます。逆説的には、現に実現されたものだけが「要望」ということになります。

一般には「感想」「意見」といい、実現を相手方に「要求」するものではありません。いずれにしても、「理由」や「自分の気持ち」を最大限に詳しく説明することが欠かせません。これは、わたしたち自身が自分で説明しない限り、誰も説明できないことだからです。なお、価格や発売時期などメーカー側の領分には立入りません。この作品のタイトルが「A列車で行こう」だということこそが実は最大の「不満」だったとしても、それは相手方がつけた名前なので、わたしたちはいえません

「要望」=「車両のリクエスト」?

ウィキなどで「あの車両を収録してほしい」という「車両のリクエスト」ばかりを「強く要望」する人がいます。新規収録の車両は、その年の新型車両や話題になった車両の中から適切に選んで収録することが容易・確実なので「要望」しなくて大丈夫です。このゲームに「どんな車両がほしいか」ということは、そもそも実際の鉄道に「どんな車両があるのか」ということ。メーカーが収録車両を選ぶときに、さほどの自由度があるわけではありません。とりわけ新型車両については、あなたが「要望」するまでもなく、誰が考えてもその車両を入れようということに、ふつうはなるでしょう。

その一方で、旧型車両、収録されている車両の色違い、私鉄の普通電車、それに地下鉄の車両の収録は、かなり手薄です。種類が多いことからもメーカーが二の足を踏むのはしかたありませんが、例えば京急2100形が収録されていないなど、収録されている車両だけではちっとも沿線の情景が描けない私鉄については、ぜひ「要望」してみてください。収録されたら「ありがとう」で終わりにするのでなく、収録されているものについても厳しい目を向けてください。新しく追加されたE233系と以前から収録されているE233系を並べると違和感がありすぎるといったことにも、ちゃんと文句を言ってください。模型と同じく方向幕は省略しないと不自然だといったことも、ちゃんと指摘してください。車両全体のモデリングの精緻さを損ねてまでアイコン(ドレスアップパーツ)のように信号炎管をつけるのはやりすぎです。「車両に関する要望」とは、このように「車両のリクエスト」以外にたくさんあります。

ゲームソフトという製品の開発として、単に収録車両を増やすというのは、プログラムをまったくいじらないアセットの追加にすぎません。これではゲームソフトとしての進化はありえません。ぜひ、プログラムをいじる必要のある(仕様の変更や機能の追加となる)「要望」を考えてみてください。「車両(列車)に関する要望」で「プログラムをいじる必要」のあるものといえば、加速度を自然にする、駅のダイヤ設定で運転速度を変える、運賃を上げたり下げたりする(特急形の車両で「佐原から普通」にする)、近郊形などの車両を「着席サービス」(座席指定列車やライナー)として運行する(最大乗車率を100%までにする代わりに運賃を上げるモード:ダイヤ設定に「着席」というチェックボックスを増やすだけの簡単なお仕事です!)、乗客数をグラフで表示する、駅のダイヤ設定で列番(列車番号)と行先を設定して車窓モードなどで表示できるようにする、といったことがたちどころに浮かぶでしょう。「A列車で行こう9」の動画をつくっている人たちが動画編集で字幕などで表現しているものには、そもそもゲームソフトがその機能を持っていればよいというものが多々あります。「要望」というかたちで文章になっていなくても、現に「要望」が表明されているのに匹敵するという見かたをメーカーにはしてほしいものです。


「ぜんぶA列車で行こう10のせいにしてしまへ」とは

「A列車で行こう9」初回版に同梱の小冊子「ログイン」の漫画に「次の『10』では架線を実装?」というくだりがある。発売と同時に「次の『10』では」などとのたまいながら、足元の『9』にはバグだらけだったので、技術に明るい『ユーザー』(※ゲームなのに『ユーザー』)が多かった当時、相当の顰蹙を買い、PC-9800シリーズやコンパックの時代からのベテランの(開発者らとは同期の)固定ファンの多くを失った。発売が決まってもいないうちからいう「A列車で行こう10」は、目先の製品から目を逸らさせるスケープゴートそのもので、せっかくの「A列車で行こう9」をスポイルするものにしかなっていないといえる。


