平凡社新書「情報デザイン入門」を右に:自分勝手なやりかたや考えで『路線図』を描いて失敗や後悔をしてしまう前に「路線図は何ではないか」を知る。(最終更新:2025年12月8日)
| 路線図の目的 | 路線図の特徴 | 路線図の読み方 | 路線図の入手方法 |
|---|---|---|---|
| 乗車経路・乗換駅を案内する | デフォルメして描く | 現在地と目的地を見つけ、乗車すべき経路をなぞり、乗換駅を見つける | 改札付近/公式HP ※無料 |
| 広告や宣伝ではない(名所案内ではない) | 距離や方角は正しくない | 乗車や旅行に必要な情報が路線図だけですべてわかるわけではない | 転売・複製・改ざんをしてはいけない |
いま、まさに『路線図』を描こうと「路線図の描き方」というクエリで検索したあなたに「描くのをやめろ」というようで申し訳ありませんが、あなたが自分勝手なやりかたや考えで『路線図』を描いて失敗や後悔をしてしまう前に、これだけはお伝えしなければなりません。「路線図の描き方」とは、「路線図は何ではないか」を知ることです。
路線図とは何かを学ばないまま、見た目だけを真似して図を描くことはやめましょう。じぶんが見たことのある図だけの、しかもうろ覚えで描こうとすると大失敗しかねません。路線図と、路線図ではない図(地図、地形図、停車駅案内図、運賃表、駅構内の配線略図など)の違いをしっかり理解して描き分けましょう。図を描く目的を再確認して、その目的に最適な図の体裁(appearance)を選び取りましょう。あなたがゲームを進めるために必要な図は、路線図という体裁(美観や意匠性)にこだわらず、ゲームの中での実用性(線形や駅間距離の計画や確認など)がじゅうぶんに得られる体裁で描きましょう。特に、何の準備もしないままいきなりグラフィックソフトやプレゼンテーションソフトなどを開いて、むやみにカラフルでファンシーな図をやみくもに描いてしまうことは避けましょう。また、専用のアプリやテンプレートを使って安直に作成したものを「自作」とは呼べません。あなたが「路線図」を「作品」や「作品の一部」として『発表』したいのであれば、アプリやテンプレートに頼らず自力で描くことが絶対の要件になります。(これを「独創性」といいます。)まずは白い無地の白紙にフリーハンドで手書きしてからでも遅くはありません。スマホは脇に置いて紙とペンを用意して自分を解放して解き放って、黒のペンだけを使ってモノクロームの黒1色で思いの丈を自由にのびのびと描きましょう。消しゴムは使わずに紙は何枚でも捨てるように使い捨てしながら使いますが、1枚たりとも捨ててはなりません。失敗したものや途中で投げ出したものも含め、描いた順で綴じてメイキングを記録してください。コーヒーとは、浴びるように飲む飲みものです。
(会津大学)このページは「情報デザイン入門」(平凡社新書)を読んでから読むべし
- “日本で言う「デザイン」という言葉に振り回されて、画としての表現技術を求めて読もうという方には向きません。”(Amazon.co.jpのカスタマーレビュー)
ゲーム「A列車で行こう」で遊びながら「そうだ、路線図を描こう!(10分で)」と思い立ったあなたには、ゲームの中だけでは充足できない切迫したニーズがあることと思います。でも、そのソリューションは本当に『路線図』なのでしょうか。あなたが描くべきは『路線図以外の何か』だったりしないでしょうか。
そうしたことを自分自身で自問自答していただき、それでもやっぱり「描きたいのは路線図だ」という結論になれば、おめでとうございます。この続きを読んで「路線図」を格段にリアルなものに仕上げていってください。ゲーム「A列車で行こう」を楽しみながら「路線図」を描く楽しみに締切はありません。いくらでも時間をかけて、いつまでも編集を続けましょう。安直に手軽な方法でそれらしく描いたというだけで終わりにしていては、あなた自身を満足させることすらできないはずです。「路線図」を描くからには、文字のサイズや用紙のサイズも含めてとことん追求する。これが「遊ぶ」「楽しむ」ということの神髄だと思います。
このページは「路線図を描くのをやめろ」とか「本当に路線図でいいのか」とか「そもそも路線網を作りなおせ」といったことをいいます。じぶんのマップの路線網はすでにしっかりできていてあとは(10分で)路線図を描くだけだと思っているあなたは、さぞかしむっとするでしょうが、そこはこらえていただいて、「どうしてそんなことをいうのかな」と半信半疑の慎重な姿勢で読み進めてください。「考える」というのは、そういうことではありませんか。ちなみに通勤経路の届出に添付する図を『路線図』とは呼びません。10分とは、あまりにも短すぎる時間です。
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