地道に「A9V6」を目指せば「A10」ができる

こちらを先にお読みいただきますとスムーズです

コードネーム一寸法師「A9V6」が完成したら、それを「A列車で行こう10」と呼んでいいのだ。ほとんどのことはアップデートパッチでできる。呼び方はわりとどうでもいい。大事なのは中身だ。ゲームのプログラム本体の改良、待ったなし。ADが誇る歴戦のPGの面目躍如である。設計者ではなくいわば職人である“かれら”は自分で課題発見をする訓練は受けていないが課題が与えられさえすれば途端にいきいきと活躍できるのだ。課題がどんなに難しくても問題ない。むしろ難しければ難しいほど仕事が楽しい。しかし、指示は抽象的ではなく具体的でないといけない。そこは設計者の仕事なのだ。新規収録の車両や建物ではなく、新機能やUXの改良に目を向ける時が来た。プログラムと言えばCPU使用率やらマルチスレッドという単語のひとつ覚えとは情けない。ゲームだから当たり判定だという思い込みも甚だしい。自分の専門ではない専門分野について県立図書館(東京都では区立図書館)のレファレンスサービスを受けながらリサーチするレベルのリサーチをしないといけないし、もっと日常の感覚に即して地道に作り上げるべきものでもあるのがゲームのプログラムなのだ。ほんのわずかの専門用語みたいなのを叫びさえすれば済む(ゲーム業界でふつうの実装を寄せ集めさえすれば完成する)というものではないのだ。すでに実装された機能のUIがきわめて洗練されていないことよ。機械的な作業としてUIを洗練していくだけで機能そのものを改良できてしまうレベルだ。いわゆるひとつのブルーオーシャンである。見る人が見ればたちどころに全面改良の全面刷新の抜本的な見直しが数日で終わるレベルのことが手つかずで放置されているのだ。「たったこれだけ」ともいえることがこれまで完全に無視されてきたのだ急がば回れ。まずはバスについて徹底的に仕様を洗い直すとしたら…。「A列車で行こう10 いつ」と検索したあなたも、どうか落ち着いて、関係ない話だと思わないで、ここに挙げた項目を1つずつ丁寧に見ていってほしい。丁寧な客がいてこそ丁寧な製品が作られる。あのゲームがあの程度だというのは、あなたがその程度だからだ。このページ以下をきちんと読むにはおよそ1時間ほどの時間をいただく。ほんの10分未満の滞在では、このページを読んだことにはならない。ましてや、各ページを数秒でざっと見ようなどとスースーシーシーワーワーナーナー失敬なことはしないでほしい。ざっと見ようということなら、ここに挙げた目次を見るだけですでに目的を果たしているのだ。

※たいへんぶしつけながら、このページ以下をどんな人がどんな秒数順番で見たかについて、プライバシーを保護した形で一部を公表しています。それによりますと、自分が知っていることだけを見ていくっぽい人(知らない言葉が書いてあるリンクは絶対にクリックしないっぽい人)、簡単な言葉しか書いてないリンクはクリックしないで飛ばしてしまうっぽい人(リンク先には簡単なことしか書いてないっぽいと読みもせずに思いこむっぽい人)、いわゆるゲーム用語や掲示板やWikiや動画投稿サイトで見慣れた言葉が出てこないからというだけで無視してよいページだと誤解して何も開かずに帰ってしまうぽいっ人などが観察されてきています。


謝辞

これらの事項等の抽出および抽出方法等の検討に際しインターネット上のあらゆる記述を参考にしたことをここに記し謝意を示す。

参考文献


[ バグ - 要望8 - 要望12 - 要望16 - 要望24 - なくしてほしい - 色がおかしい - 日本語がおかしい - 要望の考え方 - 車両の選び方 - 信号機 - A列車で行こう10への道 ]

(このページの初版公開:2020年4月29日、要望24の初出:2019年4月1日、要望16の初出:2020年1月27日、要望12の初出:2020年7月1日)



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